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超極秘、シルクラボ撮影現場に突撃キュウ!! 可愛い系男子の最前線・注目俳優長谷川直輝の本気勃ち

おっぱーい、みんな陽気なゴールデンウィーク、ついに始まったキュウ。
あたしは特に大型連休を満喫する予定はないキュウ。
先日のシルクラボイベントレポ同様、あたしは筆を走らせるのみキュウ……

渋谷から原宿を通過するタクシー、道路は大渋滞……。

あたしはいらついていたキュウ。

なかなか進まない、前に、myway、みたいに!……思わず韻踏んでラップしたくなるある平日の午後16時! 車酔い体質なのと腹減りすぎなのと芳香剤のオイニーとで、だんだん気持ち悪くなってきたキュウ。これだから個タクは嫌いキュウ。早く大金持ちになってお抱え運転手つきのマイカーが欲しいキュウ。黙ってても金が入ってくる仕組みを構築するしかない、キュウ。

ゴォォォォォ(林真●子ばりの野心キュウ)。

吐き気と戦いつつ揺られること数分、「お客さん、着きましたよ」。ナビが示しているのはほっそ~い歩道しかない、超過密住宅街。おろされたはいいが何がなんだかわからない東京砂漠で迷子状態キュウ。ついでにウンコしたくなってヤバいキュウ。

でも、でも、あたし何としてでもたどりつかなきゃいけないキュウ!
なぜなら、今日…
あたしの目指しているのは…

シルクラボの作品撮影現場なのだから!!!!!!!

キュキュウーーーーーーー!
ついた! ついにこの日がきたーーーーーーー

しQ、シルクラボの極秘撮影現場に初潜入だキュウ♪

一見、ごく普通の民家と間違ってスルーしてしまいそうなハウススタジオの玄関をあけたら、まずエロメンアニキ月野帯人a.k.aツッキーの姿が目に飛び込んできたキュウ。おひさしキュウ~。

本日あたしがお邪魔するのは、ちょっぴりソフトで胸キュン必至なレーベル「COCOON」の撮影。主演はお肌ツルツルで若さあふれる新人・長谷川直輝キュン!

夏印の人気デュオメンバー北川●仁にクリソツ!? いやいやまだ青い少年ぽさは永遠のオトナコドモ・ミ●チル桜井●寿に似ているかもキュウ~!? はたまたニュース番組でスーツを着こなして活躍する4人組ジャニグループの優等生風味も感じるキュウ~。いずれにしろ、母性本能こしょこしょ系のイケメンであることには間違いないキュウ!

あたしはシルクスタッフFさんから、「乳首に注目してください。ビンビンです」との事前情報を入手しているキュウ。
脱げ、早く脱げキュウ、乳首を照明に照らされるがいいキュウ……!!!!!

◎ここが現場です

あたしが潜入したとき、撮影は1時間ほど押していて、直輝演じる「タイキ」が、同窓会に出かけたまま深夜まで帰ってこない彼女「チカ」(同棲中キュウ)にやきもきしているシーンを撮っているところだったキュウ。

いかにも男女二人暮らしの1DK、って感じのセットが組まれ(テレビ、ソファ、ベッド、小さなカフェテーブル)、スマホを握ってうだうだしているタイキ。

そこに容赦なく入るダメ出し!!!!

「ちょーっとそこはさ、『何時だと思ってんだ!』じゃなくて、『何時だと…思ってん、だ…よ』ね。はい、もう一回いってみようか」

KINO監督の白熱する演技指導、シビアな空気があたりにはりつめ、めっちゃ寒気を感じたキュウ。
真剣そのものっていうか仏頂面の技術スタッフたちが緊迫感を煽るキュウ。
緊張感半端なくて危うくうんこ漏らしそうになったキュウ……。

タイキは少女漫画さながらの独り言をつぶやくシーンで照れまくり、なかなかOKカットが出ないのキュウ、ハラハラもんだキュウ。あ~ん照れてるイケメンってそりゃ当然可愛いキュウ、早く脱げキュウ、乳首見たいキュウ、はぁはぁはぁはぁ~~~ん。

無知なしQはよく分かってなかったけど、ひとつのシーンでもいろんなカットを撮るキュウ。全身がうつる“引き”のカットと、スマホをいじくる指先だけの“寄り”、男の表情アップ、背中越しのスマホ……何度も同じセリフと演技を繰り返す役者も、あらゆるカットから音と画を撮る・録る技術さんたちも、うまいこと編集するスタッフもスゴいキュウ。あたし震えてきたキュウ。

そしてチカはまだ帰って来ないキュウ……。

そんなこんなでタイキのぼっちシーン撮影がひと段落し、やがてタイキとチカの掛け合いがスタート! 大人たちがジーッと見守ってる中でいちゃこきムードを出そうと奮闘する役者さんってマジすごいキュウ。あたしだったらセリフどころか舌噛むキュウ。

まぁタイキも相当噛んでたキュウけど、チカは正直、ウマかったキュウ……。タイキのキョドりで何回やり直しになっても、チカはきっちりキメるキュウ。売れっ子セクシー女優は演技力も高い。しQ、覚えたキュウ。

さぁさぁチカも帰ってきたところで、まもなくお待ちカネの、か・ら・み!?

◎眼鏡おじさん率80%

って、絡みシーンに突入する前に、当然だけど役者さんのシャワータ~イム。

タイキとチカはスタジオ上階のシャワールームに移動し、KINO監督とシルクスタッフFさんも別室へ。

同棲ルームを模したスタジオ内に取り残されたのは、撮影現場初潜入のしQと、音声さん(渋いヒゲ眼鏡のおじさんで、短パンなのキュウ~)、カメラマンさん(これまた眼鏡のおじさん)、スチールカメラマンさん(眼鏡のおじさん)、照明さん(眼鏡のおじさん)。っておい、眼鏡のおじさん×4人キュウ!!!

