「てれびのスキマ」の記事一覧(6 / 6ページ)

もしいま、松本人志が『M-1』に出場したら? 『下がり上がり』に見る、芸人残酷時代

<p>「売れていない芸人はクズ」</p>

<p> ダウンタウンの松本人志は、若手芸人時代、事あるごとにそう言われたという。だとするなら、いま芸人界はクズであふれている。90年代後半の“ボキャ天”ブーム以降、断続的に続くお笑いブームの結果、芸人が急増し、現在明らかに供給過多になってしまっている。もちろん、才能がない人が世に出られないことは必然だ。だが、才能があるにもかかわらず、くすぶっている若手芸人も少なくない。</p>

<p> そんな若手芸人をゲストに迎え、松本と陣内智則が話を聞くという番組が芸人ドキュメンタリー『下がり上がり』(フジテレビ系)だ。7月3日深夜に第1回が、10月4日深夜に第2回が放送された。これは、松本と陣内が約1年前から行っていた“ランチ会”が発端だった。そこで陣内は毎回、売れていない若手芸人を呼び、松本に紹介していた。それを、そのまま番組にしたのだ。</p>

なぜ、日本のマンガはこんなにも豊かなのか? Eテレ『浦沢直樹の漫勉』が映すもの

<p>「マンガ界が騒然となるんじゃないですかね」</p>

<p> 浦沢直樹が、そう興奮しながら収録に向かうのが『浦沢直樹の漫勉』(Eテレ)だ。この番組は『YAWARA!』『MONSTER』『20世紀少年』など、数多くのヒット作を世に放った人気マンガ家・浦沢直樹が立ち上げたプロジェクトだ。</p>

<p> マンガ家の原稿執筆現場に密着し、そのペン先を映像に残そうというのだ。企画の着想は、かつて浦沢が見たNHKのドキュメンタリー番組『手塚治虫・創作の秘密』がキッカケだった。マンガの神様・手塚治虫の作品制作の過程を追ったこのドキュメンタリーが、「衝撃的で新鮮」だった。</p>

<p>「世界のマンガファンって、みんな日本人の描き方を見たがってますよね。世界に配信されるような話だと思うんですよね。日本人のマンガ家のペン先って」</p>

全員加害者?『エイジハラスメント』で五寸釘をブチ込まれるのは何か

<p>「部下の価値が全然理解できてないんじゃないですか? ブタに真珠の価値がわからないのと一緒です」<br />
「あなた、誰に口を利いているの?」<br />
「ブタ!」</p>

<p> 毎回、会社でさまざまなハラスメントを目の当たりにする新入社員・英美里(武井咲)が「てめえ、五寸釘ブチ込むぞ」とつぶやきながらたんかを切るというのが、『エイジハラスメント』(テレビ朝日系)の“お約束”的な流れだ。痛快である。<br />
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子どもだましでは子どもはだまされない! Eテレ法廷教育ドラマ『昔話法廷』が裁くもの

<p>「もー! 認めなさいよ、このババア!」</p>

<p> 裁判官が「静粛に!」と制止する中、“被害者”の白雪姫は我慢できずに“被告人”の王妃につかみかかった。検察官から、リンゴ嫌いのはずの王妃のパソコンに「おいしい リンゴ」という検索履歴があったことを指摘されたにもかかわらず、王妃が顔色ひとつ変えず「白雪姫と同じものが好きだなんて、わたくしのプライドが許さない。だから、こっそり取り寄せたの」と釈明したことに激高したのだ。</p>

<p>「そんなの言い逃れよ、そのりんごを私に食べさせたのよ!」と。</p>

<p> これは、『昔話法廷』(NHK Eテレ)の一幕である。王妃の白雪姫に対する殺意は明白であり、犯行時刻のアリバイもないとし、「殺人未遂」の罪で裁判にかけられた王妃。対する弁護側は、凶器のリンゴに王妃の指紋はなく、王妃の犯行の根拠である、被害者が聴いたという「王妃の高笑い」も毒で意識が朦朧とした状態で聴いたものため信用性に欠け、証拠不十分で無罪を主張している。</p>

てれびのスキマが見た【日本テレビ】と【フジテレビ】──「平成テレビの完成形」と「元祖テレビの王様」の現在地

<p>「テレビは終わった」</p>

<p> などと語られる時、その「テレビ」は「フジテレビ」的なものを指すことが多いのではないでしょうか。なぜなら80年代以降、フジテレビこそがテレビの主役であり、象徴であり続けたからです。本当にテレビは、フジテレビは終わってしまったのでしょうか?</p>

<p> 視聴率はわずか1%でも、30~40万人が見ているといわれています。インターネットをはじめ、あらゆるエンタテインメント業界で、その人数を集めるのは至難の業です。しかし、テレビにおいては、わずか視聴率1%でそれだけの人が見ている計算になるのです。その影響力は、今もとてつもなく大きいことは間違いありません。<br />
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てれびのスキマが見た【TBS】と【テレビ朝日】──「今のテレビではできないこと」と、どう向き合うか

<p>「今のテレビではできない」</p>

<p> これは、よく聞くフレーズです。確かに、コンプライアンス重視の昨今の風潮もあり、簡単にはできないこともあると思います。けれど、「今のテレビではできない」と言いつつ、「過去の名番組」というエクスキューズをつけるだけで、現在の基準では絶対にダメとされる映像も、普通に「懐かし映像」として流れている場面は多々あります。本当に「今のテレビではできない」のならば、その映像すら流してはいけないはずです。そのことからも、「今のテレビではできない」の大半は自粛であり、萎縮、もっと嫌な言い方をすればただの言い訳だといえるでしょう。</p>

<p> 「テレビ裏ガイド」連載100回記念の第2回は、「今のテレビではできない」に果敢に立ち向かっているTBSとテレビ朝日を取り上げたいと思います。</p>

てれびのスキマが見た【NHK】と【テレビ東京】──テレビ局にとっての“らしさ”とは?

<p> 2012年6月から始まったこの連載「テレビ裏ガイド」。「面白いテレビ番組を真正面から面白いと紹介する」というコンセプトで毎月2~3本のペースで更新し続け、今回でなんと100回目を迎えます!</p>

<p> 面白いテレビ番組だけを取り上げているので、よく直接お会いした人から訊かれることがあります。「ネタは尽きないですか?」と。けれど、3年あまり連載してきて、一度もネタで困ったことはありません。もちろん、自分の書き手としての能力的な問題で、この面白さをどう文章で伝えられるのかと、書くのに困ってしまうことは多々ありますが、取り上げる候補が何も思い浮かばないということはこれまで皆無でした。それだけ「テレビは今も面白い!」と、胸を張って言うことができます。<br />
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