「06連載」の記事一覧(94 / 203ページ)

3.11後の格差社会、上から見るか下から見るか? 岩井俊二の帰還『リップヴァンウィンクルの花嫁』

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黒木華主演作『リップヴァンウィンクルの花嫁』。岩井俊二監督の演出のもと、流転のヒロインを黒木はのびのびと演じている。

 小学校の校庭で、鉄棒の逆上がりが初めて出来たときの喜びを覚えているだろうか。足が宙に浮き、頭が後ろから地面へと向かい、ぐるんと世界が反転して見えた。今までとは異なる風景を手に入れた感動があった。ちょっとしたコツさえつかめば、それまでとは異なる視点を持つことができ、世界はまるで違ったものへ変わっていく。岩井俊二監督の久々の実写映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』は、世界を逆さまにして、ひとりの女性の冒険を眺める物語となっている。

 岩井監督はTVドラマ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(93)で脚光を浴び、劇場公開作『LOVE LETTER』(95)、『スワロウテイル』(96)、『リリィ・シュシュのすべて』(01)といった斬新かつ繊細な作品の数々で映画界をリードしてきた。盟友・篠田昇撮影監督との最期のタッグ作となった『花とアリス』(04)以降、活動の拠点を北米に移し、『ニューヨーク、アイラブユー』(09)や『ヴァンパイア』(12)などの英語劇に取り組んでいた。長編アニメ『花とアリス殺人事件』(15)で日本映画界に復帰するが、日本を舞台にした実写映画は『花とアリス』以来12年ぶりとなる。

 岩井監督は『花とアリス』の後、日本で映画を撮らなかった理由のひとつに、当時の日本社会が息苦しかったことを挙げている。ゼロ年代にはKY、空気を読むといった言葉が流行した。場の空気を読んで、物言わずとも各人がそれぞれ割り振られた役割をまっとうする。日本社会ならではの風潮だが、そんな閉塞的な社会状況に岩井監督はつまらなさを感じていた。マイノリティー的な立場から自分がいくら言葉を発しても、社会にはまったく届かないんじゃないかと。それなら新しい世界へ出ていって、外から言葉を発したほうが、もっと鮮明に言葉は響くんじゃないか。そんな想いでLAでの生活を始め、セルフプロデュースによる『ヴァンパイア』を製作していた。だが、そんなとき、岩井監督の故郷である仙台を含む東日本一帯が大震災に見舞われた。

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仕事を失い、結婚に失敗し、住む場所さえなくなった七海(黒木華)。『不思議な国のアリス』のように自分の知らない世界を冒険することに。

 震災をきっかけに岩井監督は帰国し、日本社会にもう一度向き合うことにした。日本社会に大きな打撃を与えた津波そのものをテーマにすることも考えたが、岩井監督ほどの才人でもあの大震災をすぐにはフィクション化することはできなかった。そこで生まれたのが、3.11後も依然として存在し続ける保守的な日本社会をこれまでとは異なる視点で見つめてみようという物語だった。この国を長い間支えてきた、でももうあちこちに綻びが生じている終身雇用、婚姻制度、家族関係、そして3.11後によりあらわになった格差社会を、ひとり若い女性の目線を通して岩井監督は見つめ直していく。

 主人公の七海(黒木華)は学校の教師。とはいっても臨時教員で、生活は不安定極まりない。七海の自信のなさを生徒たちは見透かして、笑いのネタにして楽しんでいる。七海は出会い系サイトで知り合った男性・鉄也(地曵豪)と慌ただしく結婚し、先方の母親(原日出子)の希望で専業主婦となった。臨時教員をクビになった七海には願ったり叶ったりだった。スマホひとつで七海は、主婦という立場と快適なマンションでの生活を手に入れた。だが、簡単に手に入れた幸せは、失ってしまうのも一瞬だった。夫と義母から七海は浮気を疑われ、マンションから追い出されるはめになる。七海はワケがわからないまま、幸せな新婚生活から不幸のどん底へと転落していく。

 食べていくために七海は、SNS仲間である“なんでも屋”の安室行舛(綾野剛)の紹介で、赤の他人の結婚披露宴に出席する代理家族をはじめとする怪しいバイトに手を染めることになる。日雇いでのバイト生活に加え、借金も背負い、不幸が雪だるま式に膨れ上がっていく。でも、代理家族のバイトでは、血の繋がりのない初対面の人たちと家族を演じ合い、七海は心地のよさを感じる。七海の姉を演じた自称“売れない女優”の真白(Cocco)という面白い女性とも仲良くなった。教師や専業主婦をしていた頃は、自分が他人からどう見られているかばかり気にしていたが、今はその日その日を生きるのが精一杯で他人の視線を気にする余裕すらなくなった。下流へ下流へと沈んでいくうちに、七海の人生は底抜けに愉快なもの、ワクワクするものへと変わっていく。

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七海は従来の価値観に縛られず、新しい人生を歩んでいく。3.11後の社会に希望を見出そうとする岩井監督の心情が投影されたキャラクターだ。

