ギャル曽根や小倉優子も。炎上より共感のママタレ稼業、「苦労カミングアウト」さじ加減の難しさ
ずいぶん前から飽和状態にあるうえ、今年の芸能界出産大ブームでさらに厳しい局面を迎えているママタレ界。6月22日には森三中・大島美幸(35)が長男を出産しママタレの仲間入りを果たしたほか、今年9月に出産予定でInstagramにマタニティフォトをアップし目下炎上中の、元バドミントン日本代表・潮田玲子(31)、同じく今秋に出産予定の眞鍋かをり(35)などが新規参入を控えている。そんなママタレ界において最近、子育ての苦労を吐露したり、庶民派であることをアピールして一般人の共感を呼ぼうとしているかのような言動が散見される。
◎福田萌、娘の「イヤイヤ期」に疲れ
まずは今年4月に放送された『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系)に出演した際の“学歴自慢”ともとれる発言で炎上騒動となった福田萌(30)。7月22日に「ボンカレー」のwebCM発表会に出席した際、
「娘とのバトルもあって、私が『もういい!』と言ってトイレにこもったこともある。そのときは主人が娘をなだめてくれて助かっています」
「今は“イヤイヤ期”でスーパーに行ったときも『帰りたくない!』と言って、地べたを全部服で掃除して帰るんじゃないかっていうくらい暴れる」
と、苦労が多いイヤイヤ期の子育てについて語った。気のせいか、このイベントでの福田のヘアメイクも疲れが感じさせられる。
学歴自慢騒動では、自身が横浜国立大卒であり、夫のオリエンタルラジオ・中田敦彦(32)も慶応義塾大学卒であることを、「私たち夫婦は、自分の力で学歴を掴み取ってきたという誇りがあります。親が用意してくれた道を歩んだわけではなくて、努力の証明書として学歴がある」と堂々公言したことで「本当に頭の良い人はこんなことは言わない」など大ブーイングとなった福田。
それゆえすでにアンチが大量生産されてしまっているのか、今回の“子育ての苦労吐露”についても、「今さら何を言っても無駄」といったコメントが多いものの、その中で「この手の母親批判もいい加減にしてほしい」と、叩かれすぎの福田に同情を寄せる声や「週一で休むなんて普通のことなのに育児休暇って……」と、中田が週に一度休みをとって子育てに参画したうえでようやく休みを取れる福田の現状を気の毒がるようなコメントが見られた。
福田はイヤイヤ期についてブログでも言及しており、今年5月に更新された記事には、娘がバナナが食べたいと座り込みを始めてしまったため、根負けしてバナナをあげた、というエピソードとともに「イヤイヤ期の前兆みたいな傾向?」と綴られていた。このコメント欄でも「わかる~!」のコメント目白押しで、ファン(というかアメブロ利用者)たちからはすでに強い共感を得ているようだ。しかし一方で「子供の言うがままになるには余りいいとは言えませんよ」など、先輩ママからの手厳しいコメントも寄せられていた。これへのアンサーであるかのように次に更新された記事では「自転車置き場の座り込み、私も反省です」と、座り込みへと至った理由、そしてバナナを食べさせるまでの流れを細かく説明していたが、福田はこうした言い訳をしてしまうことで、せっかく共感を得ていてもかえって『言い訳がましい』と反感を買う可能性もありそうだ。
◎共感系の代表格・ギャル曽根
3歳になる息子がいるギャル曽根(29)は、7月21日放送の同番組に出演した際に放った一言が共感を呼んでいる。この日の放送では大沢ケイミ(22)と共に、元角川書店社長である角川春樹の娘・角川慶子さんの豪邸を訪問したが、ここで豪邸のキッチンに三角コーナーがないことや戸棚の引出しがないことなどを指摘。すると大沢と角川さんに「ダサイ」と反論され「私は所帯染みていて良い」「全国の主婦は私側ですからね!」と自ら“主婦代表”をアピールした。
これには「ギャル曽根側だよ!私は!」「家事するからネイルも辞めたって言ってて凄いなと思った」「一般人の感覚を持ってるし、賢いし、料理も美味しそうだし、彼女が好きだな」など共感を超えて賞賛が多数寄せられた。個人的には、この番組の展開には台本が用意されている空気を感じなくもないし、そのまま受け取る事にも違和感がある。そういえば筆者も子育て初期の授乳のとき、ギャル曽根のブログを見ていたことがある。本人も当時、授乳のタイミングでブログをアップするのが恒例で、思いっきり真夜中だったり、夜明け前のタイミングでの授乳が多かった。筆者は疲れ果てて朦朧とした意識の中でこれを見て「こんな時間に授乳しているのは自分だけじゃなかった……」という安心感を得ていた。この当時のことは辛すぎてもはや記憶がなくなりつつあるが、気持ちも体力もどん底のときに同じ境遇にいる人間がいることを知った時、強烈な共感を生む。
◎完璧ママの地位を手にしたゆうこりんも
2012年に男児を出産した小倉優子(31)は、ここ数年手の込んだセンス抜群の手料理を頻繁にブログにアップし、料理上手な主婦というイメージを強く打ち出している。非の打ち所がなく、もはや“こりん星”のときのような突っ込みどころも皆無となった。
そんな中、6月24日に放送された『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)では「月に1回くらいしか休みがないので。出張も多いのでしょうがないけど、寂しい気持ちになる」と多忙な夫との時間が取れていないことを明かし、視聴者から「すごく寂しそうに見える」など心配の声があがった。小倉はこりん星からやってきた“りんごももか姫”というトンデモ設定から自虐を盛り込み、株やFX投資に意欲的な知能派タレントへとイメージを変え、さらに結婚後はスキル高めな主婦へと変貌を遂げ、料理本を出版するなどいつも時代の空気を読みながら手堅く活動している。今回のこうした発言も、主婦スキルが高いことでアンチが生まれる可能性を見越しての“共感”作戦だった可能性もあるだろう。
こうしたママから共感を呼ぶ系の言動は、出産以前から炎上系タレント素質たっぷりだった小雪(38)も見せている。2012年に第一子となる男児を出産した直後に行われた、映画『ALWAYS 三丁目の夕日’64』ママさん上映会において「最初の1カ月は疲れがひどくて、こんなこと言ったらあれですけど、子供がかわいいと思えなかった」と正直すぎるカミングアウト。これには「なんだか一気に親近感わいたー」「正直で良いと思います」など共感の声が相次いだ。もちろんこの件でも「乳幼児連れのママさん上映会だぜこれ」というように、重箱の隅をつつくようにママタレの言動をウォッチし、アキレス腱となりうる叩きどころを探すアンチもいるが、同時に子育ての苦労を吐露することで、同じ境遇にいる・かつていた女性たちから共感を得るチャンスもあるものなのだ。
炎上系よりも共感系のほうがタレント本人のメンタル的に良いだろうし、CM出演などにも効果的で、実際は叩かれキャラが定着している辻希美や紗栄子だってこちら側に転じたいだろう。しかしこれ、見極めが非常に難しい。共感を得る事で集まったファンも、ポロッと発したひとことで一気に離れていくリスクも大きいからだ。実は福田だって、学歴自慢騒動以前は子育ての苦労を吐露しそこそこの共感を得ていた。今回挙げたママタレの中では、目下、この福田がいちばん子育てに悩みを抱えていそうであり、コメントも真正面から受け止めて思い悩んでいそうな印象を受けたが、公の場での発言やブログでの振る舞いが不器用であるためアンチが増えるおそれもあるのではないだろうか。とかくママタレ界は生きづらい。
■ブログウォッチャー京子/ 1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。