「両思い」を明かした押切もえの“謝罪”がヘン?「結婚を急ぐ独女キャラ」の着ぐるみ
13日に放送された『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)のテーマは、「謝罪したい相手を実名告白 土下座するほど謝りたいSP」であった。そこに登場したモデルの押切もえ(36)が、先日交際が明らかになった千葉ロッテ・マリーンズの涌井秀章投手(29)と自身のマネージャーに謝罪し、話題になっている。
押切は2月15日に出演したイベントで「両思いの人がいます。幸せです」と明かしたものの、相手が誰かを伏せていた。その発言は事前に打ち合わせしたものではなかったようで、マネージャーは押切の突然の恋愛カミングアウトに「どうしたらいいのかわからなかった」と戸惑ったそうだ。慌ててマネージャーは涌井に電話をし、押切の発言と交際を公にしたいことを報告。涌井は冷静に受け止めていたという。その後、春季キャンプ中だった涌井は取材に訪れたスポーツ記者の交際質問に「真剣に交際しています」と答えていた。
さて、イベント出演時を振り返って押切は「(交際していることを)言いたい、言いたいと思ってた、愛って大事」と、イベント同席者だった新婚で妊娠中の釈由美子が幸せ系の質問ばかり受けているのを見て勢いあまって「両思い幸せ」宣言してしまったことを説明。そのうえで、「涌井さん、そしてスタッフの皆さん、私が浮かれてあんなことになるとも思わず、つい『恋愛してる』と言ってすいませんでした。許してください」と謝罪した。しかし、「あんなことになるとも思わず」というが、交際宣言が涌井やイベントスタッフやマネージャーに、どんな不利益をもたらしたというのか、その部分はちっともよくわからない。ただただ、「浮かれた私は悪かった」と頭を下げる押切には違和感しかない。ひょっとしたら彼女は恋愛禁止の約束でCM出演やモデル契約を結んでいたのだろうか? それとも涌井が恋愛禁止だったのか? 一体なぜ、謝罪しなければならないのだろうか。
業界内の言い分としてはこうだ。
「真剣交際だとしても、公表すれば週刊誌などのメディアが休日に追いかけてきたり、面倒事がある。また、バラエティ出演時に私生活を暴露させられることも増える。だから婚約とか入籍のタイミングまで、あえて交際を公にする必要はないんです。特に押切さんはタレントなので、交際相手によって偏ったイメージがついてしまうことは避けたいし、イメージキャラクターを務めるスポンサーの意向を伺わずにこういった発表をするのは嫌がられますね。また、交際宣言をしたせいで、涌井の過去の女遊びが蒸し返されていますから、涌井としても気分が悪かったのではないか。これでおちおち浮気もできませんしね」(スポーツ紙記者)
真剣に交際しているならば、相手がそれを公表したからといって、咎めることはそうないものである。もしも万が一、「公表されたせいで真剣に付き合わないといけなくなる」「他の女性と遊べなくなってしまう」などと思うような彼氏であれば、ご破算で結構ではないか。涌井はそんな男ではないと確信し、信頼関係があるからこそ押切も交際宣言したのではないか、と思いたいが。
一方で、押切がイベント出演時に「(恋人がいることを)言いたくて」、つい、相手やスタッフの了承を得ずに発言してしまった気持ちもわからないでもない。というのも、20代からモデルとして活躍してきた彼女は、モデル仲間の蛯原友里や山田優が結婚・出産している中、「いまだに独身で寂しい女」の象徴のようにマスコミで扱われることが、ままある。独身は事実だが「寂しい」か否かは思い込みでしかなく、彼女は勝手なイメージで出来た着ぐるみを被せられているようにも見える。貼られているレッテルに、物申したくなったとしても全く不思議はない。
実際、『行列のできる法律相談所』内でも彼女が独身であることを強調するような表現があった。勝ち組、負け組という結婚を起点とした女性の分断は、テレビの世界で特に顕著だ。独身の女性タレントや女性芸人や女性アナウンサーを利用して、「独身女は恋愛や結婚に必死」と決めつけて笑いものにする企画は、あまりに普通のことすぎて、もはやメインにはならない。それくらいあらゆる番組内にちりばめられている。
押切は今回「彼氏とスタッフ」に謝罪したが、むしろ彼女は自らがこうした偏見に晒されていることをもっと怒っても良いのではないか。謝罪すべきはどっちなのか、という話である。
(シュガー乙子)