話によると、女性向け作品の現場とは言え、この業界だとカメラマンなどの技術スタッフはさすがに男性ばかりらしいキュウ。
KINO監督によると、そのなかでもイケメン、シブメンのロマンティックおじさまたちをセレクトしてるそうキュウ。ぬかりないキュウ。
ADも全員女性にしてた時期もあったらしいキュウけど、重い荷物が負荷になりギックリ腰など大変だったらしいキュウ。重労働キュウ~。

そんなおじさんたちにびしばし指示を飛ばしていくKINO監督かっこいキュウ~。でも女優さんへの演技指導で「ここはチカはうっかり八兵衛だからさ、もっと八兵衛して!」って言ってたキュウ、チカ役の女優さんはたぶん若いから水戸黄門とかわかんないと思うし「うっかり八兵衛」がどういうリアクションかあたしにもわけわかめキュウ~。

……ふぅ、シャワー待ちの時間が30分ほどだったキュウ。

照明さんとスチールカメラマンさんは上階に消え、音声さん、カメラマンさん、あたしの3人が残っていたキュウ。眼鏡、眼鏡、非眼鏡。

リアル実況したいから持ち込んだノートPCでメモをとり続けるあたしのタイピングの音だけが響く静寂の中、カメラマンはソファに寝転がってスマホをいじり、音声さんはベッドにごろんとしてスマホをいじっていたキュウ。あたしたち、まじわらないキュウ。

と思ったら階段を軽やかに駆け下りる音。

登場したのは若いAD男子で、「月野さんに乳首触られちゃったっす~」と浮かれポンチなことを言いながらにわかに着ていたTシャツを脱いで上半身裸に!

眼鏡のおじさんたちは「ハハハ月野はしょうがねえなあ~」「服着ろよな~」とかちょっと面倒くさそうなフリをしていたけど、キャッキャうふふの和やかな空気が生まれた瞬間だったキュウ。

あたしはそれを遠くから見つめて(動画撮りてえ)と思っていたキュウ。

◎ついにはじまる濡・れ・場

30分のシャワー休憩を経て、再びスタジオ内には張りつめた空気が戻ってきたキュウ。

台本には「※ここからチョメチョメ※」と書いてあるキュウ。

彼氏・タイキの嫉妬を感じ、お互い思い合っていることを再確認、うれしくて浮かれポンチになっている(byKINO監督)彼女・チカと、嫉妬心によって情熱が高まっているタイキのいちゃこらエッチターイム!

ふと気付けば、音声さんもカメラマンさんも職人の顔に戻っていたキュウ……ごくり。

さぁさぁキッスシーンから撮影再開。
唇をついばむ音だけが響き渡る密室。

ちゅぷ…ちゅぷ…

キュウウウウウウーーーーーーーー

こんなに音を立てるキス、久しくしていないキュウ!
てか音ヤバイ、音だけでエロいキュウ~~~~~~~~
どうして、ただの音なのに……ッ

ベッドに倒れ込んでからもキスキスキス。

たーだーし、情熱そのまま気の向くまま、とはイカないのが女性による女性のためのこだわりが詰まった作品。KINO監督の細かい指導がどんどん入るキュウ。

「もっと左側を舐めてみようか」
「鎖骨のあたりね、そうそうそう」

キスごときでキュンキュン高まっていたウブなしQとは桁違い、どこまでも冷静キュウ。
だけど監督は長い長いキスシーンにはストップをかけず、超長回しの果てに「いいね」とにやついたキュウ。オッケーテイクきたーーーーーー監督かっこいキュウ~~。

そしてFさんの言っていた通り、タイキの乳首は!!!!

ナイスなピンコ勃ち~~~~☆☆☆

期待以上のグッド・ニップルにしQカンゲキ。
そっと含んで転がした…い……

キスからのワンピ脱がし、ブラ外し、そして股間に仔犬のような顔をうずめてチカへの愛を表現するタイキ。
一連の流れを、至近距離でさっきの眼鏡おじさんスタッフたちに囲まれながらやってのけるタイキとチカはやっぱり凄いキュウ。

惰性のセックスなんか見せてもしょうがねえ、とばかりに、ひとつひとつの行為に意味があり、KINO監督から指示が飛ぶ。それに全力全身で応えるタイキとチカ。この熱量でつくられたシルク作品が、魅力的でないワケなかったキュウ~~~。

撮影終了後も頭がポーッとして、(ドンキ寄って電マのアタッチメント買って帰ろ……♪)と思ったのは秘密だキュウ。
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■作品情報

「COCOON」長谷川直輝 lonely

【出演者】 長谷川直輝 通野未帆
【ストーリー】すれ違いが多いため、忙しくても一緒にいられるようにと同棲をはじめた二人。お互いに良い感じの距離を保ちつつ暮らしていた。ある日珍しく土曜が丸一日休みになりそうだったタイキが久しぶりのデートを提案すると、チカは同窓会があるという…。男らしく送り出したものの、久しぶりの一人の時間はなんだか寂しくて…。

「ヴァギナが2つありますが、なにか?」女性Redditユーザーが激白した驚愕セックスライフとは?

