ゾンビ肉の悪夢再び……消費期限切れの肉が化学薬品で華麗に復活!

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期限切れ肉の加工・販売が発覚した、九洲源食品加工廠の羊肉

 2014年、米OSIグループ傘下の上海福喜食品が消費期限切れ肉をマクドナルドなどに供給していたことが露見。さらに翌年には、1970年代に生産された冷凍肉が国内で流通していたことが発覚するなど、「ゾンビ肉」問題が後を絶たない中国。今度は、火鍋によく入れられる羊肉で不祥事が起きた。

「東網」(1月26日付)などによると、黒竜江省ハルビン市の九洲源食品加工廠が、消費期限が1年半以上前に切れた羊肉を加工し、市場に卸していたというのだ。変色した肉に、使用を禁止されている化学薬品や保水剤を加え、あたかも新鮮な肉のように蘇らせてしまう。まさにゾンビ肉だ。

 足がつくことを恐れたためか、九洲源食品加工廠はこのゾンビ肉を、省外の市場に卸していた。吉林省のある市場では、ゾンビ肉を500グラム40元(約640円)で仕入れ、上質肉として販売していたという。

 同社はすでに当局から、商品の回収と操業を停止して製造過程を改善するよう命じられているが、ネットでは「改善? それだけで済む話か」「ほかの国なら工場は閉鎖され、操業の再開はあり得ないだろう」といった厳しい声が相次いでいる。一方で、カモやネズミ、キツネなどを羊肉に偽装する事件も相次いでいることから「消費期限は切れていてもホンモノの羊肉なのだから、優良企業だ!」と、皮肉めいた書き込みも。

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ラベルには、製造年月日が2014年3月13日、消費期限が2015年3月13日と印刷されていた
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見るからに古く変色した肉が、魔法の薬で蘇る

 それにしても、毎度騒がれながら同様の事件がなくならないのはなぜだろうか? 中国と取引のある食品専門商社に勤める日本人男性は、内情をこう明かす。

「当局は、食品工場や保存施設への立ち入り検査を抜き打ちでやることになっていますが、ほとんどの場合は、業者と癒着している職員が立ち入りの日時をあらかじめ教えてくれます。こうした事件が明るみになるのは、そうした官民の癒着がこじれた場合だけ」

 中国で食の安全を求めることは、もはやナンセンスなのかもしれない。
(文=中山介石)

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