「Jリーグ」の記事一覧

フェルナンド・トーレスがJリーグ・鳥栖に加入決定! 「ようこそ田舎へ」「何もないぞ」と心配の声が殺到中

 元スペイン代表のストライカー、フェルナンド・トーレスが、サッカーJ1のサガン鳥栖に加入することが発表された。しかし、あまりの大型移籍に、地元からは困惑の声も上がっている。

 トーレス移籍決定の発表は唐突だった。今年5月、トーレスのサガン鳥栖加入が決定したとのニュースがJリーグ公式サイトのミスで公開されたものの、これが勇み足。Jリーグの公式サイトにお詫びの声明が出された後は音沙…

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鹿島アントラーズ・柳沢敦コーチ、処分の原因は「不倫」より重罪の「情報漏洩」だった!?

 遠征先ホテルに不倫相手と見られる女性を招き入れたことが「規律違反」となり、サッカーJリーグの鹿島アントラーズ・柳沢敦コーチが辞任したが、業界内では「不倫」よりも「情報漏洩」の疑惑がささやかれている。

「この規律違反というのは、不倫で処分されたわけではないからね。問題なのは、試合前日にチームに無断で部外者と会っていたこと」とJリーグ関係者。

「toto(サッカーく…

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浦和レッズがペトロビッチ監督を電撃解任! 土壇場の“勝負弱さ”克服できず……

浦和レッズがペトロビッチ監督を電撃解任! 土壇場の勝負弱さ払拭できず……の画像1
浦和レッズ公式サイトより

 先日行われたサッカーJ1リーグ第19節で、ヴィッセル神戸入りした元ドイツ代表で一時代を築いたストライカー、FWルーカス・ポドルスキが鮮烈なJ1デビューを飾った。ホームでの大宮アルディージャ戦に先発出場し、前半は消えていたものの、後半に左足とヘディングの2ゴールを決めた。特に左足のゴールは圧巻で、振り向きざまのミドルシュートを守備陣は予期できていなかった。ワールドクラスのミドルシュートをどのように防ぐのか、各チームは対応を迫られる。

 明るいニュースがあった一方で、ネガティヴなトピックスもあった。

 アウェイで下位の北海道コンサドーレ札幌に2-0で敗れ、リーグ優勝が厳しくなった浦和レッズが、ミハイロ・ペトロビッチ監督を電撃解任したのだ。

 ペトロビッチ監督は2012年に浦和レッズの監督に就任すると、前年残留争いをしていたチームをすぐにリーグ戦3位まで導く。翌年はリーグ戦6位と沈んだものの、ヤマザキナビスコ杯(現:ルヴァン杯)で準優勝という結果を残し、以降もリーグ戦を2位、3位、2位と常に優勝争いをするチームを作り上げた。

 その半面、“シルバーコレクター”のレッテルをはがせないでもいた。昨年、ルヴァン杯でその汚名を晴らしたかと思いきや、チャンピオンシップではまさかの逆転負け。リーグ戦でも優勝争いをしているといえば聞こえはいいが、ほとんどが終盤に失速し、「優勝できなかった」という表現が正しい。

 今回、フロントが解任の決断をしたのも、アジアチャンピオンズリーグ(AFC)ではベスト8に残っているが、リーグ戦では直近の12試合で3勝1分8敗。その中身も散々で、3勝はJ1で残留争いをしているチームから挙げたものだ。そんな中で、下位のコンサドーレに敗れたとなると、過去の勝負弱さが頭をよぎったのだろう。

「浦和レッズは、8月23日にAFC準々決勝の川崎フロンターレ戦を控えています。リーグ優勝が苦しい以上、AFCは至上命題となっているはず。そこに合わせてチーム状況を上げていくためには、このタイミングしかなかったのだと思います。8月は後半まで上位チームとの戦いはありませんから、十分に自信をつけられるし、立て直していけるとフロントは考えているはず。ただ、フロント以外は誰も解任を望んでおらず、コンサドーレにさえ勝てば、そのままペトロビッチ監督でいったはず。今回の解任に、選手たちもショックを受けています」

 選手に愛され、フロントからも信頼されていたペトロビッチ監督。しかし、皮肉にも勝利の女神からは愛されなかったようだ。
(文=TV Journal編集部)