【不思議サイトトカナより】

uterusdidelphys1.JPG
画像は「Daily Mail」より

 以前、このサイトで紹介した“2つのヴァギナを持つ美人YouTuber”カサンドラ・バンクソンさん(23歳)を覚えているだろうか? 極上の笑顔でもって、あっけらかんと自身のプライベート・パーツの秘密について語る美女といえば、おわかりかもしれない。筆者も個人的に大ファンなのだが、今回はそのカサンドラさんと同じ身体的特徴をもつ新たな女性の登場だ。

■子宮と子宮頸部と膣が2つずつある「完全重複子宮」

続きは【トカナ】で読む
        
         

ベッキーの直筆手紙に見る“抜けてる”点とは? 不倫された妻への配慮不足と復帰への焦り

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「恋愛関係だったというべきでした」ベッキー
(「週刊文春」2016年5月5日・12日 ゴールデンウィーク特大号、文藝春秋)

 仏作って魂入れず。用意周到に準備したようで、肝心な部分が抜けていることを表すことわざだが、ベッキーを表すのに、これほど的確な言葉はないように思える。
 ゲスの極み乙女。・川谷絵音との不倫騒動で休業に追い込まれたベッキーが、不倫をすっぱ抜かれた大本である「週刊文春」(文芸春秋)からの再三に渡るインタビュー要請に、手紙でもって回答した。

 パソコン全盛の現代に、ペン習字の見本のような美しい手書きの文字。相変わらず、「心がこもっている」とされることの実践に余念がないが、内容が「抜けてる」のである。

 手紙において、ベッキーは川谷の妻に会って謝罪したいと述べているが、妻側に面会を拒まれているため、それが実現できていないという。不倫は妻の権利を侵害する行為であるから、“被害者”である妻に“加害者”ベッキーが謝罪をするのは、理屈の上では正しい。

 が、常識で考えてみてほしい。結婚生活をめちゃくちゃにした不倫相手に会いたいと思う妻はほとんどいないし、顔を見たら理性を失って、余計に憎悪が募るのが人情というものである。おそらく、ベッキーは「心をこめて謝れば、きっと誠意は伝わる」と考えているのだろうが、それはベッキー側の理論であって、不倫された妻に対する配慮があまりにもない。

 もう一つ、ベッキーの「抜けてる」ところ。それは不倫をしていないと嘘をついたことについて、本当の意味で謝罪していない点である。正月に既婚男性(川谷)と、その実家に遊びに行った時点で、ただならぬ関係であることを予想させるが、ベッキーは記者会見で川谷とは友人関係であると貫き通した。あの発言を真に受けた人はそういないと思うが、「文春」の続報(LINEの流出)によって、友人関係が嘘であることが裏付けされてしまった。

 嘘をつくことは必ずしも悪いとは言いきれないが、バレてしまった嘘は罪悪である。必要以上に長いお辞儀や、謝罪会見のお約束、白いブラウスを着る(心理学的に謝罪会見に向く色は、黒と白だそうである。余談だが、酒井法子や矢口真里も、黒や白×黒という組み合わせで会見をしている)など、例によって会見では「心をこめて」謝罪したわけだが、嘘の露見で、ベッキーはさらなる窮地に追い込まれることになった。

 ベッキーは謝罪代わりに、手紙の中で川谷との関係を「恋愛関係だったというべきでした」と書いているが、この「うっかりミスです」とでも言いたげな表現、不用意すぎるという意味で、やっぱり「抜けてる」としか思えないのだ。

 早く禊を済ませて、許されたい。早く復帰したい。ベッキーは焦っているように、私には感じられる。だからこそ、川谷の妻と会って「あなたを許します」という言葉を引き出して世間に公表する必要があるのだろうし、インタビューでおかしな言質をとられないために、書面での回答としたのだろう。が、川谷の妻や世間に許されることと、復帰することは同一線上にはない。なので、この2つを同時に追い求めると、どんどん復帰は遠のくと思うのだ。

 もし、ベッキーが本気で川谷の妻に許されたいと思うのなら、直接妻に会わず、間違っても手紙なんて渡さず、弁護士に間に入ってもらって不倫の慰謝料の相場に“気持ち”を加えたまとまった金額を、川谷の妻に渡すことが一番“誠意”が伝わると思う。

 そして仕事復帰したいのであれば、「すみません、嘘ついてました」と謝るか、何を言われようが平気な顔でいるしかない。そんなことできないというのなら、完全にほとぼりが冷めるであろう来年の今頃まで待って、「婦人公論」(中央公論新社)で独占告白(「試練が私を育ててくれた」とか「支えてくれる家族がいたから」とかそんな感じの見出しだろう)するか、桜の季節に瀬戸内寂聴の住む寂庵で対談し、センセイに慰めてもらうのが良いだろう。

 みんなに許してもらうことなんて、どだい不可能なのである。オファーがなければ仕事として成立しない世界ではあるが、ベッキーに「抜けてる」のは、何が何でも復帰したいという“覚悟”に思えてならない。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。最新刊は『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)。
ブログ「もさ子の女たるもの」

「KABA.ちゃん、性別適合手術で女性になれてよかったね」という報道に社会的意義はあるのか

タレントのKABA.ちゃんがタイのバンコクで、性別適合手術(性器の形状を変えるなどのいわゆる性転換手術、以下SRS:Sex Reassignment Surgeryと略して記す)を受けたとの報があった。彼女は以前から整形手術などを行い、生来の男性の身体の女性化を進め、また戸籍変更も目指していた。4月10日放送の『ノンストップ!』(フジテレビ系)で、SRS前後のKABA.ちゃんに密着した15分ほどの取材動画が流れていたので、今回取り上げたい。

