「本」の記事一覧(3 / 16ページ)

子どもたちを救うはずが、ますます不幸にさせる? “限界寸前”児童相談所の実情とは――

<p>「児童相談所」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?</p>

<p> 虐待を受けた子どもたちの相談や、養育困難な家庭への対応、そして非行や虐待によって家庭にいられなくなってしまった子どもたちを一時的に保護するといったことを行っている児童相談所の仕事は、社会からはなかなか見えにくくなっている。だが、その世界に一歩足を踏み入れると、そこには驚くべき現実が広がっていた。米・不動産ファンド「モルガン・スタンレー・キャピタル」出身で、NPO法人「Living in Peace」を設立し、子どもたちの支援を行っている慎泰俊による著書『ルポ 児童相談所 一時保護所から考える子ども支援』(ちくま新書)から、その実態を見てみよう。</p>

<p> 本書を一読して驚かされるのは、児童相談所における子どもたちの扱いだ。虐待、貧困、非行などによって、家庭での養育が困難となった子どもたちが一時的に預けられる「一時保護所」では、一昔前まで体罰が当たり前だった。現在では体罰こそ減ったものの、「外出禁止が徹底され、学校にも行くことができない」「脱走防止のために、窓を開くこともできない」「私物はおろか、服も持ち込めない」「男女のトラブルを避けるため、きょうだいであっても会話ができない」「連絡先交換を防ぐため、紙の使用も管理されている」など、すべてが「トラブル防止」の名のもとに、徹底的に管理されている。在所経験のある人々は、この施設について口々に「あそこは地獄だ。思い出したくもない」「刑務所のような場所」と表現。さらに、一部の保護所では、トラブルを起こした子どもに対しては「個別対応」という名目で、4畳の個室での隔離生活を強いる。まるで、独居房のようだ。</p>

ディズニー映画に隠されたメッセージを徹底解明! 見方がガラリと変わる『暗黒ディズニー入門』

<p>「ディズニー」という言葉ほど、人によって連想されるものが違う言葉はないだろう。印象も、知識の量も大きく異なるはず。『暗黒ディズニー入門』(コア新書)では、そんなさまざまなイメージを持つディズニーの正体の解明を試みる。</p>

<p> 著者である高橋ヨシキ氏は、ディズニー好きを自負しており、本書はニュースサイト「ブッチニュース」で連載されていた「高橋ヨシキのディズニー大好き!」をまとめ、一部加筆した一冊。まえがきで著者は、ディズニーによって「魔術への信頼」という影響を受けたとしている。サブカルチャーを主な主戦場とする著者の源流が、ここにあるようだ。<br />
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「東大生に50円の価値もない」月給1,500円!? 高野りょーすけが“日本の最高学府”東京大学を飛び出したワケ

<p>「おっさんレンタル」「レンタル彼女」……と物に限らずありとあらゆる体験が“レンタル”できるようになった昨今、インターネットやSNSを介して、自らの時間のレンタルを受け付ける人たちが出てきた。1日50円という労基署も真っ青な金額で、レンタルを受け付ける男がいる。なぜ、彼はフルタイムで働いても月給にして1,500円にしかならないこの生活を始めたのか? そんな「1日を50円で販売する」生活の中で出会った、さまざまな人々との交流をまとめた『現役東大生が1日を50円で売ってみたら』(KADOKAWA)を上梓した、著者の高野りょーすけ氏に話を聞いた。</p>

「君たちはどんなに頑張ってもリア充にはなれない」意識高い系は、なぜ面倒くさい? 文筆家・古谷経衡が暴く“承認欲求の怪物”の正体

<p>SNSに毎日投稿し、土日は仲間たちとバーベキュー、せっせと自己啓発セミナーに足繁く通う若者を「意識高い系」と呼ぶ。時に炎上する彼ら「意識高い系」は、どこからやってきたのか。</p>

<p> 若手文筆家・古谷経衡が、このたび『「意識高い系」の研究』(文春新書)を上梓した。自身も「意識高い系」の一人だと自認する古谷に、世間をにぎわす彼らの実態について話を聞いてみた。<br />
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前田日明は、本当にただの「ヘタクソ」だったか……ベテランプロレス記者が読み解く『1984年のUWF』

<p> 文藝春秋より刊行された単行本『1984年のUWF』が、かつてUWFのファンだった人を中心に話題を呼んでいるという。</p>

<p> 著者はスポーツ雑誌「Number」(文藝春秋)の元編集者で、フリーライター転向後、『1976年のアントニオ猪木』(同)、『1985年のクラッシュ・ギャルズ』(同)、『1993年の女子プロレス』(双葉社)、『1964年のジャイアント馬場』(同)などを執筆した柳澤健氏。</p>

