枯れも渋みもナシ!? 福山雅治のくたびれ具合が実に残念…

 4月11日に放送された、福山雅治(47)主演の月9ドラマ『ラヴソング』(フジテレビ)の初回視聴率が、10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったと発表された。裏番組のバラエティやニュース番組に差をつけられての大敗である。視聴率がドラマ作品のすべてではないが、同番組はフジドラマの看板であること、“あの”福山雅治の恋愛モノであること、大掛かりな前宣伝をしていたにもかかわらずの惨敗であることなどから、話題となっている。特に第一話は期待を込めてチャンネルを合わせる視聴者が多く、第二話以降でガクッと数字が下がるケースが通例であるため、早くも次週は一桁台に転落してしまうかもしれない。

 そもそも放送前から、「今さら福山で恋愛モノなんて」とうんざりした反応が多い印象があった。さらにオーディションでヒロインに決まった新人・藤原さくら(20)は、福山と同じ芸能事務所・アミューズ所属のタレントであり、主題歌も彼女が歌う(作詞作曲は福山)。“藤原さくら”という名に“月9女優”の箔をつけるためだけに用意されたアミューズによるアミューズのためのドラマではないか、と批判も浴びていた。そんなゴリ押し新人・藤原と、すっかりおじさん感漂う福山の、実に27歳差のラブストーリーというから、引かれるのも当然か。

 だがテレビ関係者は「バーターとはいえ、藤原さくらの演技は悪くない」と高評価。

「吃音症の自動車整備士で、周囲とうまくコミュニケーションをとれない役柄。朴訥な雰囲気がよく出ていて、ガサツなのに繊細という心の動きもちゃんと表現できている。幼馴染み役はベテランの夏帆と演技力に定評ある菅田将暉で、三人の掛け合いはとても自然です。藤原は職場では無口で貼り付けたような笑顔を見せるのみだが、夏帆とシェアする自宅ではクルクル表情が変わり、当初『似ている』と言われた石原さとみにも見えるし、かと思えば若い頃の永作博美を彷彿させるところもあり魅力的」(テレビ関係者)

 黒髪の童顔少女で素朴な印象を与える見た目だが、オフロードバイクに乗り、道端に唾を吐き捨てまくり、常に薄汚れた作業着姿のヘビースモーカーという設定は、これまでの月9ヒロイン像を裏切る新しい試みかもしれない。しかし、彼女の勤務先にやって来る企業カウンセラー役の福山にあっさり惚れる展開はいかにもで、福山が「昔愛した女性の死で自暴自棄になっているイケメン」設定なのもありきたりでつまらない。また、前述の「新しいヒロイン像」にしても、労働者に底辺的な記号付けをしすぎではないだろうか。

 そんな藤原への高評価と正反対に、福山には手厳しい意見が。

「もっとも驚いたのは、数年前まで福山から放たれていたはずの“イケメンオーラ”がまるでなくなっていたことです。ドラマ冒頭は福山のベッドシーンからでしたが、やはり男性もアラフィフとなると、あからさまに老ける。首~胸のラインがたるんで、年齢がよく表れていました。20歳のヒロインが憧れたり惚れたりする要素が全然わからず、共感は呼びづらいんじゃないか」(前同)

 年齢不詳と崇められてきた福山だが、確かに同ドラマでは、ほどよい「枯れ」も「渋み」もなく、ただくたびれている。だが、ひどくくたびれて見えるのも、<そういう役>なのだと思えば納得はいくが。

 宣伝段階では、元プロミュージシャン(福山)が、奇跡の歌声を持つダイヤの原石(藤原)と織り成すキラキラ素敵な業界シンデレラストーリーを思わせていたが、第一話を終えてみると、浮世離れ感もあるものの、地味で泥臭い展開が用意されているかもしれない。

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