 世間一般から見ると、七海はあまりにも世間知らずで、幸せの崖っぷちから不幸のどん底へと真っ逆さまに墜落しているように映る。でも、岩井監督にしてみると、「逆から見れば、ぐんぐんと上昇している」女の子の物語なのだ。何が幸せで、何が不幸かは世間ではなく、自分自身が決めればいいこと。七海は世間的な幸せを失った代わりに、ぐんぐんと自分だけの幸せへと近づいてく。黒木華演じる七海は、序盤は周囲に流されてばかりいた頼りなさげな女の子だったが、なんでも屋の安室や代理家族で姉を演じた真白といったワケありな人たちと出会い、新しい世界を体験する。物語の後半には七海は大きな海でも裸で泳いでいけるほどのタフさを身に付けるようになっていく。

 岩井監督のブレイク作『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の少年たちがそれまでとは異なる視点から打ち上げ花火を眺めたように、本作の主人公である七海もそれまでの人生をリセットし、異なる視点を手に入れる。彼女の前には真新しい風景が広がっている。そこはとても風通しのよい世界だった。
(文=長野辰次)

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『リップヴァンウィンクルの花嫁』
監督・脚本/岩井俊二 撮影/神戸千木 出演/黒木華、綾野剛、Cocco、原日出子、地曵豪、和田聰宏、金田明夫、毬谷友子、佐生有語、夏目ナナ、りりィ配給/東映 3月26日(土)より公開 
(c)RVWフィルムパートナーズ
http://rvw-bride.com


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台湾娘の半値でヤレる!? 台湾で82人の中国人“売春雑妓団”を一斉摘発!

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台湾移民署によって連行される大陸の売春婦たち(イメージ画像)

 2011年、台湾への個人旅行が解禁されて以降、多くの中国人観光客が同地を訪れるようになった。14年には400万人(延べ人数)を超え、年々増加傾向にある。日本への“爆買い”同様、台湾でも多くの中国人観光客が旺盛に消費活動を展開する中、マナーをめぐる問題も多く、日台は同じ課題を抱えているといえよう。一方、観光以外でも中台間の人の往来は劇的に増え、ビジネスや文化交流などで多くの中国人が台湾に渡っている。

 そんな中、あるニュースが注目を集めている。中国大陸から渡ってきた「過去最大規模」となる、売春婦82人が一斉に検挙されたのだ(「自由時報」3月13日付)。彼女たちは台湾移民署に「雑技団及び舞踏団の文化交流」という目的で入国申請をしていた。台湾メディアは「雑技団ではなく、雑妓団だった」などと報じている(「妓」は中国語で娼婦の意)。

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地方政府幹部も現役市長も、みんなジャンキー! 中国官僚の薬物汚染「官毒」が深刻化

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メディアのインタビューに答える元市長。話が家族に及ぶと、涙を浮かべ後悔の言葉を口にした

 日本でも、芸能界やスポーツ界の薬物汚染が問題となっているが、お隣中国では政府高官の間で違法薬物が蔓延している。

 昨年4月には、湖南省臨湘市の現役市長が違法薬物を乱用したとして逮捕されている。使用されたのは、日本の法律上、覚せい剤に分類される薬物とみられる。

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“ナッツ財閥”の横暴っぷりはお家柄!? 今度は父親が副機長に暴言で「この親にしてこの子あり」の声

<p> 大韓航空の元副社長・趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏による“ナッツリターン事件”も世間からすっかり忘れ去られた今日この頃だが、今度はそのナッツ姫の父親である趙亮鎬(チョ・ヤンホ)韓進グループ会長の発言が物議を醸している。</p>

<p> 発端は、大韓航空の副機長が自身のFacebookに投稿した記事だ。「ある方から、パイロットは1カ月100時間も働かないくせに、億単位の年収を稼ぐと言われました。それで、今日はパイロットがフライト前にどんな仕事をするか、何を見ているかについて書いてみます」と、パイロットが行う複雑な業務を細かく説明している。</p>

国連の女性差別撤廃要求は、単なる“反日運動”!?「日本の漫画を読んでみれば……」

<p> こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。</p>

<p> 3月7日、国際連合女性差別撤廃委員会(以下、委員会)は、韓国の従軍慰安婦に対する日本側の対応を不十分とし、昨年末の日韓合意についても「被害者を中心に据えたアプローチを採用していない」と批判しました。</p>

<p> 慰安婦問題を皮切りに、性的暴力を描写したビデオや漫画の販売禁止、セクハラおよび妊娠・出産を理由とした違法な解雇、年金の男女格差など、日本の女性差別問題に対する見解を発表した委員会に、僕は大きな違和感を持ちました。これらはあくまで日本国内の問題で、国連が指摘すべき世界的に影響を及ぼす問題ではありません。さらに外国に目を向けると、より深刻な女性差別が根付いている例があります。<br />
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Facebookで金髪美女にほだされた韓国人男性、1,000万円だまし取られる