日本サッカーの宝・久保建英「5・3ルヴァン杯J1デビュー」の裏にうごめく利権

日本サッカーの宝・久保建英「5・3ルヴァン杯J1デビュー」の裏にうごめく利権の画像1
FC東京公式サイトより

 まだ15歳でありながら、FC東京U-18に所属し、U-20日本代表にも選出されている久保建英が、5月3日のルヴァン杯にてトップチームの公式戦にデビューする。

 久保はFCバルセロナの下部組織カンテラのエースとして君臨し、スペインでも「メッシ二世」と将来を嘱望されていた。が、FCバルセロナの18歳未満の外国人選手獲得・登録違反により、久保は公式戦に出場できない状況が続いたため、2015年3月、日本に帰国、現在はFC東京に所属している。そんな久保がルヴァン杯に出場するというニュースに、サッカー関係者からは「まだ早いのでは?」「広告塔にさせられてしまっている」と心配の声が上がっている。

「FC東京側の言い分としては、久保が4月15日にJ3初ゴールを挙げたこと。また、5月のワールドユース前にトップの経験をしておいたほうがよいとのことですが、J3のように23歳以下の選手が多ければ別ですが、筋肉の出来上がったJ1の選手たちと、まだ出来上がっていない久保がプレーすることに危険を感じます。なにより、デビューさせることを公式発表し、日程が5月3日というゴールデンウィークの集客を見込める日にしているのも気になります」(同)

 実は、昨年11月5日に行われたAC長野パルセイロ戦でJ3デビューした時も、サッカー関係者たちからは疑問の声が上がっていた。

「スカパー!ではJ3の試合はあまり放送されていなかったのですが、この試合はなぜか生放送。さらに、FC東京U-23の試合は、普段は収容人数約4,800人の江東区夢の島競技場や約7,000人の味の素フィールド西が丘で行われているのですが、11月5日の試合はなぜか収容人数約2万人の駒沢陸上競技場で開催され、7,653人の観客と多くの報道陣が集まった。久保のプレーやコンディションに合わせているというより、ビジネスが優先されているように映ってしまいます」(同)

 ちなみに現在、Jリーグ独占放映権(無料テレビ放送を除く)を持っているのはインターネットスポーツ中継サービス「ダ・ゾーン」を展開するパフォーム・グループだが、ルヴァン杯の放映権はスカパー!が持っている。久保のJ3デビューに続き、Jリーグデビューも生放送するのはスカパー!。これは、偶然が続いているだけなのだろうか?
(文=TV Journal編集部)

セレッソ柿谷曜一朗、いまいちパッとしない原因は「どんな料理にも和風ドレッシング」だった?

セレッソ柿谷曜一朗、いまいちパッとしない原因は「どんな料理にも和風ドレッシング」だった?の画像1
セレッソ大阪公式サイトより

 セレッソ大阪の柿谷曜一朗と昨年12月に結婚したタレントの丸高愛実のテレビ露出が増えている。『ダウンタウンDX』や『行列のできる法律相談所』(共に日本テレビ系)などで、柿谷との結婚に至るまでのなれそめや、柿谷が「どんな料理にも和風ドレッシングをかける」という仰天エピソードを披露しているのだ。

 10代からユース日本代表で活躍していた柿谷だが、2009年には練習への遅刻が原因でJ1のセレッソからJ2リーグに期限付きで移籍させられた。そこで生活態度を改め、12年にセレッソへ復帰。13年には日本代表に初選出され、東アジアカップでは得点王にも輝いた。

 だが、14年になると、パフォーマンスが下り坂に。2014 FIFAワールドカップブラジル大会には選出されたものの、結果を残せず。この年の7月にスイスリーグのFCバーゼルに移籍するのだが、結果はサッカーファンならばご存じの通り、失敗に終わった。

 2人の交際がスタートしたのは、柿谷がスイスリーグに移籍する直前とのことだが、柿谷の調子が落ち始めたのも、ちょうどこの頃から。そんなこともあり、丸高の“下げマン”疑惑がサッカー関係者の間で浮上しているというのだ。

