セックス体験談|ライブのあと、広島の夜、彼氏のいる女と…#5
隔たりセックスコラム連載「ライブのあと、広島の夜、彼氏のいる女と…#3」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも
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隔たりセックスコラム連載「ライブのあと、広島の夜、彼氏のいる女と…#3」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも
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隔たりセックスコラム連載「ライブのあと、広島の夜、彼氏のいる女と…#2」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも
隔たりセックスコラム連載「ライブのあと、広島の夜、彼氏のいる女と…#1」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも
隔たりセックスコラム連載「別れのピロートーク#5」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ
隔たりセックスコラム連載「別れのピロートーク#4」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ出す。現在、メンズサイゾーにセックスコラムを寄稿中。ペンネーム「隔たり」は敬愛するMr.Childrenのナンバーより。 「ごめん。まだ引っ越しの片付け終わってないんだ」 体を屈ませて靴を脱ぎながら、梨香はそう言った。ワンピースのスカートが持ち上がり、白くてムチムチとした生足があらわれる。僕はそこに無意識に目を奪われながら「うん」とだけ返した。 靴を脱いで部屋に上がる。玄関の先には小さな廊下があって、左にキッチン、右には浴室とトイレがあった。梨香はスタスタと歩き、その先の扉を開ける。 6畳くらいの真四角な部屋だった。壁は白く、床のフローリングは光っているように見える。 「新築?」 「うん」 次の行動の目的を見失ったのか、梨香は浮遊するように部屋の中を歩き、「ダンボールまだ開けられてなくて」と独り言のように呟いた。見ると、部屋の隅にダンボールが積んである。 「大丈夫だよ。ぜんぜん気にならない」 部屋の中でふたり、立ち尽くす。目が合うと、梨香は不安そうな顔を見せた。 「ごめんね。一人暮らしも初めてだし、人を家に入れるのも初めてでさ。だからどうしたらいいかわからなくて」 「そうなんだ。ぜんぜん気にしなくていいよ」 「ありがとう。でもごめんね、座るところもないし」 部屋にはテレビと小さな丸机が置いてあるだけで、椅子やクッションはなかった。僕をどこに座らせようかと、梨香は戸惑っていたらしい。 「ううん。大丈夫だよ」 僕はチラリと横に目をやる。そこにはベッドがあった。 キスして。もっと深く。ベッドで愛して…。 「床に座る。でも、もしお尻が痛くなったらこのベッドに座っていい?」 「うん。そしたらベッドに座っていいよ」 梨香は「なんでそれが思いつかなかったんだろうね」と笑いながらベッドに座った。ああ、梨香らしい笑顔だなと思った。初めて会った日のカラオケ、居酒屋で見せてくれた明るい笑顔。今日はずっと緊張していたんだな、と思う。 梨香のベットは、いわゆるお姫様ベッドというのだろうか、白と淡いピンク色の可愛らしいベッドだった。意外にお姫様が好きなのかと想像するとなんだか愛おしくなってきて、ちょこんと座っている梨香を抱きしめたくなる。 そんな欲望を隠すように、僕もベッドに座った。キシっと音がなる。少し安物なのだろうか。このベッドでセックスをしたら音がうるさそうだな、とぼんやり思う。 梨香がはおっていたカーディガンを脱いだ。ワンピースはノースリーブだったらしく、むっちりとした腕があらわになった。二の腕が柔らかそうで、思わず手が伸びそうになる。だが、我慢我慢。 「どう? 一人暮らしは慣れた?」 下心を隠すようにして聞く。 「うーん。まだぜんぜんかな。やっぱり家に誰かいたほうが楽しいなって思うし」 「家族と仲良いの?」 「うん。けっこう仲良いほうだと思う」 「そっか。だとしたら、ひとりになるのはちょっと寂しいよね」 「寂しいね。夜が特に静かだから、寝る前とかはやっぱり寂しくなる」 夜、寝る前、寂しい。