<p> SNS上で結婚詐欺に遭うという前代未聞の珍事件が、韓国で起きた。同事件の被害者となったのは、日本で会社員として働く韓国人男性A氏(56歳)。</p>

<p> 昨年6月、A氏はFacebook上で知り合った韓国在住の女性B(34歳)と、メッセージを頻繁に交わす仲になった。なお、Bのプロフィールには、金髪の美しい女性の写真が掲載されていたそうだ。メッセンジャーでやりとりをし始めてからしばらくすると、BはA氏に対して、次のような話を切り出したという。</p>

<p>「父親が私に金塊120㎏を遺産として残した。その金塊はアフリカ・ガーナにある。それを韓国に搬入してあなたと一緒に暮らしたいのだけれど、持ち出しに費用がかかるの」<br />
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2年前に大学を卒業したはずが……担任に学費を横領され、「未納退学処分」になっていた!?

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担任から以前受け取った偽の卒業証書を記者に見せる曾さん

 偽札に偽ブランド品など、偽モノに関する話題が絶えない中国で、今度は偽卒業証書が出現した。

 中国の大学には「専科」と「本科」があり、専科は短期大学に相当する学歴で学士の学位も授与されないため、専科で学び終えた後に試験を受けて本科に入る人もいる。

「羊城晩報」(3月11日付)によると、2012年に広東科技学院の専科を卒業した曾さんが、2年後に本科に進学するために卒業証明書の発行を請求したところ、学費未納を理由に退学処分になっていたというのだ。

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橋本環奈にそっくり!? 韓国格闘技界に“かわいすぎる女子高生ファイター”降臨! 

<p> 韓国格闘技界に、ニューヒロインが誕生した。それも、1999年7月生まれの16歳の女子高校生だ。名前はイ・イェジという。そのルックスが人気アイドル歌手IUに似ていることから話題になり、“格闘技界のIU”“かわいすぎる女子高生ファイター”として、格闘技ファンの間で人気を呼んでいる。</p>

<p> 実際、一見すると、まだまだ初々しさが残る女子高生だ。身長155cm、体重45kg、ウエスト56cmと、決して大きくもない。だが、脱いだらスゴい。なんと、太ももの太さはウエストと同じだという。<br />
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映画に出演した冨手麻妙、今野杏南、清水あいりの直筆サイン入りTENGAが当たる!

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『みんな! エスパーだよ!』『デトロイト・メタル・シティ』などの人気漫画家・若杉公徳による描き下ろしの「みんな! エスパーだよ! Tシャツ」が3月16日に発売された。

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 同マンガは13年に園子温が監督を務めテレビドラマ化され、その後映画にもなった大ヒット作である。童貞(と処女)の超能力者達による、下ネタ全開の超能力バトルが繰り広げられる、SFコメディ作品だ。

 そしてこの度『映画 みんな! エスパーだよ!』のDVD&Blu-ray発売にあわせて、TENGAとのコラボTシャツが実現した。

 Tシャツにプリントされたイラストは、主人公の鴨川嘉郎(かもがわよしろう)が、「LOVE ME TENGA Tシャツ」を着用した、漫画にも出てこない描き下ろしデザインとなっている。

 販売はTENGA公式オンラインショップと、大阪・難波と、東京・秋葉原にオープンしたばかりの、TENGA SHOPにて限定販売となっている。

 さらに、コラボTシャツ発売を記念し、『映画 みんな! エスパーだよ!』にも出演したグラビアアイドルの冨手麻妙(とみてあみ)さん、 今野杏南(こんのあんな)さん、清水あいりさんの直筆サイン入りTシャツと、TENGA・ディープスロート・カップ、さらに初回限定生産版のDVDをセットでプレゼントするキャンペーンが開催されている。

 TENGA公式オンラインショップ限定で行われるプレゼントキャンペーンのため、応募ハガキをゲットしたい方は、必ずTENGA公式オンラインショップで買うように!

 ちなみに、本作はコメディ要素だけでなくシリアスなSF要素も含んでおり、漫画版のラストに向けてのシリアス過ぎる展開は、映画版とはまた違う面白さがあるので、ぜひそちらもチェックするべし!

●キャンペーン特設サイト
http://tenga.co.jp/campaign/esper_t/

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“離婚大国”韓国で児童虐待が止まらない! 「しつけ」と「体罰」をはき違える継父母たち

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 韓国で児童虐待が急増している。韓国・保健福祉部や警察庁などが発表したところによると、2010年に把握された児童虐待の件数は5,657件だったが、14年には1万27件と、4年間で77%も増加したことになる。

 韓国では、昨年にも凄惨な児童虐待および死亡事件が相次いだ。例えば、3カ月もの期間にわたり、真冬のバスルームに7歳の子どもを閉じ込め死亡させた後、山に埋めた「シン・ウォンヨン君殺害事件」や、13歳の女子中学生に暴行を加え死亡させ、死体を11カ月もの間放置した「富川市ミイラ事件」などがある。

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