商品アピール後回しのau「三太郎シリーズ」は本当にいいCMなのか?

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『深呼吸-Shin・Kokyu-』(集英社)

 2015年のCM好感度ランキング1位を獲得したのは、松田翔太、有村架純、桐谷健太といった若手人気俳優が出演しているauの「三太郎シリーズ」。これまで8年連続で好感度1位を維持してきたソフトバンクの「白戸家」シリーズの牙城をついに崩した。

 しかし、広告業界には「これが本当にいいCMなのか?」といった異論の声も多いという。大手広告代理店社員が語る。

「このシリーズのように、昨今の大手企業のCMは、有名俳優たちの茶番劇を見せられるだけで、何の商品のどんなサービスをアピールしているのかまったく伝わらないものが増えています。堺雅人が鉄腕アトム役を演じるソフトバンクのCM、キムタクが織田信長を演じるドコモのCMも構造はauのCMとまったく同じ。人気の役者に『国民的キャラクター』を演じさせているだけのお手軽な企画ばかり。ソフトバンクに至っては『鉄腕アトム』『セーラームーン』『北斗の拳』『ゴルゴ13』といった名作への冒涜では?との声もあります」

 テレビ業界もマンネリ化とともに衰退していった感があるが、CM業界も同じ道をたどりそうな気配だ。

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