「丸高さんが下げマンかどうかは別として、柿谷選手がどんな料理にもドレッシングをかけるというのは、アスリートとして、あまり褒められたものではありません。味付けしていない料理ならば別ですが、すでに味付けしてあるものにドレッシングをかければ、塩分過多になります。塩分を取りすぎると、余分に水分が必要になる。試合中に水分を取りすぎれば、体が重くなります。また、持久系アスリートに欠かせないマグネシウムの吸収を阻害してしまいます。食事での塩の取りすぎが、パフォーマンスが上がってこない原因と考えることはできると思います」(スポーツトレーナー)

 丸高は柿谷の健康面を支えるため、アスリートフードマイスターの資格を取得。インスタグラムではプロ並みの料理の腕前を公開している。そんなけなげな新妻の思いを踏みにじる柿谷に今のところ反省の色はなさそうだが、食生活を改め、13年時の圧倒的な存在感を取り戻してほしいものだ。
(文=TV Journal編集部)

開幕戦から好調スタートの横浜FM、賛否を呼んだ「マリノス改革」は正しかった?

開幕戦から好調スタートの横浜FM、賛否を呼んだ「マリノス改革」は正しかった?の画像1
横浜F・マリノス公式サイトより

 横浜F・マリノスが絶好調だ。

 開幕戦で昨季年間勝ち点1位の浦和レッズを3-2と下すと、続くコンサドーレ札幌戦も3-0で快勝した。シーズン前にサッカーメディアやファンから酷評されていたのがウソのような活躍ぶりである。

 今シーズン前、マリノスでは「フロントvsベテラン選手+サポーター」の内輪モメが起きていた。

 発端は、マリノスが抱える本質的な問題だ。設立以来、慢性的な赤字体質で、広告料を名目とした親会社(日産自動車)による赤字補填が行われてきた。だが、2008年のリーマンショックで日産本体の経営が悪化すると、翌年から日産はマリノスに対する赤字補填を停止する。そんなマリノスを尻目に、Jリーグは12年からクラブの財務健全化を義務付けたクラブライセンス制度を導入。窮地に追い込まれ、14年7月にシティ・フットボール・グループ(CFG)に約20%の株を売却することになった。

 ここから、マリノス改革は加速する。

 CFGがフロントに入ると、経営のスリム化を図るため、年間6億円もの賃料を払っていたマリノスタウンを解体。また昨シーズン後にベテラン陣との契約も見直したことで、中村俊輔(ジュビロ磐田に移籍)をはじめとするベテラン陣から不満の声が上がり、その声にサポーターも連動した。

 一方、「マリノスのベテラン切りは仕方ない」と見るスポーツライターもいた(参考記事)。

「齋藤学のようなこれからの選手の年俸をダウンさせたならば別ですが、昨季、マリノスが契約を更新しなかった選手は、ある程度の限界値が見えている。費用対効果で考えれば、未来ある若手を起用するほうが賢明です。そもそも、リーグは10年シーズン以降、欧州同様に契約満了の6カ月前から、すべてのチームと交渉ができるようになった。過去の2000年前後の冷徹なベテラン切りとは話が違う。フロントや監督に不満があるなら、移籍するのがプロフェッショナルでは?」(サッカーライター)

 リオ五輪候補に富樫敬真、日本代表候補に喜田拓也といった若手を輩出したモンバエルツ監督だが、今シーズンはさらに若手起用を加速させ、平均年齢25歳前後の選手をスターティングメンバーとしてピッチに送り出し、躍動させている。39歳の中澤佑二が出場した上での平均年齢25歳であり、実質、Jリーグで最も若いチームといえる。

 もちろん、マリノスの未来が本当に明るいかは、まだ見えてこない。若いチームには波があるし、モンバエルツ監督の選手交代やシステムチェンジなどの手腕が問われるのも、各チームがマリノスを警戒し始めてからだ。今はまだ、そのフェーズは迎えていない。

 それでも赤字を解消し、現段階でそれなりのチームを作ったことは評価できる。昨季、マリノスを大バッシングしていたメディアやコアサポーターと呼ばれた人々は、いったい何を思うだろうか?
(文=TV Journal編集部)

“ジリ貧”東京ヴェルディ「宗教団体」とパートナー契約で波紋……Jリーグ規約抵触の可能性も?

