小籔の「女性誌3社と専属モデル契約」が不思議すぎる
21日放送の『ノンストップ!』(フジテレビ系)にてお笑い芸人・小籔千豊(41)が、女性誌『ViVi』(講談社)、『VOCE』(講談社)、『NYLON JAPAN』(カエルム)にて専属モデル契約をしたと発表した。小籔は自身のInstagramにも、以下のコメントを載せている。
「まさかのカズニョロが専属モデルになれたよ しかも3誌の!! 泣いてもイイですかっ ポピ泣きだぉ ナイロンさんと ボーチェさんと ビビさんだょ 専属モデル目指してはや20年 これからは職業の欄にモデルって書くよ#nylonjapan#voce#vivi#専属モデル#史上初3誌同時専属モデル#史上初ブサイクモデル#史上初顔長モデル#みんな又吉の史上初には尊敬の眼差し#みんな俺の史上初には半笑い#ナイロンボーチェビビ来月から出るから買ってねー#ポピポピ#また人生ってわからんもんやねとかいいながらランチしよー#myidol#今さらマイアイドル#モデルになれたよハッピーダンス#ポピポピの舞#完全にインスタと協力してくれたモデルさんタレントさん芸人さんと寛大な雑誌さんたちとフォロワーさんと先祖のおかげ」
23日に発売された『ViVi』では、モデルの私服やオフショットなどのプライベートを公開する企画にて「超大型新人“専属モデル”カズニョロ」として登場し、ViViモデルになった感想などのQ&Aやバッグの中身を披露。『VOCE』(講談社)では、次号から始まる最新美容連載コラム「ポピポピBeauty」の告知コメントを掲載、28日発売の『NYLON JAPAN』9月号では、「WORLD KAWAII」というスナップ写真ページに登場する予定だ。各紙編集長は、小籔を起用した理由について以下のようにコメントしている。
「Instagramが面白すぎると誌面で紹介したことからのご縁。小籔さんは女子力が高く、意識高い系(笑)。個性溢れるViVi専属モデルズの一員になりえると思いました。読者の美意識を刺激していただきたいと期待しています(『ViVi』)」
「世界のカズニョロ氏に、“専属”になっていただけて光栄です。ビューティアイコンとして盛り上げます(『VOCE』)」
「いま流行のノージェンダー、性を感じさせないというか、小籔さんが女性以上に女性を見てるなってところが気になっていてオファーしました。モデルとしての素質はすごくあると思います(『NYLON JAPAN』)」
“専属モデル”とは、「専属」という言葉を使用しているとはいえ、他誌に出演できない等の縛りは契約内容によって異なるため、契約によっては同時に3誌の専属モデルを受け持つことは可能。しかし、女性向けのファッションやビューティ企画をメインにした雑誌と、小籔のどこに親和性があるのだろうか?
messyでも既報の通り、小籔は以前より繰り返し「美魔女批判」を提言している。中でも『SAIPO』(小学館)4月号では、『ただキレイな人を持ち上げるようなテレビを見せられても、少ない給料の中でやりくりして子育てしてる若いお母さんは、メイクもできんし、エステにも通えず、服買うこともなかなかできん。なのに、自分より年いったオバハンがキレイにしてイキってるのを見たら、ストレスがたまる一方でかわいそう』『美魔女もええけど、キレイじゃなくても素敵なオバハンはいくらでもいる。なのに、キレイなだけで褒めるのは、もうヤメにした方がええちゃうんかな。それがひいては日本のためになるということにそろそろ気づくべき。女の人が美だの恋だのに脳の過半数が奪われている国家というのは未来がないと思います』と、美魔女を賛美するテレビや出版社への苦言ともとれる発言が話題となった。
3誌のメイン読者は比較的若年層ではあるが、『VOCE』9月号には「即席ビジンのつくりかた―40歳、いまそこにある危機―」という39歳の女性漫画家による美容針レポートが掲載されている。小籔の主張を拝借すれば、美容針に行けない40代女性は「かわいそう」ではないのだろうか。
そもそも、これらの雑誌は「キレイになりたい」「可愛くなりたい」「オシャレしたい」という気持ちがないと購入しない。となると根本的に小籔の理念に反しているようにも見える。何より、そんな小籔を「ビューティアイコンとして盛り上げます」「読者の美意識を刺激していただきたい」と専属モデルとして起用した出版社の意図がわからない。
果たして小籔は、女性誌という舞台で「着飾った女性への不快感」をどう表現し、どんな美やファッションを発信していくのだろうか。というか、どれだけの人が小籔のことを「意識高い系のビューティアイコン」と認識しているのだろうか。少なくとも筆者は初耳だった。
(夏木バリ)