嵐・二宮「アカデミー賞」受賞も波紋!“SMAP辞退”に露呈した「賞レース受賞者」の掟

 3月4日に「第39回日本アカデミー賞」の授賞式が行われ、嵐・二宮和也が最優秀主演男優賞に輝いた。昨年、映画『永遠の0』で同賞を受賞したV6・岡田准一に続き、ジャニーズタレントが2年連続受賞。今回はHey!Say!JUMP・山田涼介も新人俳優賞を受賞するなどジャニーズ勢は大活躍だったが、かつて賞レースへの参加に後ろ向きだったジャニーズの連続受賞に加え、二宮のスピーチが波紋を呼んでいる。

 昨年12月公開の映画『母と暮せば』での演技が評価された二宮。受賞後のスピーチでは、昨年の岡田の姿を見て「俺もほしいな」と、悔しい気持ちになったことを振り返りながら、「ジャニーさん、メリーさん、ジュリーさんとずっと迷惑をかけてきた人たちに、これでちょっとは恩返しできたかなと思うと、とてもありがたく、また頑張っていこうと思っています」などと、あいさつ。事務所の代表であるジャニー喜多川社長に続き、メリー喜多川副社長&藤島ジュリー景子副社長の名前を真っ先に出す一方で、作品関係者への言葉がなかったことが物議を醸している。

 日本テレビ系で放送されたアカデミー賞の模様では、前述の発言はカットされたが、ニュースサイトなどではスピーチ全文が記事化され、今回の受賞に関して「出来レース。事務所の力でしょ?」「監督や共演者に感謝じゃなく、事務所に感謝ってあたりにどうやって賞を取ったか表れてる」「事務所から“言わされてる感”ハンパない」など、ネット上でさまざまな反応が上がった。

 アカデミー賞といえば、2006年度には映画『武士の一分』のときに、SMAP・木村拓哉が優秀主演男優賞を辞退。その後、昨年に岡田が受賞するまで、ジャニーズ事務所は同賞に対し距離を置いたスタンスをとっていた。

「木村の辞退は大きなニュースとなりましたが、ジャニーズ事務所は日本レコード大賞など賞レースには十数年前から参加していないことを説明した上で、『映画はあくまで監督のものでおこがましいです』『ホテルで一般の人から入場料を取っての発表会というのもウチに合わない』と、暗に“アカデミー賞批判”ともとれるコメントを出していました。また、同年度は『第49回ブルーリボン賞』でも、主演男優賞に木村と岡田がノミネートされましたが、『お世話になった俳優との争いもさることながら、同じ事務所内のタレント同士で賞を争うのは本意ではない。日本国内の賞レースには今後も参加する可能性は極めて低い』と、明言していたのですが、いつからか、その言葉はなかったことにされたようですね」(ジャニーズに詳しい記者)

 10年度の「第53回ブルーリボン賞」では、俳優・生田斗真がジャニーズから初めて新人賞を受賞。アカデミー賞も、昨年に岡田がノミネートされた際には、「岡田はこれまで弊社最多の20本の映画に出させていただいており、映画に育てていただいた俳優といっても過言ではございません。当日(2月27日)の調整もつきましたので、受賞させていただきます」と、木村のときとは打って変わり、事務所サイドは受賞に前向きな姿勢を示していた。

 ジャニーズと賞レースの関わりを振り返ると、映画だけではなく日本レコード大賞にも、長らく不参加の時代が続いた。1987年の授賞式直前、近藤真彦の母親の遺骨が何者かに盗まれ、「レコード大賞を辞退しろ」などと書かれた脅迫状が事務所側に送付されるという事件が発生。また、一部スポーツ紙の報道によれば、90年には「お祭り忍者」でデビューした忍者が「希望の演歌・歌謡曲部門ではなく、ロック・ポップス部門にノミネートされたことを不服として辞退」したという例も。しかし、それから20年たった10年の「第52回日本レコード大賞」では、近藤が「心 ざんばら」で最優秀歌唱賞を受賞している。

「レコ大は03年にもSMAPの『世界に一つだけの花』が大賞の最有力候補と言われていましたが、当時のジャニーズは賞レースから完全撤退していたことや、歌詞の『ナンバーワンにならなくていい』という世界観と合わないという理由から、同賞を辞退したとされています。結局、個々でもグループでもSMAPはアカデミー賞やレコ大にノミネートされても『辞退』するしかなく、それらを受賞できるのはメリー・ジュリー副社長の“お気に入りのタレント”のみという構図が、今回あらためて露呈してしまいました」(同)

 今回は日本アカデミー賞で3部門の受賞に輝いたジャニーズ勢だが、「賞レースは参加しない」「ウチには合わない」としていた姿勢は撤回し、今後は積極的に関わっていくのだろうか。また、メリー&ジュリー副社長の名前を挙げた二宮の“本意”を聞けるときは来るのだろうか?

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