導入前から悲鳴続出! 韓国版「プレミアムフライデー」は残業が増える!?
プレミアムフライデー公式サイトより
月末金曜日の終業時刻を15時に早める「プレミアムフライデー」が今月24日から始まったが、案の定、世間ではあまり盛り上がっていないようだ。
そんな中、お隣韓国でも23日、同様の施策導入案が発表された。
“韓国版プレミアムフライデー”ともいえるこの施策の正式名称は「家族と共に過ごす日」。毎月1回、金曜日の16時に退社し、家族とショッピングや旅行を楽しもうというもの。個人消費を促すことが目的のキャンペーンで、わざわざ“家族”と付けるところにあざとさを感じるが、韓国政府としては日本との差別化を図ったつもりなのかもしれない。
大まかな内容は日本版とあまり変わらなそうだが、韓国版には思わぬ落とし穴があった。それは、“16時退社”のための仕組みである。
例えば、通常18時退社の人は、月曜日から木曜日まで30分ずつ残業し、超過勤務分を積み立て、それを金曜の勤務時間から差し引くといった手法が検討されているのだ。総労働時間は維持しつつ、韓国版プレミアムフライデーを実施しようとした結果、こういう仕組みが考案されてしまったらしい。
この計画は当然のごとく大不評で、SNSでは怒りのコメントが後を絶たない。
「また雑に日本の真似をしようとするな」
「そうでなくても、普段から残業しまくってるよ」
「16時退社なんて誰も望まない。定時に帰らせてくれ」
「次の月曜日が、さらに苦しくなりそう」
「公務員だけが喜ぶ政策ばかり考えやがる」
「お金を使う時間がないんじゃない。お金自体がないんだ」
「給料を上げてくれれば、自然と内需が活性化すると思いますが」
「典型的な机上の空論。この政府は本当にダメだ」
OECD(経済協力開発機構)が発表した2016年雇用動向によれば、就業者1人あたりの年間労働時間は平均1,763時間だが、韓国は2,124時間で、加盟国38カ国中3位となっており、21位(1,729時間)の日本よりも深刻な状況だ。
ちなみに、退勤時間を早めること以外にも、国内旅行の活性化を目し、高速鉄道の運賃を最大50%割引、軽自動車のガソリン税の上限を年間20万ウォン(約2万円)に引き下げるといった計画も打ち出しているが、これで韓国版プレミアムフライデーが定着し、政府の思惑通り消費が喚起されるとは到底思えない。
勇み足で始まってしまった日本と同じ道をたどらないよう、韓国ではまだまだ議論の余地がありそうだ。
(文=S-KOREA)
●参考記事
・月給20万円以下が4割強!韓国サラリーマンの「リアル」と涙ぐましき「防衛策」
(http://s-korea.jp/archives/10271?zo)
・今年も仕事漬けだった!? 韓国サラリーマンが選ぶ2016年の新語・流行語ベスト5
(http://s-korea.jp/archives/12300?zo)