『バイキング!』高視聴率達成に沸くも…坂上忍、高橋真麻に「おっぱいでっかいねえ」

 昨年は悲惨な低視聴率番組を量産してしまったフジテレビだが、今年に入って多少、盛り返しの兆しを見せているらしい。まず10日にスタートした草なぎ剛主演の新ドラマ『嘘の戦争』の初回視聴率が、関東で11.8%、関西で15.5%を記録(ビデオリサーチ調べ)。昨年10~12月期のフジ連続ドラマ(プライムタイム)は4本だったが、そのいずれも、二桁の視聴率を獲得することさえないまま終了していた。そのことを鑑みれば、非常に幸先の良いスタートだと言えるだろう。

 さらに、1月5日に放送された昼帯の情報番組『バイキング』の平均視聴率が7.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが発表された。同番組は2014年4月にスタート、メインMCの坂上忍と日替わりMC、ゲストタレントらがテーマに沿ってトークしていくゆるい内容で、『笑っていいとも!』の後継番組だ。これまで同番組の最高視聴率は昨年8月26日の6.8%だったが、それを今回更新したという。同時間帯のトップは5年連続で『ひるおび!』(TBS系)が独走中だが、5日の放送は両者タイだったそうである。

 にわかに浮かれムードが漂っているかもしれないフジだが、『バイキング』にはたびたび看過できない場面がある。つい先日、10日の放送でも問題シーンがあった。火曜の日替わりMCは柳原可奈子と高橋真麻だが、番組後半、「20歳の自分へのアドバイス」ランキングを紹介するコーナーの最後で、坂上が高橋の胸元を指さし、脈絡なく「全然関係ないけどさ……おっぱいでっかいねえ」と感心したような口ぶりで発言。それまでまったく女性の胸に関するトークはなく、まさに唐突な発言だった。「はははは」と大きく笑いかわす高橋に「いや目の前で見たことないからさ」と返す坂上。そこで画面はLIONのCMに切り替わった。

 坂上としては「思ったことをそのまま口にしただけ」、あるいはただのコミュニケーションで、悪意は見えない。つまり高橋を傷つけようとか嫌な思いにさせてやろうとかの意図がないということである。ナチュラルな公開セクハラである。ただ、テレビで「おっぱい」について発言することが不適切だ、ということではなく、「おっぱい大きいですね」と女性にきくのもコミュニケーションだ、という誤解を広めるという点で罪深いと考えられるが、そうした意識は坂上にはおそらくない。この場面について「スポーツ報知」がネットニュースを出しているが、そこには「これには高橋も体をくねらせて照れ笑い」とあった。照れ笑いか苦笑か、認識はそれぞれなのだな。

 ちなみにそれこそ「全然関係」ないかもしれないが、その直後に流れた“LIONのCM”は、女子児童の生理痛および生理痛薬について、女性が坂上にグラフを使って説明したうえで商品を紹介し、「女心に鈍感な坂上さん、少しは女心がわかりました?」と言うもの。坂上はかしこまって「(受験の)本番の日にお腹が痛くなったら大変ですもんねえ」「(生理痛で苦しむ女子は)そんなに多いんですか!?」「(娘の生理痛に)気付いているお母さんも、自分が飲んでいる薬はあげられないですよね」等とセリフを言い、小児用生理痛薬の紹介をアシストする内容だ。<女子児童を持つ女親>である視聴者層を狙ったCMである。好んで『バイキング』にチャンネルを合わせる層には有効なCMなのかもしれないが、筆者にはしらじらしい演技が目について仕方がなかった。

(清水美早紀)

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