このドラマにとって“仲間”とは何を指すのか? 『ど根性ガエル』第8話
<p> 『ど根性ガエル』の第8話は、ゴリライモが出馬した区議会議員選挙の投開票の一日を追った話だ。といってもゴリライモだけに焦点を当てているわけではない。全ての登場人物に対して敬意を持って描き、作り手の意図を前には出さず、しっかりとその人物を見つめる『ど根性ガエル』だけあって、ゴリライモに関わる全ての人物が有機的に絡み合う、愛おしい時間がそこにはあった。</p> <p> 冒頭からゴリライモがひろしに、当選したらヒロインの京子ちゃんにプロポーズすることを告げる。「お前にだけは先に宣言しておこうと思ってな」というゴリライモの台詞が憎い。ひろしとピョン吉はゴリライモの応援のために集会で漫才を披露するのだが、いちいち京子ちゃんの表情を確認するひろしは嫌になるくらいに人間的で、ぐっと心を掴まれる。</p> <p> 投票の際も、ゴリライモに一票を投じるのか悩むひろし。仲間であるゴリライモには当選してほしいが京子ちゃんと結婚されるのも悔しいのだ。夜になって、みんなが集まる選挙事務所にも行かずに独り家でいじけているひろし。そこへ迎えに来るのはやはり五郎だ。五郎は「いじけてる先輩を連れて行くのは自分の役目」と言い、ひろしを選挙事務所へ連れて行く。<br /> </p>