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半田晴久公式HPより

 サッカーJ2リーグに沈んでいる名門の東京ヴェルディが、久しぶりに話題を集めている。

 1月10日、国際スポーツ振興協会(ISPS)とコーポレートパートナー契約を締結したことを公式サイトで発表。それに伴い、なんと新監督にミゲル・アンヘル・ロティーナを招聘したという。ロティーナ監督はスペインリーグのセルタ監督時代の2002年、チームを欧州チャンピオンズリーグ出場へ導き、ベスト16に輝いた。05年にはエスパニョールの監督を務めて国王杯を制すなど、華々しいキャリアの持ち主。財政状況が芳しくなかったヴェルディが、なぜそんな監督を招聘できたのか? サッカー関係者に聞いた。

「今季からJ1上位チームには昨季の4倍近い金額が支払われるため、各クラブが大型補強を行っています。しかし、ヴェルディの昨季の成績はJ2で18位。Jリーグの流れに乗って補強をしているというより、単純にコーポレートパートナー契約をしたISPSが、招聘にかかる費用を持ったということでしょう」

 では、ISPSとは、どのような団体なのか? 調べてみると、スポーツに関する事業、社会福祉活動及び国際協力の活動を行う団体で、特に障害者ゴルフへの支援に力を入れているようだ。その一方で、キナ臭い書き込みも散見される。というのも、ISPSの半田晴久会長は、「深見東州」の別名でも知られ、スピリチュアル研究家であり、宗教団体「ワールドメイト」の教祖なのだ。ヴェルディは新ユニフォームの胸部分などに「ISPS」に加えて「HANDA」の文字が入ることも発表しているが、これに対し、「ヴェルディとISPSの契約は、Jリーグ規約第3条5項が禁じる宗教的デモンストレーションに当たるのではないか?」といった声が上がり、ネット上を中心に騒ぎとなっている。実際、今回の契約は、Jリーグ規約に違反していないのだろうか? 

「Jリーグ理事会に問題視されることはないと思います。なぜなら、ヴェルディは宗教法人ではなく、あくまでISPSと契約したという建前があるからです。ヴェルディ社長の羽生英之氏は、もともとJリーグの事務局長まで上り詰めた人物。派閥争いに敗れてヴェルディに移ったものの、Jリーグの規約や体質は理解していますし、上への根回しもうまい。規約ギリギリに思えるパートナー契約ですが、羽生さんがセーフと踏んだということは、Jリーグが問題視しないと確信があったのでは」(前出サッカー関係者)

 ISPSとの契約金で、J2の18位とは思えない大型補強を敢行しているヴェルディ。J1復帰に期待がかかるが、「ロティーナは、近年は結果を残していない、過去の監督」との声もちらほら。華々しい新体制の発表だったが、その中身は危険をはらんでいるようだ。
(文=TV Journal編集部)

ヴィッセル神戸「ポドルスキ10億円オファー」に見る、“守銭奴”三木谷オーナーの狙いとは?

ヴィッセル神戸「ポドルスキ10億円オファー」に見る、守銭奴三木谷氏の狙いとは?の画像1
「パニーニフットボールリーグ/第10弾/PFL10-086/ドイツ代表/RG/ルーカス・ポドルスキ」

 J1クラブのヴィッセル神戸が、久々に話題になっている。

 ヴィッセルは2004年に経営難に陥り、それを救ったのが楽天代表取締役・三木谷浩史氏の個人資産管理会社だ。ヴィッセルは同年、イケメン選手としてスター扱いされていたトルコ代表のイルハン・マンスズを獲得し、ニュースでも話題となった。そんな三木谷体制のJリーグ初年度はというと、イルハンは人気だけで結果を残せずシーズン途中に退団という無残な結末で、チームも優勝争いに絡めなかった。

 以降、ヴィッセルが大物外国人を獲得することはなくなったのだが、2017年シーズン開幕を前にして、「元ドイツ代表の10番である、FWルーカス・ポドルスキを獲得」という報道が流れている。ポドルスキは31歳ではあるが、昨年までドイツ代表としてプレーしており、昨季もトルコリーグで13得点を奪っている。報道によると、年俸約10億円のオファーらしいが、なぜ、ヴィッセルは久々に大物外国人選手獲得に動いたのか? 

