美咲かんなエッセイ:ふしだらな気持ち「言霊と相棒」
盆が過ぎ、テレビの天気予報では毎日厳しい残暑だという話をよく耳にするようになった。ここ10年くらいは暑い時期が長引く印象が強く、盆の前後に立秋といわれてもピンとこない。残暑というのは建前で、まだまだ夏本番という気分だ。体感では10月くらいの暑さこそ残暑というイメージではないか。言葉というのは不思議なもので、時代や背景とともに変化していく。「雰囲気」を「ふいんき」と読んだり「ら抜き言葉」を常用したり、国語のテストの解答であれば不正解とされるような表現でも、会話の上では柔らかさや親しみを表すのに都合がいい場合もある。