ないものにされる“高齢者の性欲”に向き合う女性たち『昼、介護職。夜、デリヘル嬢。』

<p> 本書『昼、介護職。夜、デリヘル嬢』(ブックマン社)は、介護職で働きながら夜は風俗嬢として働く女性に、著者の家田荘子が取材したルポだ。</p> <p> 現在、国内の介護職員は、約171万人。要介護者の総数に対して、36万人以上不足しているとされている。その理由として、重労働に対して低賃金であることが言及されているが、それだけではない。なんと、高齢者からのセクハラがあるというのだ。介護業界では“ないもの”とされる高齢者の“性欲”。本書では、それらと真摯に向き合う女性介護職員が多数登場する。<br /> <br />  動けないはずの右手が女性職員の股間めがけて動いたり、声の出せない高齢者が筆談で卑猥な言葉を投げかけてくることがある。自分が性の対象と見られたことにショックを受けて、仕事を辞めてしまう職員があとを絶たない。<br /> </p>

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