2019年大河に向け、クドカンにリベンジの機会到来! 小泉今日子主演のTBS系ドラマで脚本を担当
大人計画 OFFICIAL WEBSITEより
2019年のNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』で脚本を務める宮藤官九郎が、10月スタートの小泉今日子主演の連続ドラマ『監獄のお姫さま』(火曜午後10時~/TBS系)でも脚本を担当することになった。小泉が連ドラの主演を務めるのは、14年4月期の『続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)以来となる。
随所にコミカルなネタを挿入する独創的なクドカンワールドで熱狂的なファンを持つ宮藤は、13年前期のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』を大ヒットに導き、あらためて評価を高めた。
ところが、その後に担当した、関ジャニ∞・錦戸亮主演『ごめんね青春!』(TBS系)が平均7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と大爆死。続く、岡田将生主演『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)も、ドラマファンの評価こそ高かったものの、8.4%と振るわなかった。『あまちゃん』後に脚本を担当したドラマが立て続けに2ケタにも届かず、不振に終わっているだけに、今度こそは高視聴率を獲得して雪辱を果たした上で大河ドラマに臨みたいところだ。
『監獄のお姫さま』は女子刑務所が舞台となり、小泉、夏帆、坂井真紀、森下愛子、菅野美穂の5人が女囚役。厳格な刑務官にして教官の若井ふたば役を、満島ひかりが演じる。5人の女囚は、それぞれの罪状で服役しているが、そのうち、殺人罪の江戸川しのぶ(夏帆)は無実の罪を着せられていた。しのぶは大企業の前社長の娘だが、真犯人は愛人を殺害したイケメン社長だった。出所後、しのぶ以外の4人は、彼女のえん罪を晴らすべく復讐計画を立て、塀の中で、女囚たちに気持ちを奪われていった刑務官のふたばも、この計画に加わることになる。さまざまな思いが交錯する刑務所での過酷な生活を経て、女たちのリベンジ計画がうまくいくのかを描いた“おばちゃん犯罪エンターテインメント”だという。
このTBS「火10」ドラマは昨年7月期までは1ケタ台が続き、“爆死枠”とも称されていたが、同10月期の新垣結衣主演『逃げるは恥だが役に立つ』が14.6%の高視聴率をマーク。今年1月期の松たか子主演『カルテット』こそ8.9%と1ケタに終わったものの、4月期の波瑠主演『あなたのことはそれほど』は11.3%を記録。今期の渡辺直美主演『カンナさーん!』も初回、第2話と12%台をマークし、出足は好調。今では、すっかり“注目ドラマ枠”に変貌を遂げた。
“女囚モノ”ドラマといえば、4月期に剛力彩芽主演『女囚セブン』(テレビ朝日系)が放送されたばかりだが、『監獄のお姫さま』は、それとはまた発想や視点が違う。「オバちゃんのおしゃべりを書いてるときが、一番楽しいという結論に至った」と語る宮藤が描く異色ドラマは、果たして視聴者に受け入れられるのか? 上昇気流に乗った「火10」ドラマの“いい流れ”に、乗っかりたいところだろう。
(文=田中七男)