兵士の疲労度はC型肝炎患者レベル!? ドラマ人気で美化される韓国軍に「ちょっと待った!」

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『太陽の末裔』衛星劇場公式サイトより

 最近、韓国で大ヒットしたドラマ『太陽の末裔』(KBS)。同時放送されていた中国でも社会現象になるほどの人気ぶりで、日本でも6月から「衛星劇場」での放送が予定されている。同作ではやたらと軍隊描写が繰り広げられるのだが、それがどうも現実離れしたカッコよさのようで、韓国軍のイメージアップにつながっているそうだ。

 実際、韓国陸軍では、同作を軍のイメージ向上のために積極的に活用しているという。以前から人気のあった軍隊生活体験バラエティ番組『本物のオトコ』(MBC)でも、過酷な訓練を乗り越える芸能人たちの姿が感動的に描かれ、視聴者に好印象を与えていたが、『太陽の末裔』効果でその好感度がさらにアップ。昔から韓国では“女性がもっとも毛嫌いする話題”とされていた軍隊の話だが、ここ最近は女性人気も高いようだ。

 とはいえ、韓国軍の問題は尽きない。政治家や芸能人の兵役逃れ、軍隊内での自殺、銃器乱射事件など、例を挙げればキリがない。先日はソウル大学と看護士官学校研究チームによる調査で、陸軍兵士の疲労度が「C型慢性肝炎患者レベル」だという結果が発表された。調査対象となった軍人の平均年齢は22歳で、その若さを考えると彼らの疲労度はかなり深刻なものだという。「軍隊では規則正しい生活を送るのだから、健康に役立つのでは?」と思う人もいるだろうが、韓国軍隊の生活環境は一般人の想像を超える厳しさのようだ。

 韓国国防研究院(KIDA)の調べによると、軍人たちが最も悩まされているのは“寝不足”だという。軍隊での睡眠時間は22時から6時半までと決まってはいるが、真夜中や明け方の交代勤務もあるため、疲れをため込みやすく、それが昼間の訓練にもいろいろと支障を来すようだ。

 しかも、営舎では仕切りのない大部屋で生活する日々。プライバシーなどまったく存在しないし、プライベートの時間もほとんどない。つまり、心休まる時間もなく、常に気を張っていなければならない状況だ。政府はこのような問題を受けて、全兵士にシングルベッドを支給することを目標に、2003年から「軍営生活館現代化」という試みを進めているが、約6兆8,000億ウォン(約6,800万円)という莫大な税金を費やしたにもかかわらず、いまだに迷走中のようだ。

 寝不足のほかにも、軍人が受けるストレスはさまざまだ。強度な訓練から受けるプレッシャー、社会から断絶されているという孤立感、劣悪な生活環境。さらには、上官からの暴力やパワハラ、セクハラ、レイプ被害まである。というわけで、最近ネットでは「軍隊は人生最大の無駄な時間だった」「入隊はなるべく避けたほうがいい」「ドラマ見て軍隊に憧れるバカはいないよな?」といった男性たちのコメントをよく見かける。メディアで描写される軍隊での生活は“非現実的”だと、苦情も殺到しているようだ。

 そんな男性たちの気もつゆ知らず、女性を中心に軍隊用語やミリタリー柄のファッションがはやっている韓国。これでは、韓国男性による女性嫌悪は、いつまでたってもなくならないと思うのだが……。
(文=S-KOREA<http://s-korea.jp>)

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