3億円稼いだ現役競走馬がネットオークションへ!『中古』の表記に「命の冒涜」の声もその行方は……

 先日7日、春のG1開催に沸く競馬界に衝撃が走った。

 なんと現役バリバリの現役競走馬が“ネットオークション”に出品されたのだ。それも、ここまでの獲得賞金2億9,932万7,000円と「約3億円」に上るダイワマッジョーレが出品されたというから驚きだ。

 2012年にJRAでデビューしたダイワマッジョーレは、3歳からバリバリのOP馬として重賞戦線で活躍。2013年のマイルCS(G1)では2着に入るなど、ここまで重賞2勝を挙げているトップマイラー。昨年のマイルCSでも武豊騎手が騎乗するなど、息の長い活躍を見せていた。

 しかし、近年は競走成績が下降。今年になって3戦連続で2ケタ着順を記録するなど、浮上の余地が見られなかった。そこで陣営は、本馬のJRA登録抹消を決断。地方競馬に移籍するという方針の中で、新たな馬主を求めてネットオークションに出品されたという経緯だ。

 ダイワマッジョーレが出品されたのは、楽天が主催する『サラブレッドオークション』。今回で96回目を迎える現役競走馬のためのオークションであり、これまで数々のJRA所属馬がサラブレッドオークションを通じてJRAから地方への移籍を果たしている。

 実は先日、JRA初勝利を飾った話題の藤田菜七子騎手が、先に地方競馬で“デビュー初勝利”を挙げた際の騎乗馬も、このサラブレッドオークションを通じて地方競馬に移籍した馬なのだ。

 しかし、これまで数々の実績を上げてきたサラブレッドオークションでも、ダイワマッジョーレほどの“大物”が出品されたのは初めて。現役バリバリのOP馬の登場とあって、さすがに大きな反響を生んだようだ。

 特に今回を機に、初めてサラブレッドオークションの存在を知った競馬ファンからは驚きの声と共に、やはりサラブレッドという“生き物”が競売に掛けられることに対して戸惑いの声もあった。 

 中でも実際にダイワマッジョーレが出品されたオークションページには商品状態という項目には『中古』と表記され、中には「中古品扱いは可哀想」「生命の冒涜じゃないか」「よく知ってる馬だけに切ない」といった声も……。

 確かに少し可哀想な気もするが、そもそも競馬とは人間がサラブレッドという“生き物”の命を、自分たちの都合で左右する側面を持ったもの。そういった意味で、まだ地方競馬に活躍の場を求めて移籍できるダイワマッジョーレは、恵まれているという見方もできるのだ。

 ちなみにダイワマッジョーレのオークションは7日の午前9時から開始。100万円の入札からスタートした競売は午後8時には1,000万円を超え、最終的には139件の入札があり約1,700万円で落札された。

 なお、これはサラブレッドオークション史上最高の落札価格となっている。

 この1,700万円という価格が安いのか高いのかは、今後のダイワマッジョーレの活躍に懸かっている。ただ、いずれにせよ、今回の動きがJRAで大きな活躍をした現役競走馬たちの今後の選択肢に影響することは間違いないだろう。

 実際に、明日14日開催予定の第97回サラブレッドオークションには“目玉商品”としてブレイズアトレイルが出品予定。こちらも重賞で2着に入るなど、今月10日までJRAのOP馬だったバリバリの現役馬である。

 活躍馬が「中古品」として市場に並ぶのは複雑な気持ちだが、いずれはJRAからオークションを通じて地方に移籍するという流れが主流になる時代も来るのかもしれない。

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