嫌われ役で炎上を狙い撃つ新山千春の振り切れっぷり
昨年末に離婚して以降、新山千春(34)が振り切っている。自らテレビの中の“嫌われ役”のポジションを買って出て、アクセル全開踏み込みまくっているように見えるのだ。10月12日に放送された『しくじり先生3時間!!嫌われモン大集合SP』(テレビ朝日系)で、「炎上ブログは金になる」と宣言したうえ、ブログのアクセス数を稼ぐため過去の炎上騒動も自ら仕組んだことだと暴露。わざわざこれを言うとは、相当覚悟をキメているか、他人からどう思われようと一切気にならないタイプのどちらかだ。いずれにしろ、かなり強い。
年末年始は特番期の稼ぎ時で、新山のようなバラエティ中心に活動するタレントにとってはいかにこの時期の番組に多く呼ばれるかが翌年の明暗を決める。新山は追い込みをかけるように、「今、好きな人がいます」と公開告白までしてみせた。
新山が「公開告白」を試みたのは、11月18日深夜放送の『ナカイの窓』(日本テレビ系)でのこと。この日の放送は「次の恋を見つけたい女たちSP」で、新山、スザンヌ、坂口杏里、舟山久美子、新人芸人のわたなべるんるん(トレンディエンジェルたかしの元恋人)がゲスト。スザンヌ、新山はバツ1シングルマザー枠、坂口はバイきんぐ小峠との恋愛でやや売れた売名枠、舟山は20代フツウ女子代表枠、わたなべは新人顔見せ枠といったところか。
そう、新山は昨年末、元プロ野球選手の黒田哲史と離婚している。しかし「まだ1年経ってなかったっけ?」と視聴者に思わせるほど、離婚の話題をテレビでしまくってきたため、そろそろ旦那さんネタ(新山は離婚後も元夫を旦那さんと呼ぶ)は食傷気味だ。そんな視聴者感情を熟知しているかのごとく、新山が用意した新ネタは、「好きな人ができました」であった。
メインMCの中居正広は、ゲストメンバーを一目見て「負のオーラがすごいわ。うつらない? ワクチンない?」と言い、「恋ってさ、してた方がいい?」とテーマそのものを覆すような価値観を発露させ、まったくブレない。アシスタントはバツイチで女子アナとの再婚がうわさされる陣内智則だったが、彼らは実にうまく新山の話にツッコミを入れ、彼女の魅力をいっそう引き出していた。
さて、新山は「気になる人ができたんですよ」「業界の人なんですけど。アーティストさん」「ライブとかもちょくちょく行かせてもらうようになって」と切り出した。新しい好きな人は、「年下で未婚のアーティスト(ボーカル担当)」とのこと。新山はかねてよりその彼が在籍するグループのファンで、知り合いのつてでライブのチケットを取ってもらい関係者席でライブを観たとのこと。すると翌日も会いたくなり、自分でライブチケットを取って観にいったそうだ。その際、連日のライブで疲れているであろう彼のために “お高めのバスソルトと自筆の手紙”を持参したが、結局、恥ずかしくて渡すことのできないまま帰ってきてしまったという。
中居は「ライブ行っちゃダメだって。照明とか雰囲気とか(で好きになっちゃう)」「俺はライブに彼女を呼ばない。ステージだといつもの俺と違うから。みんなの好きな人を自分が独占してる優越感で彼女がおかしくなっちゃうから」と持論をぶるが、新山はすでにライブマジックにやられ済みでその彼に惚れてしまっているとのことで、陣内が「もしお会いしたときのために、告白の練習をしときましょう」と提案。新山がカメラ目線で伝えたメッセージがこれだ。
「私にあなたのことを守らせて下さい。恋人になりたいとは言いません。家政婦でもばあやでもいいので、隣に置いてくださいっ」
女性観客を入れたスタジオはこの告白にザワつき、中居も中居が「恋人とは言いません家政婦っておかしいでしょ!」と突っ込んだが、新山は「常に(側に)いたい。身の回りのご飯だったりお洗濯だったりしてあげたい」のだという。なんでも、尽くし甲斐のある男性がタイプだそうで、「私に興味を持ってあれこれしてくれる人より、自分が世話をしたい」そう。
いわく、元夫(04年の結婚当時プロ野球・読売ジャイアンツ所属だった黒田哲史)も、一軍バリバリのエリート選手ではなくて、一軍と二軍をいったりきたりのパッとしないところに萌えたそう。新山は「この人のために陰でサポートしながら支えてあげたいっていう」願望が強いのだ。中居と陣内はこれを「母性だね」「母性ですね、母性が強い」と適当に評したが、そうかあ? 母性ってそういうものだろうか? 番組最後に、全員のトークを聞いたうえで番組御用達の心理カウンセラーが下した評価は、母性ではなく「自己愛が強い」であった。
心理カウンセラーによれば、尽くす女性にも二通りいて、「見捨てられたくない、役に立つから私のことを好きでいて」という尽くし方と、「尽くしている自分が好き、自分の力を感じたい。世話を焼いている自分のコントロール感がたまらなく好き」という自己愛メインの尽くし方があるという。新山は告白の文言で「私に守らせてください」と言ったことが、非常に自己愛的なのだそう。また、収録中に頻繁に髪を耳にかけるしぐさなどをしていたことも、「意識が人から自分にどう見られているかに集中している、公的自己意識の塊。自己愛の深さが言葉やしぐさにあらわれている」と結論づけられてしまった。結果、「一生幸せになれない女」の烙印まで押されるという、この日のゲストの中でもっともおいしいポジションを持っていった新山。さすがである。
また、この「年下未婚のアーティスト(ボーカル)」が一体誰か、という話題でもネットは盛り上がっている。もっとも多く名前が上がっているのは三代目 J Soul Brothersのボーカリストである登坂広臣、そして今市隆二だが、三代目JSBのライブチケットを当日ゲットできるとは考えにくい。だが彼らであれば、熱烈な女性ファンが多くいるため、炎上目的で彼らを予想させるワードを選んだのかもしれない。おそるべし、新山千春。
ちなみに今年4月に出演した番組では、再婚相手の条件を上げていた新山。そのときは「土日休みの人」「年上で貫禄があって安定した人」「ギャンブルは絶対イヤなんです」「精神的苦痛を与えない人」「両親を大事にしてくれる人」「娘を私より大事にしてくれる人」「ちゃんと私のことを叱ってくれる人」などいくつもの条件を列挙し、この条件に見合った人物を常日頃から探している(審査している)と話していた。年下のアーティストは、絶対に土日休みではないと思うが、新山は条件よりも惚れた直感を大事にしたいのだろうか。まだまだ、いくらでも炎上の火種を撒き散らせそうな新山。振り切った女の爆走は来年まで続くだろう。