筆者も彼女と同じく、男性として生まれて女性化したMtF(Male to Female:男性から女性化する)トランスジェンダーだ。2012年にバンコクでSRSを受け、その後は毎年、同様にバンコクへ渡航するMtFに同行し、取材を重ねている。動画を見てみると、ネットでも散見される「女性になれて良かったね」という楽観的なムードに酔っていては見えない、MtFにありがちな困難な現実が漂っているように思われた。

◎誰がスカートを履くことの違和感を生んでいるのか

KABA.ちゃんはSRS前の取材で「もう次からスカート履けるし」「今住んでるマンションから(スカート姿で)出るときもすっごい気になりますもん」と発言していた。手術をし、戸籍の性別を変えることで(戸籍と身体が男性である)自分がスカートを履くことの違和感を解消できるのではないか、と示唆する発言を続けて吐露している。しかしこの違和感は、彼女自身に問題があるのではなく、彼女を「女装」と揶揄したり「オカマ」と嘲笑する周囲からの視線によって生み出されているのではないだろうか。

KABA.ちゃんは、規範的な性別の在り方を越境するゲイ、ニューハーフ(本稿では、水商売、風俗に従事するMtFトランスジェンダーを指す)、女装家といった人々を乱暴にひとくくりにする「オカマ」「オネエ」という芸能人カテゴリーを売りにしてきた時期が長い。女性化する過程で見知らぬ人から「KABA.ちゃんが女装してた」と笑いの的にされる経験を苦く噛み締めてきたのではないだろうか。

MtFは、男性的なしっかりとした骨格を持つ場合が多く、その生来の顔かたちのまま化粧や女性装をすると、傍目にはトランスジェンダーだとわかってしまう。MtFの当事者から、日常生活ですれ違った他人から「なんだ男か」と吐き捨てられたり、背の高さや声の低さを指摘されることに怯える声を何度も聞いたことがある。こういった周囲からの認識がネガティブに働くと、コミュニケーションに不全が生じ、KABA.ちゃんのように自身がスカートを履くことに違和感を覚えるようになるのではないだろうか。

◎「パスする」ためにはじまり、繰り返される整形

『ノンストップ!』では、4月10日以前からKABA.ちゃんのトランジション(性別移行)を取り上げている。SRSの日程決定を報告した2016年2月15日の放送で彼女は、あごと頬骨を削った結果、たるんだ皮膚をリフトアップしたという話をしていた。

性別を移行していると周囲にバレないことを、俗に「パスする」と言われている。MtFの場合、パスするために整形手術を受けるケースも多い。女性にはかわいい、きれいであるべきという規範があり、男性より丸みがあると言われている。だから自身の顔から男性性を除去しようと、骨格を変えたり、額にシリコンを入れて丸みを加えたりしようとするMtFもいる。

KABA.ちゃんも「女性らしいラインにしようと思って」「すっぴんになった時にも女性らしい顔つきになっておきたい」と言っていた。そんな彼女に対し共演者は「変わってないよ」と笑い者にする。これは一般的なMtFにも見られるやりとりだ。生来の女性と比較され、「やっぱりそういうところが男だよなー」とイジられることも、ままある。

KABA.ちゃんを見ていると、コントロールできない他人からの視線の代わりに自分の身体を変えようとしているように思われる。外見が女性にしか見えない状態になれば、不当に貶められることはなくなり、認められるのではないかと期待して、整形を繰り返すMtFは珍しくない。KABA.ちゃんは声帯の手術も受けるようだが、MtFにとって高い声への変化は「かつて男性だった」とバレないようにするためである他に、女性性で固めていけばいちいちイジられずに済むという意味合いも大きいのではないだろうか。

◎「性同一性障害」と「トランスジェンダー」

ここで、トランスジェンダーと、SRSやそのプロセスにまつわる基本的な情報をおさらいしておきたい。

生まれたときに与えられる性別に違和感を抱き、性別を移行する人を一般的に「性同一性障害」という。これはアメリカ精神医学会による“Gender Identity Disorder”(GID)を翻訳した医学用語だ。日本では、母体保護法によって、理由なく生殖能力を失わせてはいけないという縛りがあるため、性別違和を病理化することでホルモン投与やSRSなどの医療行為を供給する正当性を持たせた。精神科医によってカウンセリング受け、「性同一性障害」と診断されることで、合法的に医療行為を受けられる免罪符を得る、と考えたほうがいいかもしれない。

しかし、「性同一性障害」と呼ばれることで病気扱いされるのを嫌がる人々がいる。それは「障害」という言葉に対する「異常で治されるべきもの」というネガティブなイメージがつきまとうからだろう。性別に対する違和感を障害、つまり病気とくくってしまうと、ホルモン投与やSRSを受けることこそが「正しい治療」とされ、「医療行為によってトランジションするべきだ」という規範を作ってしまいかねない。当事者の中には医療技術を用いなくてもいい、服装を変えたりすることで社会的にジェンダーを移行できればいい、という人も少なからずいる。

「性同一性障害」という病理のラベリングに抵抗する人々が好んで使うのが「トランスジェンダー」という言葉だ。これは医療による変化に限らず性別(ジェンダー)を移行する(トランス)、変える人を広く指す言葉であり、かつ当事者自身が名乗りはじめた呼称という歴史的背景がある。読者の皆さんも、自分のことを「この人は◯◯で……」と勝手にカテゴライズされ、紹介されて嫌な気持ちになったことはないだろうか? 本稿はじめ、わたしが普段から「トランスジェンダー」という言葉を使うのは、他人からレッテルを貼られて類型化された言葉ではなく、多様性も含もうとする当事者からの意志が込められた、積極的な呼称だと考えるからだ。

