IVANのカミングアウトに「お腹いっぱい」食傷気味の不幸自慢大会
タレントでモデルのIVAN(31)が、17日放送の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)に出演した際、かつてホームレスだった過去を告白した。
18歳でメンズモデルとしてデビューしたIVANは活躍の場を順調に拡げ、3年後にはパリコレへの進出を果たす。しかしその後、21歳のときに4カ月ほどホームレス生活を行っていたという。本人によれば、こうなる根底には“みんなと同じ人生はいやだと思っていた。個性的であろうと”思う気持ちがあったという。パリコレまでのぼりつめて音楽活動を始め、当時の所属事務所に断りなく、勝手に事務所を移籍したことから寮を追い出されてしまったことがホームレスへと至るキッカケだった。浅草でホームレスの男性たちに「弟子入りさせてください!」と頼み込み、仲間に入れてもらったという。
そんなIVANの衝撃のカミングアウトには「よく持ち直したね」という声もあるが「不幸自慢はお腹いっぱい」「自分で選んでホームレスになって(友達捨てて)4カ月でギブアップで友達にsos 、こういう頭弱い男って嫌い」という声も多い。芸能人による“不幸な過去エピソード”にはすでにお茶の間も食傷気味であるようだ。実際、ホームレス生活や車上生活、苦労した幼少期を明かした事のある芸能人は他にも多数いる。
◎辛酸舐めまくりの皆さん
タレントで映画コメンテーターのLiLiCo(44)はかつて所属事務所が差し押さえにあった影響で、5年ほど車上生活をしていたというのが有名な話だ。お笑いコンビ麒麟の田村裕(35)は中学生時代にホームレス生活だったことを『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)で暴露し、これがきっかけで書籍『ホームレス中学生』(ワニブックス)が2007年に出版されてヒットした。これによると田村は小学生時代に母親を亡くし、その後父親が癌になった影響で会社をリストラされ、家族は離散。その後、近くの公園で暮らし、友人や親戚に助けられたという。
俳優の高岡奏輔(33)はかつて高岡蒼甫名義だった頃のブログで「甘ったれてた16歳で、ホームレスを経験して、完全になめきってた世の中に鼻をへし折られた」とホームレス生活経験をさらりとカミングアウト。その後綴った自伝『はじめまして、こんにちは。』(SDP)で、親の離婚の影響で住む家をなくし野宿生活をしていたことを明かしている。同じく俳優の風間トオル(53)はこれまでテレビ番組などで幼少期の極貧生活をたびたび語っているが、それによると幼少期に両親が離婚し、父親と一緒にその祖父母の家に身を寄せたが、そのうち父親が失踪。祖父母により育てられた。このとき働き手がいなくなったことから極貧となり、河原で草や虫を食べたり多摩川の水を飲んだりしていたという。その後祖父は認知症となり介護も経験している。また同じ俳優の成宮寛貴(32)も、幼い頃両親が離婚し母子家庭で育っていたが母親も他界。高校に行かずゲイバーで働きながら弟を大学まで行かせたというエピソードが美談として知られている。
元いいとも青年隊だった俳優の岸田健作(36)もブレイク後に芸能界を一度去り、ホームレス生活を送っていた。岸田はIVANと同じく、一度華やかな世界で活躍した後の転落であり、抵抗は大きかったであろう。「アルバイト経験がなかったのでやり方もわかんなかった」ため、と後にインタビューで語っている。
幼少期の貧困や親との不仲は自分が選んでそうなったわけではないため、IVANや岸田の事例とは異なるが、いずれにしてもこうした貧困エピソードは、カミングアウトするタイミングや方法により受け止められ方が大きく異なってくる。田村のように当初はお笑いとして公にする、LiLiCoのように芸能界で居場所を確立してから、また好感度もある中で話すというのであれば同情と驚きをもって迎えられるが、そうではない場合は、話題作りを狙っていると揶揄されたり、鬱陶しがられかねない。路上生活は誰にとってもつらい経験であるだろうが、IVANの場合はカミングアウトで却って潜在的なアンチもあぶりだされる結果になってしまったようだ。
(ブログウォッチャー京子)