子どもだましでは子どもはだまされない! Eテレ法廷教育ドラマ『昔話法廷』が裁くもの
<p>「もー! 認めなさいよ、このババア!」</p>
<p> 裁判官が「静粛に!」と制止する中、“被害者”の白雪姫は我慢できずに“被告人”の王妃につかみかかった。検察官から、リンゴ嫌いのはずの王妃のパソコンに「おいしい リンゴ」という検索履歴があったことを指摘されたにもかかわらず、王妃が顔色ひとつ変えず「白雪姫と同じものが好きだなんて、わたくしのプライドが許さない。だから、こっそり取り寄せたの」と釈明したことに激高したのだ。</p>
<p>「そんなの言い逃れよ、そのりんごを私に食べさせたのよ!」と。</p>
<p> これは、『昔話法廷』(NHK Eテレ)の一幕である。王妃の白雪姫に対する殺意は明白であり、犯行時刻のアリバイもないとし、「殺人未遂」の罪で裁判にかけられた王妃。対する弁護側は、凶器のリンゴに王妃の指紋はなく、王妃の犯行の根拠である、被害者が聴いたという「王妃の高笑い」も毒で意識が朦朧とした状態で聴いたものため信用性に欠け、証拠不十分で無罪を主張している。</p>