最終回で明暗分けた『砂の塔』と『IQ246』 TBSドラマはオール2ケタの快挙

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笑ってる場合じゃない!

 TBS系連続ドラマ、『砂の塔~知りすぎた隣人』(菅野美穂主演/金曜午後10時~)と、『IQ246~華麗なる事件簿~』(織田裕二主演/日曜午後9時~)が共に最終回を終え、くっきり明暗を分ける格好となった。

 菅野にとって4年ぶりの連ドラ主演作となった『砂の塔』は、初回9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で1ケタ発進。当初は「ドラマの雰囲気が暗い」「松嶋菜々子が怖すぎ」「岩田剛典(EXILE、三代目J Soul Brothers)の演技が棒」などと批判も多く、その後も、9.6%→8.6%→9.5%と上がる気配がなかった。

 しかし、第5話で10.1%と初の2ケタ台に乗せると、流れが変わった。第6話も10.1%で2ケタをキープ。第7話は9.9%、第8話は9.8%で惜しくも10%割れしたが、第9話で自己最高の11.3%をマーク。

 そして迎えた最終回(第10話)では、よもやの13.2%まで上昇した。最後の最後で、「ハーメルン事件」の犯人が誰かに注目が集まった模様だ。全話平均は10.2%で、菅野としてはなんとか面目を保った形だ。

 TBSの「金10」ドラマは、1月期の綾瀬はるか主演『わたしを離さないで』が全話平均6.8%、7月期の向井理主演『神の舌を持つ男』が5.6%と低調が続いていたが、昨年10月期の綾野剛主演『コウノドリ』の11.5%以来、1年ぶりの2ケタ台となった。

 一方、2013年7月期『Oh,My Dad!!』(フジテレビ系)以来、3年ぶりの地上波連ドラ主演となった織田の『IQ246』。初回は13.1%、第2話は12.4%と上々のスタートで注目度の高さを示したが、その後、第3話で10.1%と降下。以後、11.7%→10.1%→10.4%→10.0%→10.3%と、なんとか2ケタ台を維持していたが、第9話で9.3%と初の1ケタ台に転落。さらに最終回(第10話)では、7.8%と大コケした。26.8%の高視聴率を獲得した『FIFAクラブワールドカップ決勝 レアル・マドリード対鹿島アントラーズ』(日本テレビ系)が延長戦となり、完全にバッティングした影響もあるだろうが、それだけが原因ではなかろう。最後の最後で、これだけ数字を落とすからには、視聴者が最終回を前に脱落したことを意味する。当初は織田以下、土屋太鳳、ディーン・フジオカ、中谷美紀ら豪華キャストの魅力で視聴者を引っ張ってきたが、ドラマの内容が伴わず、終盤で失速したのだろう。全話平均は10.7%で、なんとか2ケタ台をキープしたが、なんとも後味の悪い終わり方になってしまった。

 今クールのTBSドラマでは、新垣結衣主演『逃げるは恥だが役に立つ』(火曜午後10時~)が大ヒット。同局の「火10」ドラマは14年4月期のスタート以来、10作連続で視聴率1ケタ台だったが、初の2ケタ台を記録。これでプライム帯の3つのドラマがすべて2ケタ台とは、ここ最近、ドラマの低視聴率が続いてきたTBSにとって、“快挙”といえそう。この流れを、来年1月期のドラマにつなげてほしいものだ。
(文=田中七男)

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