中高年男性のなかで萌え広がる【高嶋ちさ子】への気持ち……燃えろ高嶋 萌えろちさ子
何を隠そう、私は以前より、高嶋ちさ子には“ツンデレ”要素があるのではないか? と睨んでいた者である。
いや、正確には「ツンデレであってほしい」といったところか。
「さっきの『G線上のアリア』、スゲーよかったぜ」
「別に……アンタのために弾いたんじゃ……ないんだからね」
高嶋ちさ子のツンデレ妄想だけで、同人誌を1冊書きあげるぐらいの勢いだ。
そんなツンデレ願望が、現実となる事件が起きた。“ゲーム機バキバキ事件”である。
『東京新聞』に掲載された「躾の一環として、子供のニンテンドー3DSを真っ二つにした」という自身が書いた子育てコラムが大炎上。ネット上では、「虐待だ!」「任天堂に謝れ!」「これはクリリンの分!」などと非難の声があがり、ワイドショーなどでも連日とりあげられた。
この間、本人からの弁明は一切なく、まあ彼女のキャラクターからいって「うるせー!」と逆ギレするか、「バカは放っておこう」とスルーするのではないかと思っていた矢先、事態は急変。「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)で行った彼女への電話取材では、「本人はとても反省していて、ツイッターが炎上しているのを見ては、毎日ため息をついている」とのこと……。
何それ~何そのギャップ~。チョー萌えるんですけど~!
さらに、さらにである。「週刊文春」3月3日号に掲載されたインタビューでは「任天堂に持っていけば、修理してもらえるような壊し方をしたうえで、2カ月後のクリスマスに“サンタさんから”と言って息子にのところに戻した」というではないか。
何その不器用な優しさ~。もうね、そのニンテンドー3DSの半分は、優しさでできているよね。
まあ正確にいえば、“ツンデレ”というか“ギャップ萌え”なのだが、元祖男前キャラである和田アキ子も、テレビ番組でドッキリなどを仕掛けられた際「ウチ、こんなんアカンね~ん」と弱気なところを見せることがある。だが、カメラが回っている以上、見ているこちらとしては多少なりとも「演じているのでは?」と邪推してしまうのは否めない。
翻って今回の高嶋ちさ子の一件は、本人が予期せぬ批判に思わず「だけど、涙が出ちゃう。女の子だもん」というリアクションをしてしまったところに、リアルさが感じられるのだ。この“漏れ出た感”がたまらない。
今回のこの一連の流れを知って、久しぶりに心の奥に火が灯るような、そんな気持ちになった中高年の方々は、さぞ多いことでしょう。
もはや、綾小路きみまろの漫談のような節回しになってしまったが、事の顛末を知っても批判を続けるネット民たちの裏には、こうして萌えている中高年たちがいることを忘れてはならない。
若い世代からしてみれば「子どももいるし、おばちゃんじゃないか」という向きもあるだろう。しかし、中高年の恋愛事情において、同世代の女性が「2児の母」というのは“オプション”ぐらいの感覚なのだ。さらに人妻という妙味。不倫・浮気のキッカケの上位が「同窓会」であるという週刊誌の情報をあなどってはいけない。
こういうことがあると、つくづく私は「ロリコンじゃなくてよかったー!」と「地球に生まれてよかったー!」ぐらいのテンションで叫びたくなる衝動に駆られる。決してロリコンを否定するわけではないが、難儀な性癖にならないよう育ててくれた両親に改めて感謝をしたい。若い人たちにも、いずれわかる時がくるだろう。そういう日本であってほしい。
そして、まだ中高年のみに沸き起こっている、この高嶋ちさ子への“萌え評価”。今後メインストリームになるのではないかと私は踏んでいる。
そうなる前に、来月の「サイゾー」で取り上げてみてはどうだろう? ヴァイオリニストである彼女のことだ、『彼女の耳の穴』とかであれば、相当面白い話が聞けるはず。
と担当編集に提案したところ『マトリックス』のキアヌ・リーブスばりにかわされてしまった。
こういうことは恋愛と一緒で、相手が弱っている時にアタックするに限る。グズグズしていたら、どっか行っちゃうよ。この意気地なし! 他誌に先を越されても……知らないんだからね。
西国分寺哀(にしこくぶんじ・あい)
これまでにクリアーしたゲームはひとつもない元ファミコン戦士。最後にプレイしたのは小5のときの「ドラクエIII」。コントローラーにボタンが3つ以上あるとパニくる。