子を殺すか自分が死ぬか――知られざる精神障害者家族の実態『「子供を殺してください」という親たち』

<p> 7月15日にTBSで放送された『水トク!「THE説得」』。精神障害者とその家族を特集したこの番組では、統合失調症や引きこもり、家庭内暴力など、精神的に問題を抱える人々が次々に登場した。</p> <p> その多くが、20代から40代にかけての大人だ。彼らは、社会にうまく溶け込めず、家族とも長い間、関係を作れないままだ。</p> <p> しかし、そこには我が子を想う親の「なんとかしなければならない」という言葉はなく、ただただ「子供と絶縁したい」と考える親たちが大勢映し出されていた。</p> <p> この番組に登場するトキワ精神保健事務所の押川剛。精神障害者を抱えた家庭からの要請で、障害者本人と向かい合って説得し、病棟への移送を承諾させる、説得のスペシャリスト。そんな彼が記したのが『「子供を殺してください」という親たち』(新潮文庫)である。</p>

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