わたしが性別違和を意識したのは1997年で、翌年国内ではじめて合法的なSRSが行われた。田舎に住み、自分が何者かわからず精神的に追い詰められていたとき、「性同一性障害」という言葉に出会って救われたのも事実だ。性同一性障害にしろ、トランスジェンダーにしろ、当事者自身がどの呼称を名乗るかは、尊重されるべきだ。

◎トランジションは自己責任なのか

KABA.ちゃんの話に戻ろう。密着取材でKABA.ちゃんは、SRSや戸籍の性別変更について「やってみないとわからない」と言っていた。これにはわたしも同意する。体毛を除去したことではじめてショートパンツなど足を出す服装を避けていた自分を知ったし、何かの拍子に下半身が露わになって下着越しの男性器を見られることを恐れ、性器の形を変えるまでスカートを履けなかった。女性としてパスできるようになると、多くの人にとって見た目と低い声とのギャップが違和感をもたらすのだと気付き、無用な訝りを避けるために多少トーンを高くするようにもなった。

蔑視や嘲笑など他人からのネガティブな視線を変えるには啓蒙が必要だが、現実は一足飛びにはどうにもならない。だから、トランスジェンダーの当事者ひとりひとりにとって「ちょうどいい」ところまで、トランジションの過程をひとつずつ踏んでいくことも、現実的に必要になる。その効果は相手次第というところも大きく、だからそういう意味でも「やってみないとわからない」。

しかし、トランスジェンダーにとっての性別移行は、自己実現だと思われがちだ。だからサポートが必要な対象と見られにくく、自己責任に帰結されやすい。当事者自身も、そういった社会の空気感を内面化しているところがある。KABA.ちゃんも、手術について「自分で決めたことだし」と言い、姉との関係に話が及んだ際も「こんなあたしが自由に生きていることもちゃんと受け入れてくれてるし」と、ひたすらトランジションをすべて自身の咎のように引き受けて見える。

再三わたし自身の話で恐縮だが、手術に対して「良かったね」という言葉をかけられたこともあるけれど、その無邪気な祝福の声に微妙な気持ちを抱いていた。なぜなら、身体に深い侵襲をもたらす手術であるし、そのために百数十万ものお金を賭さなければならなかったし、比較しようがないけれど、やらなくて済む人生ならそのほうが良かったかもしれないと思うところもあるからだ。そうまでして変わった身体は生まれながらの女性とはやはり異なる、にもかかわらず、そうせざるを得なかったのだ。

MtFが整形を受ける場合、顔そのものには機能的な不備はないけれど、「男性と見なされる」顔立ちによって偏見にさらされ、社会活動に制限がもたらされるという意味で、障害が生まれる。それを取り除くための医療行為として整形の正当性が担保されると考えられる。けれどここに、美醜の価値基準のもとの自己実現という側面が絡みやすい。水商売などを生業とする「ニューハーフ」という在り方について、テレビ番組などメディアで、整形費用についてやノー整形であることがおもしろおかしく取り上げられる。無論、彼女たちの生き方を否定するつもりはないが、その余波で、トランジションが自己実現と見なされやすいとも言える。美容のためか、健康な生活のためか、整形する場合どこまで必要か、当事者個人だけでは線引きがむずかしい。そのとき、その整形手術に医療的正当性があるのかどうかを一緒に考える存在が必要だとわたしは思う。

精神面、身体面それぞれを横断して、トランスジェンダーに対するケアが充実されなければならない。トランジションするうえで、どういった医療技術があり、どういう変化がもたらされるかという情報を供給し、どういった形に寄せていけば良いのか考えるうえでのロールモデル探しに協力する。そのために、医師たちが症例を蓄積し、適宜、参考として当事者に教え伝え、共に考えるべきではないだろうか。

◎めでたしめでたし……?

KABA.ちゃんがバンコクで手術をしたように、多くのトランスジェンダーがタイに向かう。それは、圧倒的に手術量が多く、つまり概して技術面でクオリティが高いからだ。その一方で、トランスジェンダーのコミュニティ内で、「あそこの病院がいいらしい」といった内輪での情報をもとに、タイへの渡航が続いているという可能性も高い。実際、SRSは繰り返し行うものではなく、美容院のように比較検討ができないから、周囲の経験者の声を参考にするだろう心理は容易に予想がつく。その口コミに頼って手術した結果、不満に終わる話もよく聞く。他言語で手術説明を受けることのリスクがないとは言えない。

しかし、日本ではジェンダークリニックも執刀医も不足しているという声を聞く。また、トランジションの過程で知識や知恵が不足し、協力者が少ないだろう若いトランスジェンダーが置かれている状況では特に、学校における制服、生来の戸籍上の名前を基にした名簿、そこから派生して「くん/さん」と敬称が使い分けられる点呼、など、社会において考えるべき課題は多岐に渡る。

こういった日本の現状を伝えることなく、ひとりの人間が自己実現のようにSRSへと向かった、めでたしめでたし……に終始して見えた『ノンストップ!』でのKABA.ちゃんの密着取材に、果たしてどれだけの社会的意義があるのか? と首を傾げ、彼女の行く末を祝福したいと思いながら、仄暗くも見えてしまうのだった。

最後に。KABA.ちゃん本当にお疲れさまでした。お大事になさってください。
(鈴木みのり)

井上真央の私服が攻め攻めだった!? 実際に見た人物語るギャップとは?

