尻博2021現場リポート 「お尻」に取り憑かれた現代アーティストたちの作品を展示するアート展「尻博2021」が、秋葉原『DUB GALLERRY AKIHABARA』で開催中だ。 原始美術の時代から古今東西さまざまなアーティストたちが魅了されてきた、人類の原点にして永遠のモチーフ「お尻」。ルーベンスやルノワールなど多くの西洋絵画、葛飾北斎をはじめ数々の有名絵師たちも春画などで、アートの文脈でお尻の魅力を捉え、艶かしい「お尻」を描いてきた。 『尻博』の主催者で作品を展示している三嶋哲也さんに、参加アーティストそれぞれのお尻を使った表現の特徴などをうかがった。 日本トップクラスの尻好きアーティストらが参加 イラストレーター・画家・フォトグラファー・モデル・立体造形作家など、さまざまな分野で活躍する作家たちが現代的解釈で表現した作品などを紹介している「尻博」。昨年9月に続き、今回で第2回目の開催となる。 「2、3年前に原宿のデザインフェスギャラリーでComet.さんやわくらさんと一緒に、どこか場所を借りて、お尻をテーマにした展覧会できたらいいな、という話で盛り上がったのがきっかけです。2年前に私がこちらで展覧会をやらせてもらったときに、ギャラリーのオーナーの高木さんに相談しました」(三嶋さん) 「尻博2021」には12名のアーティストたちが参加。SNS上に自撮りを投稿する国内外のコスプレイヤーなどの間で、「#わくらポーズ」を流行させたイラストレーターの「わくら」さんの作品などが展示されている。 「わくらさんは昨年から写真家としての活動を始めており、その写真作品も展示しています。Comet.さんは昔からお尻の柔らかさや曲線美を追求されてきた方で、ツイッターで“妖怪尻撮らせろ”なんて自分で書いていますね。Comet.さんの作品などでモデルを務める美南ナミさんは、被写体だけではなくアート活動もされていて、今回はフォトブースのデザインも担当していただきました」(三嶋さん) 今回、肉感AVメーカー設立などに関わる傍ら、「くびれ巨尻コンテスト」などのイベントを主催するケツ学さんも、満を辞して映像作品で参加した。 「おそらく日本でもトップクラスでお尻への愛が強い、世界中のお尻を熟知するお尻の識者ですね。「オシャレ?何それ」って感じで物販も生々しく攻めています。私とは7〜8年前からご縁があり、お尻に関する名言が多い方なので、前回もトークショーなどで参加していただくつもりでしたが、コロナ禍で実現できず、今回初めて参加していただきました」(三嶋さん) 洗練された空間で光るエロティシズム 今回の『尻博』に合わせた描き下ろし3点を含む作品を展示する三嶋さんは、「本当のお尻好きはどんなお尻も好きなので、自分ではお尻好きじゃないかもとも思っているんですよね(笑)。形や質感、色、他のパーツとの対比などお尻に関してはものすごくわがままで……」と、自らのモデルへの人一倍強いこだわりを語る。一口に尻好きといってもいろいろあるようだ。 「momoさんは今回のメンバーの中では比較的珍しい小尻派です。『今回の作品はそんな小尻でもなくなっちゃっています』と、本人はおっしゃっていましたけど。『(映画の)ミッドサマーみたい』という感想を持つ方も多いようで、確かにちょっと怪しい宗教的な儀式のワンシーンにも見えます」 また、アートギャラリーが会場ということもあってか、一般的(?)なフェチイベントと比べ、照明や音響など作品やお尻という素材の魅力を最大限に活かす空間づくりにもこだわっている点も『尻博』の特徴的なポイントだ。 「MOIRAさんはmomoさんと同じく前回から引き続き参加していただいた写真家で、今回、写真作品では唯一の女性です。直接的なエロではなく、清潔感のある美しい写真が魅力的ですね。女性のモデルさんに骨格診断的なアプローチでアドバイスされるなど、プロデュースなどもされており、彼女の被写体になりという女性は非常に多いようです」 来場者はカップルや女性2人組が多く、10代から80代のお年寄りまで年齢層もすごく幅広いそうで、女性が来場者の4割ほどを占めるという。 尻モデルファッションショーなど今後も期待大 「momoさん写真もアーティスティックですごく素敵ですし、尻グラスも桃味のジュースとかカルピスとか入れたい。肌色にしたいですね」とは、取材日に開催されたチェキ会に参加した羽生ゆかさん(Twitter@yukanekonyun)。『尻博2021』では、くそむしさんのモデルとして作品に参加している。 「6月末にくそむしさんの古民家スタジオでの撮影で、すごく暑い中で雰囲気を出すためにヤカンでお湯を沸かして、ふんわりした雰囲気を出していて。くそむしさんは幻想的な雰囲気のお尻を撮るところが、すごく魅力的だと思います」(羽生さん) お尻をキープするための努力も怠らないようだ。 「ウエストラインからの差が大事だと思うので、普段から糖質制限をしています。さらに今はお腹を割りたいと思い、パーソナルジムでくびれを強化していて。よりウエストとヒップの差をつけたいなと。生まれつきの骨格の関係で筋肉がつきやすいお尻らしく、ジムの人にも尻筋はすごくあると言われました」(羽生さん) 炊飯器に座っている謎のカットや東堂ともさんとビニールプールに入ったツーショットが特にお気に入りとか。 「物販で販売している映像作品では、お尻に粉をつけて東堂ともちゃんと2人で叩いたり、揉みあったりしていて楽しかったです。お尻が大福みたいになっています」(羽生さん) 『尻博2021』では来場者が記念写真を撮れるフォトブースの規模を拡大。「女性のお客様の約7割くらいは、お尻出して記念撮影していきます」(高木さん)とのことだが、開催期間中、絶品のお尻の持ち主が参加する尻博撮影会も毎週土曜日に開催している。 すでに3回の撮影会を終えて大好評だったようだが、7月24日には『肉感ドットコム』とコラボした「美巨尻プレミアムフォトセッション」も行われる。 ギャラリーのオーナーである高木一芳さんは、「前回も今回もコロナ禍の開催で、イベント的な企画は撮影会くらいですが、将来的にはもっと規模を拡大させて、ただ鑑賞するだけではなく、お客様がよりお尻の世界に入っていただくためのイベントなどを充実させたいと思っています。尻について語るトークショーや尻モデルさんのファッションショーなどの企画を実現したいですね」と、今後の展望を語っていた。 (取材・文=伊藤綾) 尻博2021 「本当のお尻を見てほしい。」 何故こんな展覧会が今まで無かったのか。 原始美術の時代から様々なアーティストが魅力されてきた、性別の垣根を越えて存在する人類の原点にして永遠のモチーフ、「お尻」。近世でも西洋絵画においてルーベンスやルノワール等多くの画家が肉感的な筋肉表現、官能的象徴、バロック的な量感表現手法のモチーフとして描き、江戸では葛飾北斎をはじめ数々の有名絵師たちが春画において艶かしく描いている「お尻」。第2回目となる「尻博2021」もイラストレーター・絵画・フォトグラファー・モデル・立体造形等の様々な作家達が現代的解釈においてそれを表現する。併せて絶品のお尻の持ち主が参加する撮影会も開催。 【参加ARTIST】 Comet./三嶋哲也/美南ナミ/MOIRA/わくら/mono/くそむし/P.P★★★CRYSTAL/沼倉肢美子/朱宮垂狐/ケツ学/daikichi 公式サイト=https://www.shirihaku.com/ 公式Twitter=@shirihaku
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