<p>『1984年のUWF』は、序章=北海道の少年(中井祐樹)、第1章=リアルワン(カール・ゴッチ)、第2章=佐山聡、第3章=タイガーマスク、第4章=ユニバーサル、第5章=無限大記念日、第6章=シューティング、第7章=訣別、第8章=新・格闘王、第9章=新生UWF、第10章=分裂、終章=バーリ・トゥードから構成され、全411ページとかなりのボリュームだ。</p>

パンクすぎ! 伝説のハガキ職人の挫折の日々と、妄信し続けた“才能”の終着点とは――

<p>「1日2000本のボケを考える」というノルマを自分に課すというクレイジーな生活を送り、『着信御礼!ケータイ大喜利』(NHK総合)でレジェンドの称号を獲得。</p>

<p> その後も、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)、『伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)など、数々のラジオ番組や雑誌の投稿コーナーで常連となっていたハガキ職人・ツチヤタカユキ。</p>

<p> やがて、常連だったラジオ番組の芸人に誘われ、構成作家見習いとして上京。しかし「人間関係不得意」ということで、その道もあきらめ、地元に帰ってしまったことなどが番組で語られていたが、最近ではめっきりそんな話も出なくなって、ツチヤの行方を気にしていたリスナーも多いのではないだろうか。<br />
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銀幕を彩る古今東西の女優へ、等身大の愛を語る『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』

<p> 私が初めて秋本鉄次さんの映画批評を読んだのは、1979年の春、「キネマ旬報」誌に掲載された角川春樹プロデュース&村川透監督による東映映画『白昼の死角』評だった。</p>

<p> 当時は日本映画界が2本立プログラムピクチュアから1本立大作路線へとめまぐるしく変貌していった時期で、映画マスコミはそれらの作品群を「贅肉のつきまくった大作」と頭ごなしに批判しまくっていたが、このとき秋本さんは「そんな贅肉なんて、バリバリ食ってやる!」といったエネルギッシュな気概で当時の風潮を一蹴し、その上で『白昼の死角』を贅肉の少ない映画として評価されていた。<br />
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熱を入れすぎてパブ嬢とデキちゃった!? “研究者失格”の著者がのぞいた、フィリピンパブという社会

<p> もはや、過去の遺産となりつつある「フィリピンパブ」。バブル期からその数は増え始め、ピーク時には年間8万人もの女性が、フィリピンパブで働くために来日していた。しかし、2017年の今、風前のともしびとなっている……。</p>

<p> そんなフィリピンパブの実態に迫る研究者、中島弘象氏が『フィリピンパブ嬢の社会学』(新潮新書)を上梓した。中部大学大学院でフィリピンについて研究をしていた彼は、ひょんなことからフィリピンパブの世界に足を踏み入れ、「ミカ」というホステスと恋仲に発展! ついには、結婚までしてしまったのだ。</p>

<p> いったい、フィリピンパブ嬢との愛を、どのように育んできたのか? そして、ミカさんとの恋愛を通じて見えてきたフィリピンパブの実態とは?</p>

『仁義なき戦い』のモデルの“元ヤクザ”美能幸三は、本当は映画化を望んでいなかった?

<p> 1973年に公開され、社会現象を巻き起こした日本映画の金字塔『仁義なき戦い』シリーズ。近年でも、菅原文太(2014年没)や松方弘樹(17年没)の訃報を伝えるニュースにおいて、今から40年以上も前の同シリーズが彼らの代表作として繰り返し紹介されたのは記憶に新しい。だが、公開から長い年月が経つにつれて、このシリーズが戦後の広島県で実際に起きた暴力団同士の抗争をモデルにしていることを知らない世代も増えている。</p>

<p> 本書<a href=”http://amzn.to/2nhtU74″target=”_blank”><u>『仁義なき戦いの“真実” 美能幸三 遺した言葉』(鈴木義昭/サイゾー)</u></a>は、後に広島抗争と呼ばれた抗争劇の真相を、その中心人物となった元暴力団員・美能幸三の手記とインタビューで解き明かす一冊。美能は10年に83歳でこの世を去ったが、著者は生前の彼のもとを何度も訪ねて聞き取りを重ねていたという。<br />
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歴史あり!? エロに情熱を燃やす愛すべきオトコたち『わが青春のマジックミラー号 AV界に革命を起こした男』

<p> 一冊の本、一枚のCDによって人生が大きく変わってしまうということがある。 僕の場合、浪人中に手にしたひとつのアダルトDVD(AV)がそれにあたる。</p>

<p> 何の気なしにふらりと立ち寄ったブックオフで僕が手にしたアダルトDVD(AV)は、当時、『やりにげコージー』(テレビ東京系)や『ああ探偵事務所』(テレビ朝日系)に出演するなど、もはやAV界“最強”の風格すら漂っていた、女優の夏目ナナがパッケージを飾っていて、夏目ナナの口からは、「10枚も入ってるなんてお得やで~」みたいな吹き出しが飛び出ていた。<br />
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