「映画」の記事一覧(33 / 35ページ)

障害者コミュニティは壮絶なヒエラルキー社会!? 字幕、吹替えなしの肉弾ドラマ『ザ・トライブ』

<p> 聾唖学校を舞台に、手話による交流を描いた青春感動ドラマなのだろうと勝手に想像していた。上映が始まり、自分の思い込んでいたイメージとは180度異なり唖然呆然となる。ウクライナ映画『ザ・トライブ』は聾唖学校が舞台だが、そこで描かれているのは暴力とセックスが横行する世界。障害者たちのコミュニティ内でのヒエラルキーの凄まじさに凍り付いてしまう。字幕も吹替えもなし。実際の聾唖</p>

体罰&モラハラの洗礼から真の芸術は生まれる? サディスティック教師の流血指導『セッション』

<p> ムチで打たれたような衝撃がある。映画でここまでの体験をしたのはいつ以来だろうか。映画『セッション』の原題は『Whiplash(ムチ打ち)』。パワーハラスメントやモラルハラスメンなんて言葉はここには存在しない。弱肉強食、体罰上等! それでもOKなヤツだけ徹底的に鍛えてやるぜ。そんなサディスティックな鬼教師と音楽の世界で名前を残すことを願う野心満々な青年との狂気の師弟関係を描いたドラ</p>

「将来は大女優に……」“鬼監督”中島哲也が絶賛する女優・小松菜奈に映画界から熱視線

kawaki041s5.jpg
『渇き。 プレミアム・エディション』ギャガ

「今、最も注目されてる女優のひとりでしょう。辛口で有名なあの中島哲也監督も手放しで絶賛してましたからね」(映画関係者)

 役所広司主演の映画『渇き。』で映画デビューを果たした女優の小松菜奈。その監督を務めたのが、中島哲也監督だった。同じスターダストの先輩である中谷美紀の『嫌われ松子の一生』のメガホンを取った監督である。

続きを読む

オスカー獲り損ねたマイケル・キートンの名演が光る!『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

main_02_BM_04337_04342_R2.jpg
(C)2014 Twentieth Century Fox

 今週取り上げる最新映画は、ブロードウェイ舞台で再起を図る落ち目の映画俳優の苦闘を虚実織り交ぜた映像で描くアカデミー賞4部門受賞作と、中学生が前代未聞の学校内裁判を敢行する話題作の後編。どちらも興味深いテーマに、見応え十分の演技、緻密な演出が相まって、別格の観賞体験をもたらしてくれる充実作だ。

続きを読む

麻薬王が賛美されるメキシコ無法地帯の叙事詩! 『皆殺しのバラッド』に見る麻薬カルチャーの現実

<p> さかしまの世界がスクリーンに映し出される。警官は覆面を被って顔を隠し、麻薬の密輸で成功を収めたギャングたちは英雄として賛美され、彼らを主人公にした歌や映画が大ヒットしている。そして、街にはギャングたちの抗争の巻き添えをくらった罪なき市民たちの死体が犬や猫のように転がっている。街の人たちは血に染まった路上の清掃で忙しい。近未来のディストピアを描いたSF映画かと勘違いしてしまいそうだが、そうではない。『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』は歴然としたドキュメンタリー映画だ。毎年1万</p>

市川由衣がヌードで魅せる“みだらな純愛”映画『海を感じる時』

<p> 「恋に目覚めたばかり女子高校生の恋愛模様を描いた映画」といえば、純愛と相場が決まっている。手をつなぐだけでも顔を赤らめるような女子高生が、憧れの先輩と付き合って、慣れないキスを交わす……ウブ過ぎて見ているこっちが気恥ずかしくなってくるが、そんなピュアな感情が懐かしいあの頃の気持ちを思い出させてくれるものだ。しかし、純愛映画ファンにとって残念なことに、『海を感じる時』で描かれる清純な女子高生の恋愛は、どうやら純愛とは真逆の内容。主演の市川由衣は、その美しい身体をオールヌードでさらけ出し、先輩役の池松壮亮と学校内でヤりまくり……。純愛映画ファンにとって、こんなにけしからん作品があるだろうか!!</p>