 4月24日、一部スポーツ紙で「所属事務所退社」や「独立」が報じられた女優・井上真央。かねてから嵐・松本潤との交際が報じられており、結婚に向けた独立である可能性を指摘する声も飛び交っているが、27日発売の『週刊新潮』(新潮社)がその真相を掲載。また、実際に井上を見たことがあるという関係者からは、彼女の“意外な素顔”について聞くことができた。

 まず、『週刊新潮』によれば、実は井上の独立話が出たのは今回が初めてではなかったとのこと。3年ほど前からギャラをめぐって事務所との交渉が行われており、その中で井上はギャラが上がらないのならば他の事務所へ行くことも口にしていたそうだ。その後、井上が2015年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』の主演に決まったことで、交渉は一旦白紙化。しかし、昨年10月に同ドラマの撮影を終えた井上が再び独立を申し出、今回の報道に至ったという。

「また、『週刊新潮』も結婚話に触れていますが、松本の所属するジャニーズ事務所が『2人の結婚は今は認められない』と名言したということで、2人の結婚と井上の独立は関係がないと結論付けられています」(芸能ライター)

 いずれにせよ井上が渦中にあることは間違いないのだが、そんな中、ある芸能プロダクション関係者からは井上のプライベートについて興味深い証言が飛び出した。

「井上さんが、ある舞台をお忍びで訪れていたのを目撃したことがあるのですが、ファッションが奇抜で本当にビックリしました。テレビなどでは上品で落ち着いた印象を受け、てっきりプライベートもふんわりお嬢様のコンサバ系かと思い込んでいましたけど、実際は全身黒づくめに物凄く高いヒールを履いた、超モード系。攻めファッション女子そのものだったので、普段のイメージは事務所なりお母さんにやらされているのかなと思いました」

 井上の母親といえば、娘の独立後に個人事務所を立ち上げる際には“幹部”になるのではないかとも噂されている。

「イメージとはかなり異なっていましたが、それでも『井上真央だ』って気付けたのは、可愛らしい顔とのギャップで物凄く目立っていたからなんです。ちなみに、松本さんも席は違ったけれど、同舞台に一緒に見に来ていましたよ」(同)

 さらに、仕事の現場からは次のような話も。

「井上さんは楽屋や廊下などでは気配を消しているのですが、本番では一転してオーラ全開になる。舞台上で圧倒的な存在感を放つ、大女優タイプですね」(スタイリスト)

 29歳にして大女優と称される威厳を持つほどならば、むしろ“超攻めファッション”でも納得か。『週刊新潮』では、母親が独立に関しては認める発言をしているが、今後の井上が芸能界でも攻めのスタイルで突き進むのも見てみたい気がする。

「リア充でしたよ」潔癖症・人見知り・気難し屋のトリプルコンボ俳優・本郷奏多の意外な大学生活!!

 ドラマや映画に絶賛活躍中のイケメン俳優、本郷奏多。そんな本郷が今月23日、関東の大学サークルが集まるイベント「Freshman’s Fes 2016」に登場し、大学時代の生活について振り返った。そこでは「どちらかというとリア充寄りの生活を送っていました」「25歳の立派な成人男性なので、デートの1度や2度はありますよ」と語り、ネット上では「意外だなおい!」「イメージと違う!」といった声が上がっている。

 そもそも本郷は、ファンのあいだでは常識といってもいいほど有名な潔癖症で、人見知りで、気難しい男というトリプルコンボ。そんな本郷から飛び出た「リア充」や「デート」といった単語に驚きの声が上がるのも当然だろう。昨年8月に放送された『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演した際には、家に友人を招くときには玄関で着替えて欲しいと思っていることを明かしている。誰が触ったのか分からないものが生理的に受け付けないようで、電車の座席に触れた衣服を家のなかに持ち込まれることにすら、拒否反応が出てしまうとのこと。

 本郷は今回のイベントでも、「みなさん女性に料理を作ってもらいがちで、手料理というファーストステージがマストだと思ってるじゃないですか。いらないんですよ」とポリシーを語り、「(手料理を作るぐらいなら)コンビニでグミを買ってきてほしい」と豪語した。男は胃袋を掴んで落とせとはよく言われるが、本郷には通用しなさそうである。

 この調子で人付き合いも出来なそうな本郷だから、「学生時代はリア充」だった発言が驚かれるのも納得。ただ実際、大学では映画サークルを立ち上げて100人以上の部員を集め、まとめ上げていたという。変わり者に見られがちであるが、その人柄は非常に評判がよく、人望も厚い。千葉雄大や神木隆之介といった同年代の俳優と仲が良く「かなてぃ」と呼ばれていたり、hydeやGacktといった芸能界の先輩と親交が深かったり……人見知りを公言するものの、心を許した相手とはジャレ合うような一面が、これまたファンには魅力に映るのかもしれない。

 現在、恋人の有無は不明ながら、これまでに幾多の女性関係が噂されている。タレント・堺正章の娘であるモデルの栗原菊乃、女優でタレントの夏帆、さらに主要キャラクターの一人の役として出演した『NANA2』の女性スタッフとの交際がネットで囁かれ、同じ学校に通う一般人女性とキスをしている写真が出回ったこともあった。とはいえいずれも真偽は確定しておらず、イベントでは「外に出るのが嫌いなので、家にいたいし、そもそも人間があまり好きではないので、デートっていうか……人にあんまり会いたくない」と”本郷らしい”コメントも残している。

 その一筋縄ではいかないキャラクターがミステリアスな雰囲気を醸し出し、他のイケメン俳優とは一線を画す本郷。今後の活躍も楽しみである。

「青」が気になりすぎた男 ― 熊谷聖司の写真集が魂レベルで神秘的【写真多数】

【不思議サイトトカナより】

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BRIGHT MOMENTS』(マルクマ本店)。写真展情報は最終ページに掲載

