暴力団による診療報酬詐欺に関与で逮捕の脇坂英理子容疑者、虚飾の豪遊を振り返る

 昨年から「逮捕間近」との噂が飛び交っていた“女医タレント”の脇坂英理子容疑者(37)が、9日、ついに逮捕された。指定暴力団住吉会系組長らによる診療報酬詐取事件で、診療報酬を不正に受給していた疑い。取り調べに対して脇坂容疑者は「弁護士が来るまで話しません」と供述しているという。

 逮捕容疑は2012年11月上旬~14年9月上旬、脇坂容疑者が院長だった千葉県船橋市と東京都目黒区のクリニックで、一度だけ受診した患者が別の日にも受診したように見せかけて診療報酬を偽装請求し、千葉県内と東京都内の8自治体から患者14人分の診療報酬計約155万円を騙し取った疑い。だがこれはごく一部で、不正請求は12年8月~14年11月で総額約6900万円分に上っているという。

 脇坂容疑者は名門・東洋英和女学院高等部を卒業したのち、東京女子医科大学へ入学し、03年に医師免許を取得、大学病院に勤務した。専門は麻酔科。12年、船橋市にRicoクリニックを開業したが、診療項目は一般内科のほか、麻酔科・ペインクリニック内科、美容内科、美容皮膚科を掲げていた。13年にクリニックを中目黒に移転。クリニックの営業時間は13時~21時で年中無休だった。

 その頃からテレビにも「美人女医」として出演するようになった脇坂容疑者。14年6月に『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演してからは、倖田來未似といわれるという派手なルックスや巨乳、そして過激発言が需要され、深夜番組を中心にメディア露出を続けていた。ホストクラブで豪遊することが趣味と公言し、水商売の人々と懇意にしていたため「クリニックにはキャバ嬢たちが疲労回復や美肌効果のある注射を打ちにくる」とも。また、

「年収5000万。でも宵越しの金は持たないので貯金はゼロ」
「クリニックの医師は自分だけだから多忙だけれど、毎晩のように新宿・歌舞伎町のホストクラブやキャバクラで飲み歩く」
「高級ホストクラブでNo.1ホストのために3000万円分ボトルキープ」
「肉体関係を持った男性は800人くらい」
「おっぱい大きいコとやりたくない? と言えばほとんどの男はやれる」

 などなど、テレビウケする発言を繰り出していた。だが「年収5000万」が事実だったかも疑わしい。というのも、脇坂容疑者は14年9月からクリニックの月額52万円余りの家賃・管理費を滞納したとして支払いとテナント明け渡しを求められる訴訟を起こされ、敗訴。14年末から休業し15年5月に閉院していたからだ。週刊誌では「約30万円を支払って5回の全身脱毛コースに申し込んだ女性」が、「2回目の治療を受ける前にクリニックが一時休業。そのまま閉店となったが返金は行われていない」と訴えていた。

 そうした患者からの訴え、また今回の逮捕についても、脇坂容疑者が「何も知らなかった」はずはない。昨年5月の時点で所属していた芸能事務所は、クリニック閉院の理由について「美容業界の安売りによる過当競争で、資金が行き詰ったと聞いている」とコメントしていた。だが彼女自身は9日に逮捕される直前まで、何事も起きていないかのようにブログやInstagramを更新していた。その内容も、高級美食に舌鼓を打つものなど被害者である元患者の神経を逆撫でしそうなものが多く、奇妙に感じる。まったく危機感がなかったのか、それとも逃げても仕方がないと諦めていたのか。いずれにしろ、反省の色は微塵も見えない。捜査の行方に注目していきたい。

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