 楽天は14年12月に、運営会社であるクリムゾンFCの全株式を取得し、ヴィッセルを傘下に収めた。つまり、三木谷氏個人の資金ではなく、楽天の資金が入るということでもある。とはいえ、楽天は世界屈指のビッグクラブであるFCバルセロナのユニフォームスポンサーとして、年間70億円を支払っている。さらにヴィッセルに資金を投入するメリットはあるのだろうか?

「今までは、なかったでしょうね(笑)。ですが、今季からJ1リーグの優勝チームには、賞金や配分金含めて、昨季の4倍となる約21億円が支給されます。3位でも約5億円です。上位3チームにさえ入れば、ポドルスキへの10億円は、パブリシティ含め、回収できると考えたのでしょう」(サッカーライター)

 また、「今回の補強は、ヴィッセルの今までの補強とも一味違う」と付け加える。

「イルハンは、Jリーグやチームにフィットするかより、人気が先行していました。ある意味、三木谷さんらしい補強です。ですが、ポドルスキは人気よりも実力重視でしょう。彼の武器である左足のミドルシュートは、間違いなくJリーグで通用します。ほかの選手より5mは遠くからゴールを狙える。本当にヴィッセルにポドルスキが加入すれば、各チームとも対応を迫られることになるでしょう」(同)

 J1の賞金や配分金が上がったこと、そして昨年末のFIFAクラブワールドカップでJリーグ・鹿島アントラーズの試合が26.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という驚異の視聴率をただき出したことで、“守銭奴”といわれる三木谷氏もヴィッセル投資に価値を見いだした、というのが実情のようだ。果たして、ポドルスキ獲得が現実となるのか、楽しみだ。
(文=TV Journal編集部)

俊輔放出、中澤減俸は仕方ない!? メディアの過剰な横浜F・マリノス叩きに違和感

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横浜F・マリノス公式サイトより

 サッカーJ1クラブの横浜F・マリノスに、激震が走っている。

 日本屈指のファンタジスタでキャプテンでもある中村俊輔が、1億2,000万円の契約延長を断り、ジュビロ磐田からの8,000万円のオファーを受け入れて移籍してしまったのだ。マリノスは昨年末、年俸半額の延長オファーを中澤佑二に提示し、本人はもちろん、ファンからの怒りを買った。今回の中村の移籍も、その延長線上にあるチームへの不信感なのは容易に想像がつく。スポーツ紙の取材に対し、中村は「クラブが資本提携し、編成面で権限を持つ、英シティー・フットボール・グループ(CFG)の影響力が強い現体制では、練習参加すら苦しさを感じる」と告白していたが、実際のところ、マリノス内部で何が起こっているのか?

 まず、バッシングの対象となっているエリク・モンバエルツ監督の手腕だが、来日2年目を迎えた昨シーズン、成績は1年目を下回る10位だった。選手に対する求心力も低下し、交代は既定路線だと思われていた。が、続投が決定し、さらにベテラン選手との契約更新がファンの思いと乖離したため、フロントへのバッシングが起きている。

「モンバエルツ監督は、アンダーカテゴリーのフランス代表を2007~12年まで率いていました。またフランスのビッグクラブであるパリ・サンジェルマンFCでもアンダーカテゴリーのコーチをしていた、育成タイプの監督です。確かにマリノスの成績は振るいませんでしたが、リオ五輪候補に富樫敬真、日本代表候補に喜田拓也といった若手を送り出した。是々非々は別として、この点をCFG側は評価したのではないでしょうか」

 確かにそう考えると、ベテラン選手との契約が進まなかったつじつまが合う。そのベテラン選手との契約についても、「選手やファンの心情は分かりますし、サッカー誌も同調しているようですが」と前置きした上で、こう続ける。

「今のJリーガーで、年俸1億円を超える選手は数人しかいません。その一人である大久保嘉人は契約が切れる2016年シーズン後に、争奪戦が起きた。確かに中澤は素晴らしい選手ですが、ほかのJクラブが1億円で獲得するでしょうか? マリノスが5,000万円のオファーを出し、それが価値に見合っていないと判断すれば、他クラブがそれを上回るオファーを出すはず。マリノスを非情とする報道が散見されますが、5,000万円のオファーは出しているのです。過去で言えば、秋田豊は、レギュラーとして活躍した翌年に鹿島アントラーズから0円提示を受けています」(同)

 Jリーグも2010年シーズン以降は、欧州同様に契約満了の6カ月前からすべてのチームと交渉ができるようになった。つまり、中澤は契約満了前からマリノスはもちろん、より評価してくれる他クラブとも交渉ができたはずだ。中澤にオファーが届いていない現状から考察すると、マリノスの減額提示は妥当といえるだろう。
(文=TV Journal編集部)

2013年から続く停滞ムードを払拭! 鹿島アントラーズの躍進で、17年のサッカー界は「開けた」!?

