フジテレビ離れが止まらない…一桁視聴率だらけなのはなぜ?

 フジテレビのドラマ不振が止まらない。今期の主なドラマは4本あるが、月9枠の『ラヴソング』初回以外、ひとつも視聴率10%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を超える回がなく一桁ばかりだ。演技派子役の芦田愛菜と朝ドラ女優であるシャーロット・ケイト・フォックスをダブル主演に据えた日曜21時の『OUR HOUSE』に至っては、初回4.8%で第三話は4.0%だった。

 役者が悪いわけではなく、演出が杜撰なわけでもない。なぜこうしたことになってしまっているのだろうか。

 同枠は2013年4月からバラエティ番組だったが、この4月から3年ぶりにドラマ枠を再設置。フジテレビの亀山千広社長は今年2月の定例会見でドラマ枠復活について「言い方はよくありませんが、TBSさんのおかげで(日9は)プラチナ枠というのが分かりました」「ホームドラマに野島伸司さんを(脚本)起用している。家族奮闘作品はTBSさんとは違う戦略になる」とコメント。TBSが同時間帯のドラマで『半沢直樹』や『下町ロケット』をヒットさせたからだ。しかし今期も、TBSの『99.9―刑事専門弁護士―』が初回15.5%、第二話19.1%、第三話16.2%と独走中。フジは3倍もの差をつけられている。

 そもそも日9では、2011年にフジが『マルモのおきて』をヒットさせた過去がある。13年の『半沢直樹』以降はTBSが特に強さを示しているが、TBSが同枠でジャンルを固定せず様々なタイプのドラマを毎クール打ち出すのに対して、『マルモ』の二番煎じのようなドラマで勝負をかけようというのは底が浅い。

 また、日9を「プラチナ枠と分かった」という発言だが、視聴率のとれる枠ととれない枠があると端から決めつけてしまっているのではないだろうか。魅力的な番組によってテレビから離れた視聴者を呼び戻そうというのでなく、魚のたくさんいる漁場に餌を投げ込めば食いつくだろうと考えているとしたらますます浅はかである。

 4月の定例会見で亀山社長は『OUR HOUSE』の初回視聴率が4.8%だったことについて「宣伝の仕方など反省しないといけない。宣伝の仕方など後方支援をしても遅くはない。頑張ってほしい」とコメントを出しているが、TBSから視聴者を奪い取ることは出来るのだろうか。

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