梨香とのセックスを期待している僕には、その言葉は誘っているようにしか聞こえない。 「やっぱり夜は寂しくなるんだね」 「そうだね~」 「そっかぁ。一人暮らしは寂しいかぁ」 梨香の言葉を聞きながら、僕は考える。一人暮らしの夜が寂しいと梨香は言った。もし、梨香と付き合うことになったら、毎日泊まりに来て、毎日セックスができるのかもしれない。 はたして僕は、それを望んでいるのだろうか。初めて梨香と会う前に、確かに僕はセックスをしたいと思った。そして、今梨香の家に来ている。想像以上に順調に物事が進んでいる。では、セックスが終わったその先は? 僕はセックスが終わった後のことをまだ考えられていない。僕は梨香とセックスをして、その後付き合うのだろうか? それともセフレとして関係を築いていくのだろうか? 僕は梨香とどういう関係になりたいのだろう。 「隔たり?」 まるで体調を心配するような優しい声だった。僕は今、どんな顔をしていたのだろう。 「考え事してた? 急に黙るからびっくりしちゃったよー」 梨香は笑う。その笑顔を見て、笑うことは本当に大切だなと思った。梨香の笑顔を見るだけで、心が晴れやかになる。そして、何もかもがどうでもよくなって、もう笑顔にさえなることができればなんでもいいと思える。 「ごめんごめん。ちょっと緊張しちゃってて」 「緊張?」 「そう。梨香の部屋で、二人きりで隣に座っているから…」 セックスの後のことは、セックスが終わってから考えよう。今は梨香と笑いながらセックスをしたい。 キスして。もっと深く。ベッドで愛して。カラオケでの梨香の歌声が蘇る。 「だから、緊張してる」 そう言って、僕は抱きしめた。梨香は「えっ」と一瞬驚いたような声を出したが、自然に僕を受け入れてくれた。 「緊張してるの?」 「そう。だから、こうしていると落ち着く」 横から抱きしめたので、梨香の首の後ろに鼻が当たる。僕は匂いを吸った。親しみのある体臭と柔らかなミントの香水の匂い。なぜだろう。自然に顔が緩んでいく。 僕が前に回した腕を、梨香は両手でちょこんと持った。まるで、手前に抱きかかえるように。 腕にわずかに感じる乳房の感触。そして腕に落ちてくる梨香の吐息。僕はその腕に力を入れて、梨香をそのままベッドに倒した。 「きゃっ!」 白と淡いピンクのベッドに、白のカーディガンを着た梨香が倒れる。黒の髪の毛がばぁっと広がり、その姿は羽を開いた時の孔雀のように美しかった。僕はそっと梨香の顔に手を当てる。梨香はそれを拒まなかった。 見つめ合い、無言になる瞬間。言葉を交わしてないのに、互いの想いが伝わり合う空気。覚悟を決めたような、期待をしているような潤んだ瞳。そして、何かを待ち望んでいるような唇。 家に来た時点で、梨香とセックスできることは確実だと思っていた。でも、本当に梨香がセックスを望んでいたかはわからなかった。 この表情を見て、僕は思う。梨香はずっと、今日セックスを受け入れるつもりだったのだと。 梨香が目をつぶる。僕は顔を少し斜めに傾けて、唇を梨香の上に落とした。 唇が重なる。僕の中の隠されていた下心が生き生きと顔を出す。 柔らかな唇の感触。そこに矢継ぎ早にキスの雨を降らせた。触れるたび、体が熱くなっていく。興奮が止まらなくなって、僕は食べるようにキスをした。 梨香は子猫のように体をくねらせながら、僕のキスを受け入れる。うっすら開いた唇に舌を差し入れると、待っていましたといわんばかりに舌を激しく絡ませた。そして、僕の首に手をまわし、唇を押し付けてくる。互いに食べ合うみたいに、口を動かし合った。 梨香に引っ張られるような形で、僕もベッドに倒れ込む。横向きになって、呼吸を荒くしながらキスを続けた。まるで宝物を探すように、互いが互いの体に触れた。 僕の手は梨香の乳房を探し当て、梨香の手は僕の股間を掴む。止まらないキスの勢いそのままに、互いの快楽のポイントを刺激し合った。 服の上から揉むのが煩わしかったので、僕は梨香のスカートをまくり、そのまま手を伸ばした。 ブラをずらし、ふっくらとした乳房を取り出す。 今まで触れた物体のどれにも当てはまらない柔らかな感触が、安心と興奮という対になった感情を同時に引き起こさせる。 オーブンで温められたような体温を乳房から感じた。 その体温を混ぜるようにして乳房を弄ったあと、乳首に触れる。乳首はもうすでに、丸い小石みたいに硬くなっていた。 「はあぁあん」 明るい梨香からは想像できないような、艶のある喘ぎ声が漏れる。目はすでにうつろになっていて、メスの表情になっていた。そういえば、初めて梨香の乳房を直接触ったと気づく。乳房でこんなに感じてくれるのか。 梨香は乳首の快感に耐えながら、僕のモノを撫でていた。梨香が強くこするので、僕のモノもあっという間に大きくなる。キスをしながら、頭の中には「触って欲しい」という欲望が響き渡っていた。 僕のその欲望を察したのか、梨香がモノを触っている手で僕のズボンを脱がそうとした。だが、梨香の片手では僕のズボンを脱がせそうになかった。 「脱がしたいの?」
