優勝は…羽生結弦!? 嵐、三代目JSB、AKB、和田アキ子、紅白歌合戦をレビュー
――女性向けメディアを中心に活躍するエッセイスト・高山真が、サイゾーの記事を斬る。男とは、女とは、そしてメディアとは? 超刺激的カルチャー論。今回は新年スペシャルバージョンでお送りします!
NHK紅白歌合戦公式HPより。
サイゾーはじめ、さまざまなメディアでオンエア前から話題になっていた紅白歌合戦。なんだかんだ言っても国民の4割ほどの人間が見ている番組です。「じゃあ実際のとこ、本番はどうだったのか」ということにふれないわけにはいきません。
底意地の悪いゲイが、同じくらいに底意地の悪いゲイ友たちと一緒に紅白を見ると、どうなるか。それを出演順にたどってみましょう。
先に断っておくと、私は非ジャニオタ。しかし、「だからこそ見えてくるものがある」と自らに言い聞かせ、あえてジャニーズメンバーを中心にレビューしてみたいと思います。
■Sexy Zone/歌唱曲『ニッポン Cha-Cha-Cha チャンピオン』
Sexy Zoneの5人が3人体制になったとき、私は別のサイトで連載しているコラムで、「AKB方式(中日スポーツによる表現)だと、『アイドル』というものを切実に信じているファンの女の子たちは翻弄されるばかりじゃないかしら。ファンの子たちまでもてあそぶようなやり方に胸を痛めるわ」と書いた覚えがあります。今回の紅白では5人そろって、色違いの「平等感」あふれる衣装での出場。「ファンの子たち、よかったね」と、すっかり親戚のオバちゃん(ファンの子たちの親戚ね)の気持ちになって見ていました。
が、戦慄したのは、次の出番だった伍代夏子の応援パフォーマンスに移ってから。ファンの皆さんはご存じなのでしょうが、中島健人、あれは大変な逸材です。ルックスだけの問題ではありません。決して有名な曲とは言えない伍代夏子の歌の、3回あったサビ部分、すべて微妙に歌詞が違うのに、完璧に口ずさみながら踊っていました。
ちなみに、その後、藤あや子や細川たかしの応援パフォーマンスをしていたAKBやNMBグループの誰ひとり、他人の曲の歌詞まで覚える時間がなかったのか、こういうことはしていません。また、トップバッターだった郷ひろみの出番で、歌い出しから視聴者にもわかるようにハッキリと歌詞を口ずさんでいたのは、司会のイノッチ以外では松田聖子と木村拓哉だけです。
80年代までの紅白では、「ほかの人の曲を一緒に口ずさむ」というのは一種の風物詩でしたが、いまそれをやれるのは、聖子や拓哉のような芸能界の怪物(褒め言葉です)だけ…。そう思っていた私ですが、「ジャニーズってのは、こんなに若いうちから『日本の芸能界の、ある種のお約束』を自然に身につける子がいるのか」と目を見張る思いです。