連ドラ11年ぶり出演もやっぱりショーケン暴走で新人俳優が降板!?

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春日太一著の『あかんやつら』にも詳しい東映京都撮影所。通称、太秦。

 俳優のショーケンこと萩原健一が、来年1月からスタートするNHK BSプレミアムの連続ドラマ『鴨川食堂』に出演することが発表されたのが今年9月。ショーケンにとっては、テレビドラマの出演自体が11年ぶり。NHKドラマだと、02年の大河ドラマ『利家とまつ』に出演して以来、実に14年ぶりとなった。

 そのほかのキャストには、連ドラ初主演となる忽那汐里ほか、岩下志麻や吉沢悠など、民放のドラマとは、一味違ったラインナップだと一部で話題になった。

 しかし、この発表を見るにつけ、芸能関係者の間からは「本当に大丈夫か?」と囁かれていた。というのも、ショーケンといえば、芸能界の問題児としても有名な人物。1970年代に爆発的な人気を誇り、その後も国内の映画賞で俳優賞を受賞する一方で、83年に大麻取締法違反で逮捕されたり、その後も交通事故を起こして業務上過失致傷罪や、恐喝未遂事件で逮捕されるなどしてきた。結果、彼をドラマや映画に起用しても、何かしら事件や事故が起こり、撮影スケジュールはめちゃくちゃに。また、それでなくても共演者と揉めごとを起こすなどし、彼との共演を拒否する芸能事務所もあるという。ある芸能記者は語る。

「彼を煙たがるタレントは多く、その逸話はいたるところから聞こえてきます。面白い話だと、ある時、石原プロの俳優たちが、京都にある東映の撮影所(通称:太秦)で休憩を取ろうとしたところ、テーブルがめちゃくちゃに荒らされていた。それを目にした渡哲也さんが『一体何ごとなんだ?』と、職員に聞くと、別の撮影で来ていたショーケンがやったと話した。渡さんはそれを聞いて『あいつを探せ!』とものすごい声で怒鳴り、近くにある喫煙所でタバコを吸っていたショーケンはそれを聞いて、撮影をほったらかして撮影所から逃げ出したそうです(笑)」

 と、このようなショーケン伝説【1】は数知れず、今では、ほとんど業界から干されている状態。単発の仕事ならともかく、長くスケジュールを押さえるドラマや映画の撮影に、彼を起用する制作者さえも「どうかしてる」と言われる始末だ。本人も、妻とシンガポールに居を構え、お声がかかった時にだけ帰国しているのだという。

 そして今回、そうした関係者の心配が、現実のものとなっているようだ。

「『鴨川食堂』は京都にある食堂が舞台。撮影も太秦でしています。当然、京都弁での会話が必須なのですが、関東出身のショーケンにはそのイントネーションが難しくて、うまくしゃべれないそう。それにショーケンが苛立っていて、なかなか撮影が進まず、関係者は手を焼いているようです。結果、制作サイドが押さえていた太秦のスケジュールがいっぱいになり、ロケは京都でやりながら、セットの撮影は、東京の撮影所での延長となっています」(芸能関係者)

 また、ほかの出演者にも相当当たり散らしている様子だ。内情を知るドラマ制作関係者の話。

「ヒロインを務める映画『海難1890』が公開中の忽那は、NHKですが初の連ドラ主演ということで、意気込んで撮影に臨んでいました。ところが、ショーケンから厳しい“演技指導”が相次ぎ、相当疲弊しているそうです。映画の舞台あいさつなどで忙しい時期ですが、撮影がずれ込んだため、東京と京都を行ったり来たりするはめになっているようです。

 また、忽那と同じ事務所のアイドルグループ、X21のメンバーも何人か出演が決まっていて、すでにショーケンとの顔合わせも済んでるそうですが、12月頭の時点でまだ撮影していないそう。1月からのドラマなのに……」

 ある意味、期待にたがわぬ活躍を見せているようだが、その“活躍”ぶりはさまざまなところに影響を及ぼしている。

「まず、撮影日程が延長になり、京都から東京へスタジオも移ったので、制作費が膨大にかさんでいます。製作会社が『もしかしたら、うちがかぶらされるんじゃ……』と戦々恐々としてますよ。

 それからもっとかわいそうなのが、第1話のメインゲストだったという某大手芸能プロの新人俳優です。撮影スケジュール延長の結果、自身の仕事の調整が合わずに出演を断念することになったそう。彼が撮影していた部分はほかの役者で撮り直しており、それもあってさらに撮影が難航しているようです。そうした結果、1月から開始のドラマなのに、いまだにウェブサイトが公開されていません。なにせ、配役が変わるかもしれないですからね」(前出の芸能関係者)

 タレントが不祥事を起こしたことでドラマが再撮になることは、まったく無いことではない。ただ今回の件は、タレント本人に落ち度はなく、さぞや、無念だろう。

「彼も、NHKドラマのチョイ役などで、結果を積み重ねているところだっただけに、相当無念でしょうね。通常、民放ならば他局同士で連携を取り合って、ある程度タレントさんのスケジュールに調整を効かせます。例えば、今クールのジャニーズタレントなら、どこの局は、どのユニットの誰を使う……みたいな情報をやり取りしますよね。その分、バーター出演など政治的なやり取りが行われたりするのですが、NHKは基本的に他局との政治を気にせずキャスティングをする。逆に、例えば大河に出るならその間は他局のドラマに出るな、という縛りをつけたりさえしますからね。

 ただ、そもそもショーケンは過去の人。うちではまずキャスティングの話題に上がりませんよ」(前出・ドラマ制作関係者)

 ともあれ、ショーケンを使えば、何か不測の事態が起こってしまうことは、想像に難くないはず。一体なぜそのような無茶なキャスティングをしたのだろうか?

「今回、制作陣にチーフ演出として元NHKの佐藤幹夫氏が入っています。また脚本は、同じくNHKで『坂の上の雲』の脚本監修などを手がけた池端俊策氏。一部では、彼がくすぶってる昔なじみのショーケンを復活させようとして、企画を立てたという話もありますが、実際は違うようです。

 彼らは、同局制作のドラマで実績のある人間ですが、さすがに最近はNHKを離れて、その影響力は低下している。このご時世、なかなか企画も通らなくなっているそう。そこで、昔から懇意にしているショーケンを起用し、話題性を狙うことで、なんとか企画を通したようです。実際、企画がきまった当初には、いけると周囲に漏らしていたそうです」(前出の芸能関係者)

 こうなってくると、もしかして悪いのはNHKのOBと、それを許した同局なのでは……? という気もしてくる。どちらにしても、内情がこうも荒れていては、作品にはあまり期待が持てない。彼らの裏で苦汁をなめされられた新人俳優や制作会社、スタッフたちの苦労がしのばれる、“傷だらけ”の作品になってしまいそうだ。

【1】ショーケン伝説
今回聞いた話の中で、もうひとつ面白いものがあったので紹介しよう。俳優の佐藤浩市がまだ若手の頃、東京の東映撮影所で主演ドラマの収録をしていた。そこへ、別のスタジオで収録をしていたショーケンが現れ、カメラが回っている時に「親父(三國連太郎)に似て、下手くそだなぁ!」と大声で叫んで帰ったそう。もちろん、撮り直しでスタッフに戦慄が走ったが、佐藤が冷静に「皆さん落ち着いて。撮り直しましょう!」と笑顔で言ったらしい。佐藤の大人っぷりと、ショーケンのダメっぷりが垣間見えるエピソードだ。こうした話は枚挙にいとまがない。

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