大胆濡れ場で“元天才子役”から脱却なるか――安達祐実が体当たりで挑む話題作『花宵道中』

oiran.jpg
『花宵道中』(c)2014 東映ビデオ

 今週取り上げる最新映画は、肉体派アクションスターのシュワちゃんが複雑な人物造形に挑んだサスペンスと、天才子役の面影がいまだ残る安達祐実が大胆な濡れ場を見せる時代劇。お馴染みの2人が新境地を切り拓く意欲作であり、時の流れを感じさせる2作品でもある。

 『サボタージュ』(R15+/11月7日公開)は、麻薬取締局(DEA)をめぐる不正と連続殺人の謎を描く、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のサスペンスアクション。DEA特殊部隊を率いるベテラン捜査官ジョンは、8人の屈強な部下とともに麻薬組織のアジトに突入し、巨額の闇資金の一部を山分けするつもりで現場に隠す。だがその夜、チームが現場に戻ると、隠したはずの札束が消えていた。やがてチームは謎の猟奇連続殺人の標的となり、1人また1人と惨殺される中、メンバー間に疑心暗鬼が募っていく。

 監督は、犯罪多発地域でパトロールする警察官の危険な日常を徹底したリアリズムで描いた『エンド・オブ・ウォッチ』(2012年)のデビッド・エアー。本作でも法執行機関の暴力性と暗部を浮き彫りにしつつ、隠し金を盗んだのは誰か、連続殺人の犯人は、というミステリー要素で観客の興味を牽引する。特殊な叙述テクニックで観客をミスリードする試みがあり、その点は賛否が分かれそうだ。シュワちゃんは数シーンでガンファイトもこなすが、どちらかと言えば主人公の苦悩と葛藤を表現するソリッドな演技に重点を置き、見どころにもなっている。無敵のヒーローに脳天気な展開という、従来のアクション主演作とは一線を画するダークな内容に、往年のファンは衝撃を受けるかも。

 『花宵道中』(R15+/11月8日公開)は、安達祐実が20年ぶりに映画主演を果たし、初の花魁(おいらん)役に挑んだ作品。江戸時代末期の吉原で、遊郭の女郎として空虚な日々を過ごしていた朝霧(安達)は、たまたま出かけた縁日で染物職人の半次郎(淵上泰史)と出会う。半次郎に秘かな恋心を抱き、生きる喜びを取り戻した朝霧。だが、そんな2人に過酷な運命が待ち構えていた。

 原作は、新潮社「女による女のためのR-18文学賞」第5回大賞の宮木あや子による同名小説。監督は『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(10年)の豊島圭介。1994年のテレビドラマ『家なき子』で当時最も有名な子役スターになった安達祐実が、久しぶりの主演作で世間のイメージからかけ離れた役どころに挑戦。決意の裸身をさらし、濃密な濡れ場を熱演した。子役時代の安達を知る観客は、30歳を過ぎてもなお少女の面影がある彼女の姿を、感慨深く眺めることになりそうだ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『サボタージュ』作品情報
http://eiga.com/movie/80167/>

『花宵道中』作品情報
http://eiga.com/movie/80041/>

あの“アホの坂田”師匠が和製イーストウッドに!? 安藤サクラ主演作『0.5ミリ』で光り輝く名優たち

<p> 映画の普遍的なモチーフのひとつに“疑似家族”ものがある。血の繋がらない人々が様々なトラブルを乗り越えて、ひとつの絆で結ばれていく物語だ。ラブコメ、バディムービー、任侠映画も広い意味での疑似家族ものの一種といえる。絆という言葉は曖昧なので、共通言語と言い換えてもいい。キャスト同士、そしてキャストとスタッフとが、映画という共通言語で結ばれていくのが映画製作である。ゆえに古今東西すべての映画は、キャストやスタッフが監督や主演俳優</p>

ダニー・トレホ×エクソシストな世界観が“中二心”をくすぐりまくる『エクソシスト・キルズ』

_78A6445.jpg
↑これは映画のシーンではなく、ゾンビアイドル小明です
(撮影=尾藤能暢)

 時は近未来、地獄に封印されていた最強の悪魔・ベルゼブブが復活を企みだしたせいで、地球では悪魔憑き現象の続発で大ピンチ! そんな人類の危機を救うのはカトリック教会の秘密結社「THE CLOTH」。彼らは聖なる武器で悪魔に対抗するエクソシスト集団なのだ! 出演には、あの『マチェーテ』『マチェーテ・キルズ』のダニー・トレホの名前が大きく書いてあるし、ダニー・トレホ×エクソシストだなんて……まさに鉄板×鉄板! こんなの絶対面白いじゃないですか! 胸が熱くなりますね~!

