Jリーグ開幕戦でDAZNがトラブル連発! それでも「スカパー!より好印象」のワケ
イメージ画像(Thinkstockより)
2月25日、Jリーグが開幕した。ほとんどの試合が1万5,000人前後の観客を集め、鹿島アントラーズ×FC東京戦は約2万8,000人、セレッソ大阪×ジュビロ磐田戦は3万3,000人、横浜F・マリノス×浦和レッズ戦には3万9,000人が詰めかけた。平均入場者数は、昨年を上回る2万2,000人という大盛況ぶり。
それもこれも、Jリーグの放映権を動画配信大手パフォーム・グループのスポーツライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」が10年間約2,100億円で購入したおかげだ。それにより、今年のJリーグ優勝チームには、賞金や配分金含めて昨季の4倍となる約21億円が支給されることになった。現在、Jリーグ1位の営業収益を誇るのは浦和レッズの60億円。今までは優勝しようとも、浦和に追いつくことができなかったが、今年の優勝チームは、一躍ビッグクラブに成り上がれる。そのため、各クラブが大型補強を行い、その期待感から観客が集まるという好循環が生まれているのだ。
とはいえ、浮かれてばかりはいられない。そのDAZN中継が、トラブルを連発しているのだ。開幕初日は、16時50分から約20分間にわたって画面が頻繁に止まっていたが、この時間に試合があったのは1試合のみ。しかも、ハーフタイムを挟むという幸運もあった。問題は翌日のガンバ大阪×ヴァンフォーレ甲府戦。キックオフとなった17時から約90分、試合がまるまる視聴できない状態となってしまった。視聴者からは抗議が殺到し、DAZN側は「自社のシステムエラーが原因」と謝罪したが、一般サポーターからはそこまでネガティブな声が上がっていない。一体なぜなのだろうか? サッカー関係者に聞いた。
「実は開幕戦は、ほとんどの試合が、ホームチームの地元テレビ局かNHKで放送されていたんです。スカパー!が放映権を持っていた昨年までは、人気クラブの試合が地上波で放送されることはほぼありませんでしたが、今年は横浜×浦和戦もテレビ神奈川とテレビ埼玉が放送しています」
また、トラブルが起きたガンバ大阪×甲府戦も、Jリーグの公式YouTubeチャンネルに90分のフル動画がアップされている。サービス開始1年目とあって、客寄せのために地上波やネットでの放送規制を緩和したDAZNだが、その方針が今回のトラブルでは功を奏したようだ。また、テレビ埼玉では現時点で、浦和がホームの試合を第12節まで放送することが決まっている。
開幕早々、トラブル続きのDAZNだが、Jリーグ普及のための努力は、昨年以上になされているようだ。
(文=TV Journal編集部)