 写真展「青について」が5月8日まで開催中の写真家・熊谷聖司の写真集『BRIGHT MOMENTS』は不思議な深みと広がりを感じさせる写真集だ。イメージを構成する主な要素は岩と空と水、そして女性の肌。そのどれもが青のベールで包まれたようにぼんやりと写し出されている。そこから感じ取れるのは世界の始まりだ。

 写真集は、岩に囲まれた水のなかに立つ女性の足を撮ったイメージから始まる。岩場、水面に浮かぶ女性の肉体、波、雲間から射す陽の光。個々の要素のどれかにフォーカスを当てるのではなく、写真全体で熊谷が捕らえたイメージを投げかける。

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嵐・松本潤、結婚は「3年後までない」!? 井上真央“独立騒動”めぐるジャニーズ側の思惑

 所属事務所「セブンスアヴェニュー」の事務所退社が伝えられた井上真央だが、そのきっかけは嵐・松本潤との結婚ではなく、金銭トラブルの可能性があったと27日発売の「週刊新潮」(新潮社)が報じている。同誌によれば、井上は数年前にも、所属事務所に移籍の意志を伝えており、今後は母親がトップとなる個人事務所を設立するのだという。

 井上の事務所独立については、24日に一部スポーツ紙で報じられた。同記事でも、独立の理由が松本との結婚であることは否定されていたが、独立の時期や理由など不明瞭な部分も多かった。

「これは発売日から考えても、『新潮』のスクープを潰すため、事務所側がスポーツ紙にリークしたものでしょう。その後、ほかのマスコミが井上の所属事務所に取材を行うも、担当者の携帯にすら電話がつながらない状況で、後追い取材が成功した社は皆無です」(スポーツ紙記者)

 「新潮」の記事では明言こそされていないものの、節々に「真央側」という言い回しが使用されていることから、独立の主導権は、現事務所でも井上自身でもなく、井上の母親にあるとみられているという。

「記事によれば、井上の年俸は2,000万円プラスCMギャラの約半分。ドラマ・映画での主演や単独CMなど、井上のポジションを考えれば、年収2億円はもらっていて差し支えないレベルです」(芸能プロ関係者)

 事務所と井上は弁護士を立てて話し合いを行っている段階で、独立話はジャニーズ事務所、副社長の藤島ジュリー景子氏にも伝わっていったという。また、2人の結婚についてもジャニーズ内で熟考されているようだ。

「同誌で証言するジャニーズ関係者によれば、嵐が事務所の稼ぎ頭であることを踏まえ、松本本人も『結婚はまだ早い』と考えており、少なくとも結成20周年の3年後までは独身のままという“大人の判断”をしているとのこと。しかし、『新潮』といえばSMAP独立騒動でメリー喜多川副社長の単独インタビューを掲載するなど、ジャニーズべったりのスタンスが散見される。結婚はまだ早いというのは、本人同士の意志などでなく“ジャニーズの意向”ということが透けて見えますね」(同)

 世間的には「結婚一直線」と見られていた松本・井上のカップルだったが、図らずも今回の独立報道で、少なくともジャニーズサイドにその意向はないことが判明してしまった。果たして両者は、この荒波をどう乗り越えていくのだろうか?

オザケン家の育児とは? 妻&母が「粉ミルク=資本主義の陰謀」と語り合う

 6年ぶりという全国ツアーも直前となり、オザケン(小沢健二)ファンの皆様におきましては、どのような心持ちでお過ごしでしょうか。90年代に一世風靡した渋谷系プリンスは今やすっかり中年になったにも関わらず、未だその吸引力は衰えないようで、約2年前の、16年ぶりというTV出演時には、うっすら涙を浮かべて感動に震えていた友人がそこそこいたものです。私はどちらかというと小山田君派ではありましたが、それでもオザケンが父になったニュースを聞いたときには「文化的価値のあるDNAが受け継がれてよかったよかった」くらいには、喜びました。

 オザケンといえば現在、かつての路線から真逆である〈エコや反グローバリズム〉な世界にどっぷりであるようですが、そんな小沢家で行われる子育ては、一体どんなことになっているのか、俄然興味も沸いてきます。岡崎京子を読み漁り、フリッパーズギターにときめいていた世代としては、あのプリンスは今! と、のぞき見したくなるのは当然のことですよね。

 そんなゲスい想いに応えてくれたかどうかはわかりませんが、答えがサクッと見つかりました。オザケン妻×実母の対談本である『老いと幼なのいうことには』(エリザベス・コール、小沢牧子著/小澤むかしばなし研究所)です。

 オザケンの母は、日本とドイツで2児の育児を経験し、現在は孫に囲まれて暮らす、いわば現役引退の〈元・母〉。オザケン妻のエリザベス・コール氏は、アメリカで1歳になる息子を育てる〈新米・母〉。時代も文化も違うときを生きるふたりが語らうことで見えてくる、現在の日本の問題点、これからどのように老いや子供と向き合っていくべきか、というのが同書のメインテーマのようです。

 1970年代の日本の育児、現在のアメリカの育児。エリザベス・コール氏によって撮影された世界各国の子どもたちなど、興味深い話しがちりばめられているなか、最も熱く語られているのは母乳育児についてです。これがまあ、さすが(?)環境活動家(妻)×反原発(実母)チーム。粉ミルク育児をディスること、ディスること!