 物語のはじまりは、神父の出で立ちのダニー・トレホと同僚が悪魔に取り憑かれた少女を救うシーンから(元囚人ですが、なかなか神父服が似合っています)! ここでトレホがマチェーテで悪魔退治したらウケるなぁと思いながら見守っていたら、早々に悪魔に吹っ飛ばされてしまうトレホ。同僚も必死に十字架を掲げながら、何やら唱えだしますが、十字架は手の中でドロドロと溶けていき、悪魔に憑かれた少女は余裕しゃくしゃくで中国雑伎団のような軟体を披露しながらドヤ顔を決めている。そしてトレホ、死亡。すると同僚が、突然チープな悪魔退治用の銃を出してバーンと悪魔少女を退治。ふぅ、これで一安心……って、そんな便利な道具があるなら最初から出せよ! 一番宣伝に大きく出てたトレホ、冒頭2分で死んだよ!

_78Ass6445.jpg
(c)theclothfilm LLC 2012

 あまりに早く訪れたトレホとの別れに呆然としていると、映画のトーンはシリアスで古典的なホラーから、いっきに現代的なクラブシーンへ早変わり。クラブで女の子とイチャイチャしている金髪の青年……彼が『エクソシスト・キルズ』の本当の主人公、ジェイソンです。ジェイソンは神父であった父親を交通事故で亡くし、信仰心もなくし、ひたすら遊びほうけているみたい。そんなある日、ジェイソンは父の同僚だったディークメン神父から、「地獄の将軍キャスダヤが、最強の悪魔ベルゼブブを召喚するために、生け贄になる人間の魂を集めている。お前も秘密結社のメンバーになれ」と告げられる。が、「いや、俺、宗教とか興味ないんで……」と引き気味のジェイソン。そりゃそうだ。しかしながら、「彼女に説明してもらうといい」と紹介された歴史学者が超可愛かったり、「これが聖なる武器だ」と見せてもらった武器が超かっこよかったり、「この服を着るんだよ」と渡された戦闘服が超イケてたり、なんだかんだでジェイソンはメンバー入りし、人類の存続をかけた戦いに身を投じていく……。

 低予算なので、聖なる武器というのも明らかに改造されたトイガンだし、真っ黒な戦闘服の胸元には巨大な十字架が光っているし、フィンガーレスグローブ(DAIGOがウィッシュするときのあの手袋)からはピシューンと仕掛けが飛び出すし……もう! ダサすぎて、逆にかっこよすぎるんですけど!? それに加えて「俺は宗教なんて興味ないぜ」という姿勢で女とイチャイチャしながらニヒルに戦うジェイソンのキャラクターには、中二心がコッチョコチョとくすぐられます!! トレホは2分で死ぬけれど、これはこれで観る価値ありです!!
(文=小明)

●『エクソシスト・キルズ』
http://kingmovies.jp/library/kixf-228
11/5(水)Blu-rayDVD発売
発売・販売元:キングレコード
Blu-ray:¥4,800+税/DVD:¥3,800+税

411f2a7693220ff1f6c33305808.jpg

●小明(あかり)
1985年、栃木県生まれ、千葉県育ち。02年、ホットドッグプレスドリームガールズ準グランプリを受賞し、デビュー。写真集『エプロン宣言』を発表するなど、グラビアアイドルとして活動していたが、06年に所属事務所を退社。以降、フリーのアイドル兼コラムニストとして活動しつつ、ゾンビアイドルとしてテレビ・映画に出演中。著書に『アイドル墜落日記』(洋泉社)、キングオブコメディ・高橋健一との共著に『卑屈の国の格言録』(サイゾー)。ネットテレビ『小明の副作用』(サイゾーテレビ)出演中。

またまた大物スター初参戦でヒートアップ!!!『エクスペンダブルズ3 』

ex1101.jpg
(C)EX3 Productions, Inc. All Rights Reserved.

 今週取り上げる最新映画は、人気アクションシリーズ最新作と、ドラキュラ誕生を新解釈で描く歴史エンタテインメント。名だたるスターたちのリアルなファイトに熱くなる中、中世の戦場を舞台にVFXを駆使したバトルに驚嘆するか。好みに合わせて、スケールの大きなアクションをお楽しみいただきたい。

続きを読む

サブコンテンツ

このページの先頭へ