「渋谷盆踊り大会」にタクシー業界が大激怒!? 周辺地域も“渋滞地獄”に……
「第1回渋谷盆踊り大会」ポスター
8月5日に開催される渋谷駅前の盆踊り大会に、タクシー業界関係者がおカンムリだ。
「第1回渋谷盆踊り大会」と名付けられたこのベントは、7月20日に告知された。渋谷道玄坂商店街振興組合が主催者となり、渋谷駅前を交通規制して盆踊りを行おうというもの。スクランブル交差点西側道路、文化村通り、道玄坂など、主に渋谷駅西側一帯は当日16時30分から22時30分まで通行止めとなる。
普段から、ただでさえ若者や外国人観光客などでごった返す渋谷の駅前。しかも、当日は夏休みど真ん中の週末。どんな混乱が起こるのか、はたまた「渋谷と盆踊り」という組み合わせが“空振り”に終わるのかはわからないが、このイベントにタクシー関係者は困惑の色を隠さない。
「もともと渋谷駅近辺は、都内でも屈指の渋滞ポイントです。国道246号の外苑前~三軒茶屋、明治通りの並木橋~新宿あたりは、年がら年中混んでいる状態。最近は渋谷駅で大規模な改良工事が行われているので、渋滞はさらにひどくなっている印象です。そんな渋谷で、週末の土曜日に広範囲にわたって交通規制をしたら、どういうことになるかは誰でもわかりますよね?」
渋谷駅周辺といえば、サッカーW杯開催時にスクランブル交差点に若者が大挙して押し寄せ、大混乱になった“前科”があるが、これは自然発生的なもの。それに対して盆踊りは、いわば人災だ。あるタクシー運転手は、今回の交通規制を絡めて「歩行者天国」というものの問題点を指摘する。
「盆踊り大会を開催した人は、『自分の街の道路を、自分たちのために使って何が悪い』と思っているのでしょう。けれども渋谷駅近辺を封鎖すれば、やがて近隣の青山が混み、恵比寿が混み、三軒茶屋が混み、どんどん混雑の輪は広がるんです。道路っていうのは血管みたいなもので、1カ所が詰まったら全体に問題が出てくるんです。『あらかじめ告知しておけばOK』と思っているのかもしれませんが、始まってからウン十年もたつ銀座の歩行者天国の周りでは、今でも週末ごとに、普段のルートで目的地にたどり着けない車が右往左往して特殊な車の流れが生まれてしまい、不要な渋滞や事故が発生しています。当日は渋谷近辺が持ち場のタクシー運転手は仕事にならないでしょうし、渋谷に乗り入れる路線バスも大混乱でしょう。緊急車両が通れないほどギチギチに渋滞するかもしれません」
かつて原宿で行われていた歩行者天国では、“竹の子族”や“バンドブーム”などの文化が生まれたが、さまざまな問題により1998年に終了した。時代に逆行する盆踊り大会がどのような結果になるのか、開催者およびタクシー業界関係者ならずとも、要注目となりそうだ。