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第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会 優勝特設サイトより

 2013年(参照記事1)、14年(参照記事2)、15年(参考記事3)と暗い話題が続いたサッカー界だが、昨年はどうだったのか? 振り返ってみたい。

「リオデジャネイロ五輪に出場できるかも微妙」と各サッカーライターに酷評されていた手倉森誠監督率いるU-23日本代表だが、AFC U-23選手権2016兼リオデジャネイロ五輪・アジア地区男子最終予選を見事な戦いぶりで勝ち抜き、見事に出場権を獲得する。その一方で、日本女子代表のなでしこジャパンは、アジア予選でまさかの敗退。選手同士のコミュニケーション不足から不仲が報じられ、スキャンダラスな話題が取り上げられたことで佐々木則夫監督がメディアに苦言を呈する異例の事態に。とはいえ、敗戦は佐々木監督が重用してきたベテランたちの不調が原因だった(参考記事4)。

 なでしこジャパンが敗れた分、サッカー界を盛り上げるためにもリオ五輪でのグループリーグ突破を期待された手倉森ジャパンだが、“死の組”を勝ち抜けず、敗退。

 悪いことは続き、海外組のACミラン・本田圭佑やドルトムント・香川真司がレギュラーから外され、サッカー界の話題がニュースから激減してしまう。海外組の体たらくぶりが負の連鎖となり、ハリルホジッチ監督率いる日本代表のパフォーマンスも一向に上がらず。
9月には、FIFAワールドカップ18年ロシア大会アジア最終予選初戦で、UAEにまさかの敗戦。現在の予選方式となった1998年フランス大会以降、アジア最終予選で初戦が黒星だったチームは、すべて予選敗退に終わっている。続くイラクに辛勝、オーストラリアには引き分けとパッとせず、不人気ぶりに拍車をかける。

 そんなサッカー界の流れが変わったのが、11月。アジア最終予選の大一番となったホームでのサウジアラビア戦に、本田や香川を外すという決断をしたハリル監督。2-1というスコア以上の内容で勝利し、“ハリル解任騒動”は収まった。

 そして、近年の日本サッカー史上最大のブレークとなったのが、FIFAクラブワールドカップ2016での鹿島アントラーズの躍進ぶりだ。昨年、筆者は「クラブワールドカップ決勝で欧州チームとぶつかっていたら、Jクラブではありえないくらいの高視聴率を獲得できた」「チャンピオンシップより、クラブワールドカップを重視すべき」と記したが、まさにその通りの現象が起きた。鹿島は決勝まで勝ち上がり、欧州代表のレアルマドリードと対戦。チャンピオンシップはもちろん、日本代表戦やNHK朝ドラ『とと姉ちゃん』をも抑え、16年視聴率ランキング8位の26.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という驚異の視聴率を叩き出した。クラブワールドカップは毎年行われるため、Jリーグ事務局は出場権獲得に向け、スケジュール調整などのバックアップに死力を尽くすべきだろう。

 13年から続く嫌な流れを払拭した16年のサッカー界。17年も展望が開けている。Jリーグの放映権が、年間40億円から210億円にアップ。これにより、17年のJリーグ優勝チームには、賞金や配分金含めて昨季の4倍となる約21億円が支給される。浦和レッズや鹿島のチーム人件費が約20億円ということを考えると、今季のJリーグを制したチームは過去にないフェーズに突入できる。今季は、サッカーファンならば見逃せない展開になりそうだ。
 
 唯一の懸念事項といえば、ハリル監督率いる日本代表がワールドカップロシア大会出場権を獲得できるかどうか……か。
(文=TV Journal編集部)

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