隔たりセックスコラム連載「別れのピロートーク#3」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ
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隔たりセックスコラム連載「別れのピロートーク#2」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ出す。現在、メンズサイゾーにセックスコラムを寄稿中。ペンネーム「隔たり」は敬愛するMr.Childrenのナンバーより。 生ぬるい風が当たり、唇が渇いていたことを知る。舌で舐めて潤いを与えてみたが、すぐに渇いてしまう。 カラオケを出ると、外はもう薄暗くなっていた。昼間の暑さの残りとこれからくる夜の寒さが混じった、モワッとした空気に包まれる。冷房の効いた部屋から出たばかりだから、余計にその空気感が心地悪かった。もっとカラオケの中にいたかった、と切実に思う。 喉が渇いた。でもそれは、カラオケでたくさん曲を歌ったからではない。 「なんか喉渇いちゃった。カラオケのドリンクって高いよね。ペットボトルとか買っておけばよかったな~」 横にいる梨香が独り言のように呟く。カラオケに入る前に汗をかいていた梨香の体は、冷房に冷やされ、今はスッキリと滑らかに見える。 「あ、梨香も? 俺もちょうど喉が渇いたって思ったところなんだよね」 「本当? そしたらさ、飲みに行かない?」 「飲み? お酒?」 「うん。私お酒好きなんだけど、隔たりは好き?」 「好きだよ。そしたら行こうか」 「やった! 行こ行こ!」 笑顔になった梨香は、携帯を開いて良い居酒屋が近くにないかを検索し始めた。歩きながら検索をしていたので、僕は梨香が人に当たらないようにと意識を向けながら横を歩く。 喉が渇いた。口の中に水分がある気がしない。でも、そうなった理由を想像すると、喉の渇きとは反対に心は潤う。 もし、今の僕らの会話を誰かが聞いていたとしたら。カラオケから出てきて、喉が渇いていると話す僕らを見たら。カラオケでたくさん歌ったらそりゃ喉渇くよなと、誰もが当たり前のことのように思うだろう。 けれども、僕らが歌ったのは二人合わせてたった4曲だった。梨香が最初に歌った曲、男女の交わり合いを描いた梨香の好きなロックバンドの曲、僕が梨香を抱きしめる言い訳を作るために歌ったミスチルの『抱きしめたい』、そして終わり際に「これだけは歌いたかったから歌わせて!」と梨香が歌った最近流行りの曲の計四曲。それ以外の時間は、ずっとキスをしていた。 「ねぇ、ここにしよ! めっちゃ近いし、雰囲気も良さそう」 横にいる梨香が携帯の画面を見せてくる。画面を覗こうとしたとき、視界の端にTシャツ越しの乳房が目に入った。 「いいね。そこにしようか」 視界の端に意識を向けたまま、僕は返事をする。脳裏にカラオケでの記憶が蘇り、残る。僕は右手で左手のひらを撫でた。そこに微かに残る感触を思い出すと体がくすぐったくなって、ある欲望が再び芽生える。もう一度梨香を抱きしめたいと。 梨香が選んだ居酒屋は地下にあった。地上ではないせいか、居酒屋の中はカラオケの部屋よりも涼しく感じた。 「はぁ~涼しくて最高!」 梨香は席に座ると、さっそくメニュー表を開いた。どれにしようかなと、お酒を選び始める。 欲に対して素直な行動を取る人はわかりやすく、一緒にいて楽だ。表情、声、行動の全てにちゃんと欲望が現れているから、変に気を使う心配も勘ぐる必要もない。「やっぱりビールかな~」と笑う梨香を見て、僕はそんなことを思った。 「ビールいいね。俺もビールにするよ」 「いいね! あっ! 定員さん、すみませ~ん!」 梨香は店員を呼び注文を始めた。「食べ物も注文する?」と聞かれたので、「梨香の好きなの選んでいいよ」と答えた。僕は自分の欲になかなか素直になれないところがある。というよりも、今自分が本当に何を欲しているのかがわからないことが多い。今僕がどのお酒を飲みたくて、何を食べたいかなんて、正直わからない。