紅白落選を本気で悔しがる【和田アキ子】の健勝を祈る! 「アッコさ~ん アッコさ~ん すきすき~」

1701_nishikokubunji_200.jpg

 二十歳そこそこのAKB48の娘たちが「世代交代のため」と言ってグループを卒業する一方、『NHK紅白歌合戦』に30回、40回と、さんざん出たおしたあげく「世代交代」などと言って「紅白卒業」を宣言する演歌の大御所たち。この対比を見ていると「世代交代ってなにかね?」という気持ちになってくる。

 大御所たちのいう「次世代」とは、どのへんの人たちを指すのだろうか? 今さら小金沢昇司とか言われても、我々としては困るわけである。

 そもそも、紅白の出場回数に制限がないからこういうことになるのだ。かの「ベストジーニスト賞」ですら、5年連続で受賞した際には「殿堂入り」となり審査対象から外されるのである。しかも、2013年からは3年連続に規定が変更されているというではないか。なんという新陳代謝! これぞ世代交代!!

 ただ、この表記も今回で最後になるだろうから敢えて使うが、SMAPの木村拓哉とか草彅剛とか、あらかたメインどころが殿堂入りしてからというもの、受賞者の選出に若干のブレが生じてきたことは否めない。「えっ、そんなにジーパンはいてたっけ?」という印象の人もさることながら、15年の協議会選出部門の藤岡弘、に至っては、ジーパンというより革パンでしょうよ! という話である。

 そう考えると、やはり大御所の人たちが常にいて、きちんと“重み”を重ねていくことは大切である。まあ、そうはいっても今回の紅白は、卒業や落選やらで大御所たちは軒並み出演しないのだが。

 そんななか、今回の紅白に対する和田アキ子の姿勢は、非常にカッコいいものであった。

 出演者発表前の11月19日の時点では、ラジオの生放送(ニッポン放送『ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回』)で、「紅白出場がまだ決まってないのよ。早く決まってほしいんだけど」と出演への意欲をアピール。しかしその後、落選が決まると素直に「悔しい」とコメントし、落選の報告を受けてからは「毎日泣いていた」ことを告白。最終的には「今年の紅白は見たくない」とまで言い放ったのだ。

“紅白出場”ということにどこまでストイックなんだろうか、彼女は。これまで、受信料を払わずに紅白を見ていた自分が恥ずかしいとすら思えてくる。

 もちろん、北島三郎や森進一のように「卒業」を宣言して「自ら身をひく」というのもひとつの美学である。一方で板の上に立つ人間たるもの、世間から求められなくなるまで続けるという美学も存在する。今回のアッコの場合は、紅白限定ではあるが、まさにその「求められなくなった」という事実を突きつけられたわけだ。何かとネットニュースでは叩かれがちなアッコだが、その紅白に対するストイックな姿を見て、好感を抱いた人もいるのではないだろうか。その証拠に「アッコ、紅白落選」の報は、もはや「ヒラリー落選」ぐらいの勢いでネット中に飛び交っていたのだから。

 とにかく、大みそかのアッコの予定が急きょ空いたことで、この後いろいろな大人たちが急速に動き回る気配がしてならない。

 例えば紅白の真裏、AbemaTVで「どしゃぶりの雨の中で」を熱唱するアッコ。

 内田裕也からのオファーでニューイヤーズワールドロックフェスティバルに出演し、「ジョニー・B・グッド」を熱唱するアッコ。

『ものまね紅白歌合戦』のご本人登場に出演し、司会の「アッコさん、何やってんすか!?」の問いに「本物の紅白落とされたから、こっち出てやったよ」とおどけるアッコ。

 ちょっと想像しただけで、色々なアッコの活躍が目に浮かぶ。偏見で申し訳ないが、細川たかしでは、こうはいかないだろう。

 とにかく、年の瀬にこんなうだつのあがらない中年男のコラムを読んでくれている読者の方々の来年の健勝よりも、アッコが充実した大みそかを過ごし、来年の励みにしてくれることを切に願う私なのである。

 ああ、でも、今年の紅白の視聴率次第では、来年はあっさり大御所たちを呼び戻し、見事40回目の紅白出場を果たしたアッコが、涙ながらに「あの鐘を鳴らすのはあなた」を熱唱したりするんだろうな。「紅白最高!」とか言いながら、親指立てるお得意のポーズで。

 最後に、紅白の中盤くらいでありそうな応援コメント風に締めてみたいと思います。

「紅白落選の報に涙した、アッコの瞳は赤かった(紅勝った)」

 バンザ~イ!

西国分寺哀(にしこくぶんじ・あい)
和田アキ子のモノマネをしていた吉村明宏の動向も気になる40代会社員。モノマネの際の「ハ~ヒフ~ヘホ~!」は、今やバイキンマンのものになっていることに納得がいかない。

コメントは停止中です。

サブコンテンツ

このページの先頭へ