 対談で語られているのは、オザケン妻がはじめての育児を通じて実感した、母乳育児のすばらしさ。自分と赤ちゃん、身ひとつで出かけられるのは、気楽で自然でいい気持ち。粉ミルク育児の友人が語っていたという、災害でミルクが手に入らなくなったらという不安について。授乳はミルクでコントロールするのではなく、いつどれだけ飲むのか赤ちゃんに主導権を持たせて行われるべき。母乳を与えている間の、母と子の一体感。赤ちゃんがおっぱいを飲みながら眠ることの安心感と幸せが、その後の人生も安定させるetc.……

 そこへ粉ミルクが主流だった時代のオザケン母が、「自分は粉ミルク育児で、本当に残念だった」とばかりに相槌を打つのです。そして母乳育児賛礼から、徐々に現代の授乳事情をディスりはじめる両者。

 授乳ケープは、まるで恥ずかしいことをしているかのような気持ちになる。大人だって顔にナプキンかけられてパイを食べたくないでしょう? 授乳用の服なんて特殊な服を着るのは変な話。搾乳して飲ませるのは2倍の仕事をすることになるので、やっている女性は本当にすごい(と褒めながら、不自然よねーと言いたいのが伝わってくる)。

◎出ました、陰謀論!

 すべてを「自然じゃない!」とぶったぎるふたりの主張は、粉ミルクそのものが悪いわけではなく、そうせざるをえない社会のあり方が問題であるというものですが、結果的に粉ミルク育児を行っている女性が読んだら、嫌な気持ちになることは間違いありません。さらに自然に反した粉ミルク育児推しは、より多くの商品を買わせようとする資本主義の陰謀とばかりにグローバリズムを糾弾します。

 おっぱいの世界は〈権力の思惑と資本の都合を無視した解放区〉。だから支配する側は母乳育児を恐れる。粉ミルクなら、消費社会のマーケットに吸収して親子を支配することができるんですと。なんじゃそりゃ! 母乳は母乳で、ハーブティやらマッサージやらいくらでも商売があり、中国では母乳の出をよくするためのマッサージ技術を持った〈催乳師〉の職業が高収入につながると人気が高まっている今、母乳=ナチュラルだから特別なものは何も必要ないなんて考え方は、ただの理想論です。

 そんなお説とともに引き合いに出されるのは、1977年のネスレボイコット運動※や、1955年の森永ヒ素ミルク事件。

※ネスレをはじめとする乳幼児食品販売会社が、発展途上国に進出して粉ミルクによる育児を推進したことで、ミルクを継続的に購入できない貧しい家庭で栄養欠乏が起こったり、不衛生な環境で作られたミルクで感染症の問題が発生したりして、告発が相次いだ。

 粉ミルク推進運動によって同書で指摘されるような問題が過去に起こったのは事実ですが、それに対しては既にWHO(世界保健機構)コードがあり(母乳を推進するガイドライン)、日本も現在はとっくに「可能である限り母乳」という風潮は できあがっています(日本助産師会による母乳神話よりのテイストは気になるものの)。そのうえで粉ミルク育児を行うのは、どうしても母乳が出なかったり足りなかったり、病気や仕事の都合で切り替える必要に迫られるからです。

 とってつけたように「私はたまたま母乳育児ができて本当にラッキー」「出ない人にとっては必要だけど」とことわりを入れつつも、今のこの時代に、粉ミルクの古臭いネガティブな情報をまき散らす必要も意義も、まったく意味不明。自然こそが正義! な環境活動家は、自然な営みから外れたものは、サクッと排除するのでしょうか。こわー。私はエコ自体は嫌いではないけれど、それを広める人たちが嫌いなのは、こういった現実を無視した理想論をふりまくからだということを、改めて実感できました。

◎浮世離れした「理想の育児」

 オザケン家の育児風景は、産後のお母さんは赤ちゃんのペースでお乳をあげるのが仕事(でもマイペースに自宅でできる仕事はする)、赤ちゃんは好きなときに好きなだけ飲むのが仕事、お父さんは家事が仕事というチームで一致団結。そして清潔な土にふれあい、放射能汚染のない食品を選び、オトナの習慣を押し付けず子どものリズムにあわせた暮らしをするのだとか。

 そりゃ、自由業かつ過去の印税(家族ぐるみでディスる、消費社会の恩恵!)で潤っている夫がいてこそ実現できる、ていねいな育児だよな~。今の日本の普通の勤め人では、なかなかハードルの高い育児モデルでございますことよ。それで世の中のあり方に、疑問を持たれても、こまっちゃう~。

 今年1月に行われた渋谷クアトロのゲリラライブはファンの扱いのひどさが話題になり、魔法が溶けたという人も少なくなかった模様ですが、5月のツアーでは少しは商業を意識した俗世へ戻っていらっしゃるのでしょうか。消費文化のど真ん中で成功を手にしたかつてのプリンスは、家族ぐるみですっかり浮世離れしたグルとなっているようですが、新たにどんな姿を見せてくれるのか、ライブのチケットの入手した方はぜひともタレコミをお願いいたします。

(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)

青学箱根駅伝エースにDV疑惑、女性は重症!? 一方、原監督は「笑点」に出演

【不思議サイトトカナより】

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画像は、Thinkstockより

 正月の箱根駅伝を2連覇中の青山学院大・原晋監督が24日、放送50周年を迎えた日本テレビ系「笑点」にゲスト出演した。同監督は大喜利最後のお題で「あの方を」と司会の桂歌丸に招かれて登場。青学大OBの三遊亭円楽は青学大の校歌を歌って熱烈歓迎した。お題は原監督が「一緒に箱根に行こう!」と笑点大学のタスキを差し出し「メンバーが新入生にふんして一言」というもの。円楽は真っ先に手を挙げ「任せてください!瀬古の再来といわれた男です」と瀬古利彦似という“必殺ネタ”を投入し会場を沸かせた。

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