だから、ちゃんと欲がある人に任せ、合わせるほうが楽だ。 「はい! じゃあ、それでお願いします」 梨香は店員さんに対しても、ちゃんと笑顔で答える。その笑顔を眺めながら、僕は右手で唇をなぞり、それをそのまま左手のひらの上に落とした。自分は欲がある方の人間ではない。それでも、この唇と手のひらに残っている感触をもう一度味わいたいという欲はちゃんと存在している。 「わぁ~キンキンだ」 ジョッキの表面が曇るほど冷えたビールが机の上に運ばれた。20歳になって、お酒を飲めるようになって、僕らはもう「冷えたビールが美味しい」という、子どもにはわからない大人の世界を知っている。 「じゃあ、かんぱ~い!」 でも、「冷えたビールが美味しい」は、子どもでも何と無く想像できる世界だ。今僕は、子どもが全く想像できないような、そんな大人な状況の中にいる。 「ん~うまい!」 梨香の唇に微かにビールの泡が残る。その唇は、さっきまで僕とキスをしていた唇だ。キスをした唇でビールを飲む。キスをたくさんして渇いた口の中を、アルコールで潤す。大人はこんなことをしていたんだ、と改めて驚く。そして、もっと早く大人になりたかった、と今更ながらに思う。 「やっぱり暑い日はビールに限るねぇ!」 僕と梨香はネットで知り合い、今日初めて会った。そしてカラオケでたくさんキスをして、今ビールを飲んでいる。そんな状況の中で、普通に友達と食事に行ったときのように楽しくビールを飲んでいる梨香を、僕は大人だと思った。キスの感触を思い出しながら、左手に残る乳房の感触を思い出しながら、僕はそんな友達のようには笑えない。 この関係がもし恋人たちのものだとしたら、そんなことを考えずに笑えるのだろうか。 「そうだね。暑い日はビールに限る」 酔っ払いたい、と思い、僕はビールを体に流し込む。口の中の渇きを消し、そこにわずかに残る梨香との接吻の残り香を体内に流し込んだ。 「お! 飲みっぷりいいね!」 場所がカラオケだったから、僕らは最後までしていない。たくさんキスをして、ちょっと乳房を触った、その程度だ。恋人ではない男女のセックスを、世の中では「セフレ」と呼んだりする。じゃあ、たくさんキスをしながら乳房を触った後に何事もなかったのように食事をする関係は、どう定義されるのだろうか。 「そういえば、隔たり、歌うまかったね」 梨香は聞いて当然だ、当たり前の話題だ、という自然な声色で言った。確かに、僕らはここに来る前はカラオケにいた。だから当然の流れなのだろうが、実際はほとんどキスしかしていない。なのに、あたかも時間いっぱいにカラオケを堪能したという体温で聞かれたら、舌が戸惑って動かない。 「久しぶりに歌って楽しかったなあ」 僕が何も答えなかったからか、梨香はそう言ってビールをゴクゴクと飲んだ。全く性の匂いのない会話。梨香が意識的に切り替えているのかはわからないが、その場に適応する会話を選べる彼女の健やかさを僕は羨ましいと思った。 「そういえばね、私、介護士として働いているんだけどさ」 おつまみをつまみながら梨香が話し始める。これも自然だ、と僕は感心した。濁りのない、なめらかな話題の移動。梨香は仕事であった出来事や悩みなどを、何の違和感もなく話した。僕はその話に「うんうん」と相槌を打ってはいたが、思考と心はずっとカラオケの中に取り残されていた。 梨香の柔らかな唇。微かに漏れる生温い吐息。 「だからさ、最近は転職しようかなって考えてるんだよね」 Tシャツ越しに伝わるブラジャーの感触。そして、乳房のふくらみ。 「でも、職場の近くに引っ越し決めたばかりだからさ。すぐには転職できないというか」 引っ越し、という言葉に、僕の唇と左手が反応する。カラオケの中に取り残された思考と心が、居酒屋にいる僕の肉体に戻った。 「あれ、梨香って今は実家だっけ?」 「うん。そうだよ。実家出て一人暮らしを始めるの」 キス。もっと深く。 「へぇ、そっか。一人暮らしか。いいね、楽しそうだね」 「楽しみではあるんだけどさ、けっこう大変。冷蔵庫とかベッドとか買わなきゃいけないし」 ベッドで愛して。 「いつ引っ越しするの?」 「えっと、あと一カ月後くらいかな。ちょうど夏が終わって少し涼しくなる時期」 暑いなか引っ越しをするのは大変だしね、と梨香は箸を伸ばす。しっかりと揚げすぎてしまったのか、濃い茶色の唐揚げを掴むと、それを唇で挟み、口の中に入れた。 「美味しい」
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