週1ホストを始めたビッグダディ「女性の体は知り尽くしてる。枕営業にも応じる」発言にみる男の勘違い
大家族番組『痛快!ビッグダディ』(テレビ朝日系)によってテレビタレント化し、番組終了後も不定期にタレント活動をしている“ビッグダディ”こと林下清志(50)が、新宿歌舞伎町のホストクラブ「歌舞伎町CLUB A.C.T」で働き始めたという。出勤は毎週火曜日の夜のみの予定となっている。
週1回のホスト出勤でどれだけの稼ぎを得られるのかはわからないが、林下は現在、浅草の露天クイックマッサージ、台東区の民間療法リラクゼーションサロン、六本木のストレスケアサロンの三箇所を掛け持ちで働いており、地方で生活する高校生の子供たちに一カ月総額40万円の仕送りをしているそうだ。
子だくさんのシングルファザーとしてテレビ出演を果たし、最大で連れ子を含め20人の子供の父親だった林下だが、現在は東京で長男と二人暮らし。長女、次男はすでに独立し、三男と四男は福岡。次女と三女は奄美大島におり、四女は元妻の下へ。長く共に暮らして世話をしてきた子供たちの手がかからなくなり、一抹の寂しさを覚えている様子をブログに綴っている。この新しい仕事への挑戦は、金策である一方、その寂しさを埋めるためでもあるのか。
ホストでも何でも、やりたい仕事をやれば良いと思うが、しかしスポーツ紙の取材に応えた林下の「枕営業も喜んでする」といった言葉には首をひねった。林下はセラピストを自称しており、「性生活に不満を持つ女性客の求めには喜んで応じる覚悟」でホストの仕事をするつもりだという。
林下は「恋愛感情なく“セラピスト”としてセックスをしたことが3回ある。俺とやってみたいという要望があれば、セラピストとしてのセックスはできる」と発言。自身が柔道整復師の資格を有し、整骨院を開業していた経験から「人体の構造を知り尽くしている」と言い、「女性の膣には筋肉があって、感じさせるには理屈があるし、女性は理性のスイッチを外すと乱れる。セラピストに上半身も下半身もない」と語っている。
これには、「これはセックスではなくてあくまで治療ですから、ってやるのかな。一般のセラピストに迷惑」「他のマッサージ師に失礼」「そういうこと言うと整骨院も下心あってしてたのかと思っちゃう」「マッサージ業界人として言わせていただきます。こんな人がいるから迷惑!男性セラピストがみんなこんな目で見られる」と、ネット上で非難轟々である。さらに、「女のセックスなめんな」「セラピストとしての肉体関係っておかしい」「この人にとってセックスは軽いものなんだな」といった方向性の批判も殺到し、「気持ち悪い!!」の大合唱だ。
林下は、美奈子との離婚後にリリースした著書で「妊娠する可能性を100%否定したセックスには興味がない」「コンドームをつけたことは人生で一度きり」と明かし、週刊誌インタビューでも自らのセックス観や美奈子との性生活を生々しく語っていた。「自分以上に美奈を身も心もメンテナンスできる男はいない」「(美奈がキレイになった)一番の秘訣はセックス」「俺のセックスは完全な奉仕型」「前戯では女性の求めているポイントを集中的に責めるセラピスト的なアプローチで、女性が行為に没頭できるよう仕向けていく」と実に饒舌。よほど自信があるのだろう。
しかし数多の批判コメントにあるように、「女のセックスなめんな」である。筋肉や骨格についていくら理解していても、性感は女が100人いれば100通り違う。婦人科医師は誰も彼も、女性の肉体的快感を熟知していて、どんな女性も性的に満足させられるというのだろうか? また、濡れているから悦んでいる、という解釈も間違いだ。イヤよイヤよも好きのうち、と言うが、イヤなものはイヤなのだ。目の前にいる女性の実際を見ずに理屈で攻めようとする男のダメな部分を、林下の発言は露呈している。そもそも「女性の理性を飛ばしてめちゃくちゃに気持ちよくしてあげたい」とは一見、相手を思いやっているようでいて、征服欲の表れともとれる。「どうだ、いいだろう」と言いたい男たちはつまり、「良くしてやっているオレ」に酔いたいだけなのである。
(清水美早紀)